よく聞いて欲しい。

俗に、梅田ダンジョンと言われるが、ひとつだけ覚えておいてほしい言葉がある。

「迷ったら2階を目指せ」

複雑さはどうしようもないが、1階は道路やバス乗り場が行く手を阻み、地下は繋がっている場所が少なく見通しがない。

問題は2Fのノースゲートとサウスゲートと直接繋がっていないのだが

どこにいても(一時的に3Fや1Fを経由しても)2Fに戻ればなんとかなる

2Fのノースゲートからは

 北にまっすぐグランフロント南館・北館、そして北館経由でグラングリーン、

 右に向かえばルクアを右手に見ながら阪急梅田へ、

 左に回り込めばルクアイーレの中を通りに抜けイノゲートへ

2Fのサウスゲートからは

  南にむいて右に向かえばKitte、

  左に向いバスターミナルを左に、2号線越しに阪神百貨店を見ながら阪急百貨店へ

先に述べたノースゲートとサウスゲートの連絡は

ノース3階のコンコースを経由すると、サウス側では大丸梅田3Fへ強制入店することになるので、店内エスカレーターで2Fへ下り、店内を通り抜ければ南側2Fの回廊にでられるのだ。

(南から北はその逆)

 

地下をさまようのも一興だけれど、南大阪人だったり、河内民だったりすると普通に迷って自分の場所がわからなくなる。

そのまま途方に暮れた戦士達の収容所(世間一般では飲み屋)を見つけ、更に判断力を失い、力尽き、流れ流れて気が付くと東通り商店街のジャンカラにたどり着き、そのまま太融寺に葬られるものも少なくはないのだ。

 

男はそうして、梅田に向かう前には、やりのこした事はないか、家族と和解しておくべきか、

後悔のないよう身辺の整理をして死地に赴くのである。

 

多少、主人が遅く魔の水の香りを漂わせボロボロになって帰ってきても、責めてはならぬ。

男は毒水(命の水=アクアビテとも言う)に侵されつつも精神と体力の限りを尽くし、あの恐るべき魔の地から帰ってきたのだから。