ここ2、3日、松本の様子がおかしい。

元気がなく、仕事の合間にボーっと遠くを見ては溜息をついている。

「ねぇねぇニノちゃん」

「何ですか?」

「松本の様子、おかしくない?」

「えー?そうかな?気になんないけどね」

翔ちゃんと喧嘩でもしたのかな?
今朝だっていつもなら会社まで翔ちゃんが送って来るのに、松本は電車通勤だった。



「ま~つ~も~と!」

「あ、相葉さん、お疲れ様です」

「お疲れ!何か元気ないけどどうした?翔ちゃんと喧嘩でもした?」

「.........。」

ビンゴ!

やっぱり翔ちゃんがらみだったか.........。

「喧嘩ならいいんですよ!喧嘩なら謝って終わりますもん.........」

「は?」

「.........もういいんですよ、もう。」

そう言って事務所から出ていった。

え?どういう事?

「ちょ、ちょ、ニノちゃん!聞いた?今の松本の話」

「んー?あの夫婦の事だ、明日には笑ってハートマークが松本を囲んでるよ」

「そうかなー?」


あの2人が喧嘩なんてしてるとこ見た事ないし、喧嘩したまま翔ちゃんが松本を出勤させるなんて考えられないし。

違和感いっぱい。

どうしても気になる俺はニノちゃんに、今日松本とご飯に行って話を聞こうと誘った。

「ごめん。○○さんの契約、来週早々なんだ。確認事項がまだ残ってるから俺、残業。」

「そうなんだ。じゃあ俺、松本も2人で飯行ってるから。もし来れたら来てね。いつもの所」

「OK!よろしく!」

何かニノちゃん、いつもと違って松本に冷たいな。
松本の様子に1番敏感なのに.........。


仕事が終わって松本を誘おうと探した。

給湯室からコソコソ話声が聞こえたので覗いてみると、ニノちゃんと松本が何やら話していた。

「凄く心配してるから」
「わかりました。ありがとうございます。」

「みぃつけた!やっぱりニノちゃんも松本の事心配してんじゃん!」

俺の声で2人ともビックリした顔で振り向いた。

「松本、俺がゆっくり話を聞いてあげるから。心配は要らないよ。」

「は、はい。」

「じゃ、よろしく!」

「行こう、松本。」

「はい。二宮さん、お疲れ様です。」

「はい、お疲れさん」


2人で会社の玄関を出たけど、やっぱりいつも迎えに来てる翔ちゃんの姿がない。

「翔ちゃんも残業?」

「さぁ、知らないです。」

「おいおい、どうしちゃったのさ」

「僕に聞かれてもわかんないですよ。今の翔さんが何を考えてるのか」

何だか大変な事になってそうだ。