オトコども -8ページ目
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初めての恋愛



          高校時代の甘くて切ない恋


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高校に入ってすぐに私は野球部のマネージャーになった。


野球が大好きだったから。



そこで、衝撃的な出会いをした。K君だ。


一目で恋に落ちた。


田舎から出てきた彼は、私の目には新鮮に映った。


それから毎日、部活ではドキドキの繰り返し。



話を出来た日は1日ハッピーに過ごせたものだ。


彼とも仲良くなり、どんどん打ち解けていった。


わたしの想いもどんどん膨らんでいった。



でも、そんな彼に彼女が出来たのは、その後まもなくだった。


ショックだった。



毎日練習を見にやってくる彼女。


練習が終る時間まで彼を待っていて一緒に自転車で帰っていく。



土日は練習試合まで観戦に来て、そんな姿を見せ付けられるわたしの心はズタズタになっていった。



(来ないで・・・。せめて部活の時だけは、わたしのものにさせていて・・・。)



そんな願いも届かず、二人の交際は高校3年まで続いていった。



わたしの長い片思いも高校3年まで続いていた。



女の感は鋭いもので、わたしの想いに彼女が気づいた。


それからと言うもの、彼女の嫌がらせが始まった。



わたしが登校しているのを見かけると、彼と歩いていた彼女は、


『おはよう!』


と勝ち誇った顔で近づいてくる。



精一杯の笑顔で、おはようと返す。



辛かった・・・。


時には馬鹿にしたように私が彼を呼ぶ時のモノマネをしたりしていた。



私は彼女が嫌いだった。



彼と別れて欲しかった。


でも、二人が別れる気配は全く無かった。



そして、高校3年最後の夏の大会が始まった。


ナイーブになっていた彼はピリピリしていて、今までに見たことのない表情をしたりした。


怖かった。


私の心で何かがはじけてしまった。



彼から逃げよう・・・辛い片思いから逃げよう・・・・。



そして、私は彼を諦めようと必死になった。



でも、長年住みついたわたしのココロの中の彼は一向に消える気配は無かった。




新しい恋をしよう。



誰かと付き合えば彼を忘れられる。



そう、思いながらも高校の卒業式を迎え、彼とは大学も離れ離れになった。




わたしにも、出会いがあって、彼氏も出来た。


彼とは今では良い友達。




でも、私の心の中でヒーローだった彼が消える事は一生無いのかもしれない。


たとえ彼が、お腹が出てきておじさんになったとしても。



青春時代の王子様は、永遠の王子様なんだと思う。

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