井上荒野の「ひどい感じ」を読む | 土方美雄の日々これ・・・
2005-10-14 17:03:29

井上荒野の「ひどい感じ」を読む

テーマ:ブログ

今日は業界紙の降版日。普段だと、遅くとも午後2~3時までにはすべて校了となるのだが、今日は何故かゲラの出が遅く、一日仕事になってしまった。で、たった今、業界紙のオフィスに戻って、このブログを更新中。これからある会合に出るのだが、その会合が始まるまでにはあと2時間も時間があるのだ。

あまりにもゲラの出が遅かったので、朝、駅の構内にある書店で買った井上荒野さんの「ひどい感じ」(講談社文庫)を読み終えてしまった。この本は彼女が作家である父の井上光晴について書いた本で、井上光晴は私が若いころ、強い影響を受けた作家のひとりだ。

実は、その井上光晴さんのお話を、それこそ大昔に、たった一度だけ聞いたことがある。当時、大学を出たものの、生業に就くこともなく、漫画の原作や低俗雑誌のルポなどを書いて、何とか生きていた私は、キチンと小説やルポの勉強をしようと、夜間、東中野にある「日本文学学校」に通い始めていて、井上さんの話を聞いたのはたぶん、その文学学校の講義であったと思うのだが、記憶が定かでない。しばらくして、井上さんはご自身の主催される文学学校「文学伝習所」を始められ、「日本文学学校」とは別の道を歩まれるようになった。私はこの文学学校で「師」とあおぐルポライターの石田郁夫さんと出会い、その影響もあって、上野英信さんの作品を読みあさるようになったが、上野さんもまた、井上光晴さんと同様、炭坑の町を舞台にした作品を多く手がけられている。その上野さんも、石田さんも、そして井上さんも今は亡く、井上さんのお嬢さんがつづった父の思い出を、大変、感慨深く読んだ。「すごいよ、チチはやっぱり」という荒野さんの文章に、不覚にも涙が出た。

我が娘は、父の仕事に果たして、そうした評価を下してくれるだろうか。まったくもって、自信がない。

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