遅くても一歩一歩進めばいつかはたどり着くから大丈夫。まだ、11時にもなってないし
てくてく足元を見ながら歩いててふっと前を見ると
あとはマウンテンゴートが見られたら最高なんだけど。
見渡しても見つけられず
たくさん写真を撮らせてもらってポールを取りに戻って振り返るとマーモットいなくなってた。
マーモットに元気貰って登山再開
ルートが不明瞭で、全く違う方向にかなり進んだ後にコースを間違えていたことに気付き、逆戻り
後ろから来たカップルに、こっちきちゃダメだよって伝えた。
教えてくれてありがとーと言われ、しばらく一緒に歩くことに。
カップルの女性がアジア人で、どうやら私と同じくらいのスローペース。彼氏がそのペースに合わせて歩いてあげてるから、ちょうど同じ速度で歩けて嬉しい
どんどん道は険しく、危ないものになっていく遠くに追い越していった人達が歩いているのが見えて、早く私もそっちに行きたいとウズウズ。
足場はあるけど砂だからすごく滑りやすい
カップルが途中で止まり、
先に行きたいなら僕たち抜かしていっていいよ
と行ったので、二人を追い越して先に進むことに
しかし、もう歩く道はなく、ここから先はハイキングシューズの滑り止めとポールの支えだけを頼りに砂利の坂を進むことになるみたい。さて、どうしたもんか。
勇気を出して一歩踏み出すか?
登るのはなんとか出来そうだけど、問題は下山の方
カップルの方を振り返ると、
彼女のレベルだとこの坂を下りてくるのが危険すぎるからここまでで引き返すことにするよ。と
あなたも下山のこと考えた方がいいよ。もうすぐ12時になるし、このスクリーを下りるのはすごい時間かかると思うよ。落ちたらまっさかさまだよ。
確かになぁ、、
マップを確認すると、今ちょうど標高2700mくらい。頂上まであと2㎞あるけど、この危ない傾斜があと2㎞も続くなんて、耐えられる?
昨日、母に言われた「危険なことは、せんといて」という言葉が頭をよぎる。
ソロハイクだし、私が下りで落ちても誰もレスキュー呼ばないかもしれないし、今入ってるビジター保険がどこまでカバーされるのかわからないし大怪我したらこの後のレイクオハラもジャスパーキャンプも全部中止。日本に予定通り帰れるかもわからない、、
12:09pm
悔しいけど、カップルと一緒に引き返すことにした。最後まで行けないのか、と思うと涙がポロポロ溢れてきた
カップルの彼女が、
ここからの景色も綺麗だよ?
と言ってくれた。
みんな、こんな坂よく登れるよね。すごいね。
頂上はどうだった?
と聞かれて
最高だったよ!
と嘘をついた。
カップルがゆっくり下りていくのに、遅れないようについていった。
悔しいなんて感傷的になっている暇が無いくらい、下山の方が怖かった。
早く気がついて引き返したけど、後ろにいたハイカーが私に声をかけるわけでもなく、間違った方向に進んでてもそんなの気にしてる場合じゃない、自分のことで精一杯という感じだった。
もし登頂して、下山のとき皆がサクサク下りていって自分だけ取り残されてたら?
と思うと、引き返してきて良かったのかも、と思えた。
さっき一生懸命登ってきた大きな石のスクランブルを下りていく。
でもこれは良い勉強になったから良かったんだ。
と、ネガティブとポジティブが頭の中で何度もループする。
カップルの彼氏が指示を出してくれたおかげで、怖い思いをせずスクランブルの下山を終えた。
危険なポイントを過ぎ、カップルは長めの休憩をとるらしいのでここでお別れすることにした。
スクランブルを登る時に会ったソロハイカーが下山してきた。
今日のハイキングどうだった?
と聞かれて
頂上行きたかったけど怖くて諦めたよ
と言ったら
めっちゃsteepだったもんね!レイクルイーズのフェアビューマウンテン登ってみるといいよ!綺麗だよ!
と言って颯爽と下りていった。ネルシャツ1枚にジーンズというラフな格好でよくもまぁこの速さで登頂して下りてきたよね
やっぱり登山慣れしてる人達はすごいな。
私は超初心者から初心者にレベルアップしたかもしれないけど、所詮は初心者だったんだな。
そしてソロハイクは危ないからやめた方がいいな。ここで沢山友達作れなかったのも良くなかったな。
反省しながらの下山となった。
登頂出来なかったけど行って良かった
行かずに諦めるより100倍マシだ
3:50pm
長い長いスイッチバックを下り終え、最後の上り坂を終え、スキー場に帰ってきた。
駐車場の近くまで来てタクシーを呼んで、バンフの街まで帰ってきた。
日曜日だからすごく人が多い。
想像してたよりまだ体力に余裕があったけど、あまりにも人が多いので寄り道せず帰ることにした。
バスがあと2分後に発車すると気付いたのでバス停まで全力疾走
これはさすがに膝が痛かった
家に帰ってオーナーさんに登山結果を報告
もし遅い時間になっても帰ってこなかったらどうしようと思ってたから、危険と判断して無事に帰ってきてくれて良かった。
と言われた。
過去にワーホリの子で登山中にリッジから落ちた子がいて、でもバンフに来たばっかりで誰もその子の家族の連絡先がわからなくて大変だったことがあるんだよ、と教えてくれた。
シャワーを浴びて、足に湿布を貼って今日はぐっすり休むことにしよう