いよいよ世界選手権が始まる。

 コロナ対策の不十分さが、他の方たちのブログで指摘されており、心配は尽きない。私も、昨日、ご利益があると自ら信じている、歩いて15分ほどのお寺に行って、羽生さんの健康と勝利を祈ってきた。下にあげた写真に見える、小さな「厄除け・開運」のお守りが、謙信神社ほどのご利益を期待できるかどうかは分からないが、それでも、世界中の神々が、きっと羽生さんを守ってくださると信じている。

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 出場し・・申し訳ありません

 

 皆さんも、お読みになったと思うけれど、『アイスジュエルズ』に、羽生さんからのメッセージが載っていましたね。

 

苦しみながらも闘っている方や、悲しみに暮れている方、絶望している方もいる中で、自分の希望をつなぎ留めるために出場し、個人的な思いを優先させてしまったと思い、反省もしています。申し訳ありません。

 

 私は、この文章を読んで、大変な衝撃を受けた。彼が、全日本に出場するにあたって、コロナ禍の下で苦しんでいる人、闘い続ける医療従事者の方々などへの、深い気遣いと配慮を示し、「自分の希望をつなぐために出場した」という意味のことを発言したことは知っていた。けれど、試合後、あれほど素晴らしい演技をして、私たちを喜ばせ幸せにしてくれた、そのあとに、なおこうした謝罪の言葉を繰り返す羽生さんの心情に、どこか常人には到達できないほどの、強烈な自制・禁欲の心情を感じたからだ。

 それは、多分、羽生さんが、最も感受性の強い10代半ばに震災を経験したことと無関係ではないと思われるが、それ以上のことは分からない。ただ、全日本での快勝に湧いていたファンの気持ちをうけとめつつ、なお、こうした「申し訳ない」という思いを抱えていたとしたら、彼の、孤独はどれほ深いのか、自分に対してどれほど厳しいのかと想い、言葉を失った。

 

趣味なし

 

 

 ISUのバイオに「趣味なし」と書いたことが、話題になっていた。けれど、それは、世界選手権に向かう羽生さんの、(コロナ禍の下で苦しみ苦闘している人々に申し訳ないという)心情が、書かせたものだろう。日本スケート連盟のバイオには、長らく「趣味 音楽鑑賞」と書いてきたのだから、本来は、そう書いたはずだ。

 羽生さんは、世界一の選手でありながら、なおスケートをすることさえ「申し訳ない」と思う人なのだ。音楽を鑑賞する余裕などない人々が大半の、この世界で、「趣味 音楽鑑賞」などと書けなかったのだろう。

 

 これほどに自らを律し、自制し、禁欲的に、ただひたすらにフィギュアスケートだけにすべてを賭けて、羽生さんは世界選手権に出場するのだ。その強い自制的な覚悟に世界中の神々は、きっと報いてくれるだろう。

 さらに、謙信から得た、闘いに臨む達観・透徹した高い精神性が羽生さんを内から支えてくれると信じている。

 

  羽生さん、健康であり続け、頑張ってください。

 

         2021年 世界選手権を目前にして