49日のレシピ | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

四十九日のレシピ (ポプラ文庫) 四十九日のレシピ (ポプラ文庫)
(2011/11/02)
伊吹 有喜

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《あらすじ》

愛知県に住む熱田良平の妻、乙美が突然亡くなった。二週間後、生きる気力を失っていた熱田のもとに、日焼けをした黄色い髪の女子・井本が訪れる。井本は乙美から頼まれていた四十九日までの細々とした家事などを引き受けに来たと話し、熱田に乙美が残した「レシピ」の存在を伝える。そこへ結婚し、東京で生活を送っていた娘の百合子が疲れ果てた様子で帰ってきた。彼女はある出来事から結婚生活が破たんしたことを知り、離婚届を残し実家に戻ってきたのだった。

熱田と百合子、それぞれ心に傷を負った親子が乙美の人生を知ることで、自ら立ち直っていくまでの四十九日間を互いの視点から描いていく


《私的にコメント》

傍に寄り添う人が先に逝く。

そんな事を考えたことも無いのに、現実は冷たくも突き刺さる別れ。

そんなとき、残された者はどうすればいいのだろうか。

もしも自分ならどうしただろう。ふとそんな事を思う年齢に差し掛かっている。

幾つかの死という理不尽な別れを経験したきた。そのつど都度でそれなりの答えを見つけて対処してきたつもりだ。たぶん、何処かで、死が別つ時の到来を受け入れていたのだろう。それぞれに違う理由をつけては…。そんな事を思いつつ、作品を読み進んでいくと、幾つかの推測が頭を過ぎる。

正直に言えば、その推測は概ね当たっている。が、何となく読み進める作品だった。

この作品には2つの悲しみがでてくる。

一つは熱田良平。もう一つは百合子。

寄り添う相手がいなくなったとき、幾つの後悔を俺はするのだろうか。逃げるように何かに没頭するのかもしれない。それとも、乾ききるまで、思い出の全てが思い返され消えていくまで泣き続けるのだろうか。その答えを俺が知るとは限らないけれど、どちらかを選択するのかもしれないし、それ以外の答えに行き着いているのかもしれない。

百合子の悲しみは男には計れるものではない。ただ、苦悩はよく分かる。残念な事に百合この悲しみの原因となる夫についてはそれほどかかれていないので、思いの部分では不足している感が在るかも知れない。

二人を支える二人の異邦人(のような存在)は、必要に合わせて色々と行動をする。そこにあるのは純粋な思いだけ。

4人の思いと優しさが交錯していく中でそれぞれの結末は訪れる。

そこの中に読み手が求める答えは……

一つといわずに、幾つもある節目の中で…答えは零れ落ちていくのかも知れない


《ついでに映画版の》

49日のレシペ(公式サイト)