リストカット跡の修正〜リストカットの傷に見せないようにする工夫〜
リストカット跡で悩む患者様は多く、
他院でレーザー治療などを行ってこられるのですが、
「全然変わらなかった」
・・・とおっしゃいます。
私はレーザー専門医・指導医でよくレーザーのことはわかっていますが、
白くなったリストカット跡をレーザーで綺麗にすることは、
まず無理だと考えています。
今回は白くなったリストカット跡に対し、
傷跡修正によって目立たないようにする工夫を説明します。
ところでリストカットする場合ですが、
ほぼ確実に一直線に切ります。
そのため直線状の傷が何本もできます。
今回の症例も複数の直線状の白いリストカット跡がありました。
私はどう工夫しているかというと、
その直線の傷をジグザグの傷にかえてしまいます。
ジグザグつまりW形成術などを利用して行います。
なお傷が近くに複数ある場合は、
必ず一本づつ行います。
これは修正した傷がお互いに引っ張りあるために、
結果的に傷の幅が広がってしまうためです。
ではその経過をみていきましょう。
最初は赤くなっていますが、
次第に赤から茶色に近い状態になります。
そして約3年も経過すれば・・・
傷は若干残っていますが目立たなくなりました。
最初の直線の傷をジグザグにしているために、
リストカットの傷跡に見えなくなるわけです。
患者様も大変満足してくれました。
今後は隣の傷を修正していければと考えています。
傷はなくなるわけではありませんが、
リストカットの跡が、
リストカットの跡ではないような傷に変えることで、
少しでも目立たなくなり、
気持ちのゆとりがでてくるのです。
丸山成一
※before & afterの画像についてのご注意
写真はあくまで参考画像であり、症例により効果や満足度は異なりますのでご了承下さい。
※リスク・副作用・合併症
内出血、腫脹、傷の哆開(しかい;傷が開く)、糸が出てくる(埋没縫合した糸がでてくることがある)、縫合糸膿瘍、テープ(傷の安静をはかるためのテープ固定)かぶれ、傷が長くなる、ドッグイヤー(傷跡の両端が盛り上がる)、傷の肥厚・陥凹、修正前より目立つ、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。