のろいとよろい
映画『陰陽師0』の中で出てきたセリフ
「言葉は呪」
「呪とは縛り」
気安く悩みを話したくないのは、勝手に呪をかけられたくないから。そんな自分に気付くことができた。
「呪は鎧」
と、思えてきた。
「のろいはよろい」
ガチガチの鎧が、ある時、あるきっかけで、ボロボロと剥がれ落ちた。
自分を守っていた鎧がなくなる恐怖。
自分が消えてしまうような不安。
だかしかし、守っていたと思っていた鎧は、自分を縛る呪だったと気が付いた。
ほろほろと心の涙がながれおちた。
ほろほろと、鎧が剥がれ落ちた。
本来のしなやかな心が、長年、呪に言葉に鎧に隠されていた。
かつての若い芽は、もっとしなやかに伸びるはずだった。
気付いてしまったら、不思議な現象が、相次ぐ。
目に見えないものが、おどろおどろしくて、嫌で、長年、見て見ぬふりをしてきた。
映画『陰陽師0』を観て、嫉妬の化身、龍、暗示など、私にとっては懐かしいワードのオンパレード。
目に見えないもののことを頭に入れて生活する。
逃げられないことなのかもしれない。
おどろおどろしくて、嫌で嫌で仕方がなくて、長年、目をつぶっていた。
安倍晴明のように立ち向かおうと覚悟ができた。
きっかけのひとつは、宝塚のあの痛ましい事件もある。
陰と陽。
まぶしい陽には、深い闇の陰が狙っているのかもしれない。
圧倒的な陽の世界には、嫉妬の化身がいるのかもしれない。
以前のように、もっと気楽に宝塚を楽しみたかったな、とも思う。
あの事件で、光と闇、陰と陽、そんなことを考えてしまう日々。
安倍晴明のように事実と真実を区別してクールに、そして、熱い思いを持って生きていきたいな。