役所からの住民税非課税所帯に向けての給付金がご送金されて一人の若者に4000万円以上の金額が振り込まれた。

返還要求にもかかわらず、全額を使ってしまったということが話題になっている。

 

僕はこの若者、気の毒だと思う。

わずか4000万円程度のお金で今後の働く機会をなくしたり、訴訟などに想定外の時間を使わされたり、刑務所に入れられたり。

 

町のほうが被害者のような論調が多い。

それはそうかも。

ただ、

人間いろいろな人がいて目の前にあるものに対して、冷静な判断ができずわずかなもの飛びついてしまう人もいるみたい。

 

落語の千両みかんの番頭さんの感覚なのかもしれない。

 

大店の息子が病気をした。

原因はミカンが食べたい。それも土用の暑い時期に。

当時はそんなもの手に入らない。

 

命に係わる状態だ。

 

番頭さんが探し回ってみかん問屋に奇跡的に残っているみかんを見つけてくる。

 

その値段がなんやかんやあって千両に。

主人はそれを息子の命にかかわるものだから千両は安いと。

 

息子に番頭がそのみかんを持っていく。

10袋のミカンのうち7袋を食べ、残り3袋を、父親、母親、番頭の3人で食べてほしいと息子が番頭に渡す。

 

それを渡された番頭が自分の今後を考えたときに100両ものれん分けでもらえない。

手元に300両のみかん。

 

金銭感覚がくるっているのだ。

番頭はそのみかんを持って逃げたという話。

 

目の前に自分が今まで持ったことのないお金(値打ちのあるもので)でいろいろなことがマヒしてしまって変な行動をとってしまったという話。

この逮捕された人もこの番頭と同じように後先が考えられなかったかもしれない。

 

 

この4000万を受け取った人。

まだ若い。

わずかなお金でこれから先の人生を生きにくくしている。

 

でも、僕も公務員をやっていたのだが、長く勤めていたのに暴力事件や女性関係、わいせつ事案などで、懲戒免になった人も結構見ている。

 

その時に思う事。

人は冷静に物事を判断できなくなることもあるのだ。

自分も気をつけなければ。

 

彼も、振り込みを間違えた人も、今後の人生でものすごくしんどい思いをすることになるのだと思う。

そこは本当に気の毒だ。

 

ちなみに、公金の振り込みのようなことの間違いは僕も2度体験している。

一度は、郵便局で22000円の定期貯金をしたときに通帳に22万円の記帳があった。

これは気が付いてすぐに訂正してもらった。

それと父親の相続税の申告の時に僕の5万円の定期預金の残高を見て50万円と読み間違え、相続税の修正申告を要求してきたとき。

 

めったにないことなのだが、僕だけでもこんな経験をしている。

 

世のなかこんなこともいっぱいありそうだ。

 

こんなことはどんな頻度で起こっているか知りたいところもある。