これも恋物語 2-⑥ | 気紛れな心の声

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気がついたこと 不意に感じたこと とりあえず残してみようって^^…最近は小説化しているけれど、私の書き方が上手くなるように感想くださいね

綾乃の物語 3

(振られちゃった…)

そう思った刹那、涙が零れ落ちた。

何が悪いんだろう。

どうして上手くいかないんだろう。

何が足りないんだろう。

解らない事ばかりだ。

これが仕事なら、いくつもの方法を探して最適なものを当てはめて行くだけなのだが、人が相手の恋となると上手くいかない。

相手を思うだけでは成功しない。自分を押し通すだけでも成功はしない。

欲望のままでは何も変わらないし、求める答えは見つからない。

何を大切にして、何を求めて、何を与えれば良いのだろう。

求めるものは、誰もが違う。これだという答えなどないのに。与えられるものも同じだ。何処にも同じものは無い。ただ、変わらないのは、わからない何かに惹かれる感情だけだろう。何故か、その人に惹かれる。全くタイプの違う人であっても、どこかに惹かれる。

考えてみれば、天城もジョニーも全くタイプが違う。

天城の何処が好きなのかはわからない。ただ、何処かに惹かれている。それを好きと表現するのが正しいのかは解らない。そう表現すれば何処かで楽な部分があるのかも知れないが、その言葉を使う事はなかった。たぶん、告白にはタイミングが必要なのだろう。誰彼構わずに告白をすればいいというものでもないし、タイミングを無視してもいいものではない。天城との間にはそのタイミングが無かっただけだ。いや、タイミングが合っても言わなかっただろう。チャンスは何度もあった。別に言ってくれるのを待っていたわけではない。ただ、何処かで恋人では無いと感じていたのだろう。

大体、3度目のデートで身体を重ね、数ヶ月付き合って別れている。3度目もそうなるとさすがに考えたくなる。何がいけないんだろう、と。