これも恋物語… 第3幕 5 | 気紛れな心の声

気紛れな心の声

気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

第0章 第5話


「あっ、そんなに身構えなくても…今から、呑んで騒げる店知っています?」

「…2時からやっているのが、駅前にありますよ…社長」と、クスクス笑いながらこのはが言う。一真は、結構人見知り体質だ。女性が混じれば余計に。人との関係は、インスピレーション的な部分も多いようにも思える。だから、最初に呑みに行く。酔いに任せてという部分も利用して相手と仲良くなる。仕事上、気を使っている部分は少なくないけれど…。社内で見ていればよく解る。

合コンの時など、本当にいつまでも喋らずに、黙々と呑んでいるタイプだった。

「あっ、じゃあ、とれる?」

「大丈夫ですよ…皆さんご参加で?」

「………」

このはの問いにとりあえず誰もが頷く。だが、その視線は一真を見たままだった。

「いや、じゃあ、一つ提案……いや、そんなに固まらなくても、呑みに行くんだからさ、敬語は使わないようにしよう…これからは。下に来るメンバーの手前、敬語も必要になるしさ…せめて、役員に名を連ねた俺達と、おまけの時くらいはさ…」

「あたしおまけですか?」

「…だって、お前…綾乃を見極める為に志願しただろう…」

「……天城さん」

遊膳異彩。ネクストの最寄り駅近くに有るその店は、表通りから外れた場所で営業をしている。正確には、表通りで営業していたが、転居のたびに、表通りから外れていった。何故、不便な場所に行くのかは、大将のこだわりにすぎない。

この店は、巣鴨の紹介で五井物産の面子は訪れていた。駅から離れるに従って客足は遠のいたが、それでも、この店の雰囲気が好きな面子は訪れていた。

「らっしゃい!」

威勢の良い声で大将がいう。和洋を問わず、その日の気分で料理を出すこの店は、一真のお気に入りの店の一つである。何よりも、肩書きの着いた上役達に合わなくても良い店だった。ここで顔を合わせる上司は、如月と巣鴨だけだ。

「おっ、早い時間だね…」

「どうも…無理言って場所とらせてしまって…」

「いや、如月さんが昨日、来るだろうからって、祝いをおいていってくれているよ」

「先輩が…」

「ああ…で、お任せでいいか?」

「ええ…9人もいれば、好き嫌いが会ってもどうにかなるでしょ…」

「だろうな…」


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