事務局のです。
もう6月になっているのが信じられず、時の流れに怯える日々を送っていますが、そんな私からは、だいぶ前になりますが、今年の1月に府中の森芸術劇場で観劇してきた、能・狂言公演のお話をご紹介させていただきます。
(写真は撮影できませんでした。)
当日は狂言→能の順番で公演が行われたのですが、解説によると元々は能の合間に狂言が行われるものなのだそうです。
能はずっと見ていると脳をものすごく使って疲弊する(+眠くなる)こともあることから、その合間に休憩代わりに狂言があるという話もあるようで、能と狂言は切っても切り離せない関係のようです。
さて、実際の演目ですが、狂言は「鐘の音」でした。
主人から「金の値」を聞いてこいと言われたことを、召使いである太郎冠者が「鐘の音」を聞いてこいと言われたと勘違いして、鎌倉の複数の寺の鐘の音を聴き比べて帰り、主人から怒られるというお話です。
楽しみにしていた野村萬斎さんですが、太郎冠者の少し抜けたかわいらしさ(?)を演じつつも、ひとつひとつの動きが洗練されていて、素人ながらにも貫禄を感じました。
続いて能は「葵上」という演目でした。
皆さんも一度学んだことがあるかもしれませんが、光源氏の正妻、左大臣家の息女の葵上です。
葵上が物の怪にとりつかれ重態で、回復させようと様々な方法を試みるもののうまくいかず、梓弓の音で霊を呼ぶ「梓の法」の名手、照日の巫女を招き、物の怪の正体を明らかにすることになったという物語でした。
ちなみに「葵上」という名目ですが、実際には葵上は登場せず、舞台正面手前に1枚の小袖が置かれ、これが無抵抗のまま、物の怪に取りつかれて苦しんでいる葵上を表していました。
狂言と違って、能は演者が語ることはせず演奏と舞だけなので、見ても分かるのか不安もあったのですが、
その点は、場面が変わるごとに横のスクリーンに字幕の解説が表示され、初心者にもとてもやさしいものでした。
(ただ、想像力が問われるものなんだな…とは感じました)
普段は全く触れる機会のない能・狂言でしたが、解説も相まって、興味が湧きました。
また機会があれば行ってみたいです。