「短歌と勲章~「歌会始」選者という通過点~」 | 土方美雄の日々これ・・・

「短歌と勲章~「歌会始」選者という通過点~」

久しぶりに行った文教区民センターは、建物の老朽化が著しく、進んでいた。すぐ近くにある、文教シビックセンターの偉容とは、実に、対照的。台風は、一体、今どこにいるのか、よくわからず、雨も降っていないが、夜には再び、降り始め、時に激しく降るだろうという、イヤな予報。

文教区民センターで、1番、大きな2階の2A会議室で、「短歌と天皇制」の著者である、歌人の内野光子さんの、「短歌と勲章~「歌会始」選者という通過点~」と題する講演を、聴く。

「歌会始」の選者が、どのようにして決まるのか、また、文化勲章という国家的褒章が、一体、誰によって、どのように選考されるのか等を通して、歌人たちが天皇制の下に組み込まれていく仕組みを、とても具体的かつリアルに、内野さんは語られた。特に、巷でリベラル派と考えられていた人たちまでもが、「歌会始」選者への登用や、文化勲章を受賞することを通して、天皇制へと、急速に傾斜していく、おぞましい様は、天皇制という闇というか、蟻地獄を、浮き彫りにして、圧巻だった。

しかし、私を含めて、集会参加者の老齢化は、いかんともしがたく、これでは、この裁判の未来は暗いなぁと、嘆息せずには、いられない。11月12日から始まる、控訴審に向けた、決起集会である。私も原告の1人だが、事務局会議等には、最近、ほとんど出ていない、「脱落派」だ。でも、平日の昼間に開催される裁判の傍聴くらいは、ヒマ人の老人故、出来るので、せめて、それだけは・・と、そう思う。勝っても負けても(まぁ、ほぼ負ける)、最高裁までは行くだろうし、最後までつきあえるか、どうかは、わからないが、まぁ、行けるところまでは、行ってみよう。

会場には、すでに、90代の、北村小夜さんの、お元気なお姿もあり、頭が下がる。北村さんに比べれば、私など、まだまだ・・。

集会が終わり、区民センターの、建物の下にある、地下鉄の春日駅まで、ヒイヒイいいつつ、下り、帰路につく。最寄り駅からは徒歩だが、予報通り、雨が激しく降り始めており、たちまち、ずぶ濡れになった。