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不登校の原因を無用に追究せずに、子どもの気持ちに寄り添う

 

 

 

 

 

不登校の初期の段階で、不登校が生じた理由を尋ねるのは、不登校のきっかけを取り除くことが目的です。とはいえ、それを取り除ければ、確実に再登校に結びつくわけではありません。

 

 

 

 

 

また、無遠慮に原因追求をすることも慎みたいところです。不登校が本格化すると、新しい事態が発生します。その新しい事態が、不登校を継続させるように働きます。

 

 

 

 

 

この新しい事態を、「不登校の維持要因」と呼びますが、この「不登校の維持要因」は、不登校が始まってから数週間のうちに、不登校問題を解決困難な別次元の問題に導いてしまいます。

 

 

 

 

 

したがって、不登校のきっかけを把握するのは、早いに越したことはありません。初期の段階で、そのきっかけとなったストレスに対して何らかの手が打てれば、あわよくば不登校の本格化を防ぐことが可能になるのです。

 

 

 

 

 

ただし、子ども自身が不登校のきっかけとなることを正直に語ってくれるとは限りません。とくに、突然不登校になった場合には、周囲の者に援助を求める気持ちが弱いのです。

 

 

 

 

 

また、正直に語ったとしても、そのきっかけを短期間に取り除けるとも限りません。そして、どうしようもないこともあります。

 

 

 

 

 

たとえば、過去で起きたことが影響している場合もあります。また、人間関係のトラブルでは、関係がこじれてからのことも多く、短期間ではよい方向に向かわないことも少なくありません。

 

 

 

 

 

いずれにしても、突然に不登校になった場合は、長期間、周囲が子どもの悩みに気づかず、子どもが一人で悩んでいたと考えます。

 

 

 

 

 

それだけに、短期間で解決できない場合や、過去の辛い体験の影響を受けている場合が少なくないことを想定します。だから、原因を尋ねるときには、慎重な言い回しを意識しなければなりません。

 

 

 

 

 

さて、こちら側の問いかけに応えて、不登校のきっかけを語った場合は、それを語ったことをねぎらいましょう。「よくそのことが言えたね」という具合にです。

 

 

 

 

 

そして、一人で長い間悩んでいたことを理解し、「辛い思いをずーっとしてきたんだよね」と語りましょう。そして、あれこれ本人なりに工夫した努力について丁寧に聞き取りましょう。

 

 

 

 

 

不登校のきっかけが語られない場合でも、「理由はわからない・・・・・・・それでいいよ」と、そのことを受け入れます。「理由はわからないけれども、学校に行けないのは辛いよねえ」と言います。

 

 

 

 

 

そして、いつごろから辛い思いをしてきたのかを確認しましょう。辛く感じていた期間がわかった段階で、「それだけの間、辛い思いをしてきたんだ」と応じます。

 

 

 

 

 

そして、周囲にいて不登校以前に子どもに関われる立場の場合は、「その間に、辛い思いをしていたことに気がつかなくて、申し訳なかった」と謝罪します。

 

 

 

 

 

これらが、子どもの問題のきっかけを確認しながら、子どもの気持ちに寄り添う関わり方です。

 

 

 

 

 

どのような援助をしてほしいのかを確認する

 

 

 

 

 

次に、不登校のきっかけがわかっても、わからなくても、どのようなことを手伝ってほしいと考えているのかを確かめます。これは、不登校に突然なった場合だけでなく、不登校傾向が悪化して、対応を仕切り直しする場合にも必要な関わりです。

 

 

 

 

 

でも、そのために漠然と「何か力になれればいいと思うのだけど、何か手伝ってほしい?」と尋ねるのは芸がありません。

 

 

 

 

 

看板もメニューもない料理店に入った客が、店主から「何をお作りしましょうか?」と尋ねられても、困ってしまうのと同じです。

 

 

 

 

 

まず、「辛い思いをいっぱいしてきちゃったんだよね。どうしていいか自分でもわからないんだよね。これから、どうしていったらいいのか、いっしょにあれこれ考えていくこともできるけど・・・・・・・どうかなあ?」という具合に、こちらが提供できる最低限のことを伝えます。

 

 

 

 

 

そのうえで、考えられる具体的なサービスをメニュー提示します。不登校になったことについて、辛く感じているようであれば、「君自身が辛く感じたり、不安に思っていたりするのは、見ているほうも辛いなあ。学校に行く、行かないは別にして、少しでも気持ちが楽になったほうがいいんじゃないかって思うけど・・・・・。そのために、○○する時間がつくれればいいんじゃないかと思うのだけれど、それって嫌な感じがする?」というような言葉をかけます。

 

 

 

 

 

「○○する」の部分は、教師や保護者であれば、「いっしょに遊ぶ」でもいいと思います。支援者であれば、「カウンセリングする」でもいいでしょう。

 

 

 

 

 

不安や緊張を和らげる具体的な心理治療技法があるのなら、それを提案してもいいと思います。また、不登校のきっかけが明らかになった場合なら、「そのことが解決したなら、学校には行きやすくなるかなあ?その解決のお手伝いをしたいと思うけど、どうかな?よけいなお世話という感じもするかな?」と尋ねます。

 

 

 

 

 

そのうえで、不登校にきっかけとなったことについて、その解決に向けたさまざまなアイデアを出し、メニューのように並べます。そして、それらのアイデアの中から、「この程度のことなら、してもらっても構わないことってあるかな?」と、子どもの意向を確認します。

 

 

 

 

 

このように、不登校の初期段階では、子どもの回復への力になりたいことを宣言します。子どもが拒否しない限り、この動きは早いほうがいいです。

 

 

 

 

 

そして、子どもとの関係をよりよいものにしていきます。その一方で、当面の不登校のきっかけを探り、取り除くことなど、当面の問題の解決に向けていっしょに考えて歩み始めます。

 

 

 

 

 

そのときに大切なのは、細かく子どもの表情や表現の意味を感じ取りながら、丁寧に確かめていくことです。