昨日はなんだかめちゃくちゃ眠くて、

食欲もあまりなかったから、

夕食もそこそこに寝ちゃったわ。

たまにこういう日があるのよね。

普段、ベッドに入っている時間は十分足りてるはずなんだけど、

睡眠の質が悪いからか、睡眠不足感が日々溜まっていって、

たまにそれを解消するかのように寝てしまう。

 

さて、今日もつらつらと。

 

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手術した後の傷の治癒遅延は、

感染や栄養状態、貧血、黄疸、慢性腎不全が

既知リスク因子として知られているらしい。

また、糖尿病患者は傷が治りにくいと言われている。

血糖コントロールが影響するとされ、

高血糖についてはいろいろと報告されている。

一方、血糖変動幅は患者予後に大きく関与するのみならず、

入院患者においても集中治療室(ICU)患者、非重症入院患者に関わらず

死亡率と関係していることが報告されているらしい。

 

糖尿病患者の血糖変動幅は術後創部治癒遅延と関連

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この報告によると、

糖尿病合併非重症手術患者においては、創部治癒遅延の既知のリスク因子はいずれも有意には有糸創部日数に関連せず、血糖変動幅の上昇が有意に有糸創部日数の延長に関連することが示された

従来から指摘されている血糖値の高さを下げることと同様に、血糖変動幅を縮小させることも非重症手術患者における治療目標となり得ることを示唆していると言えよう

糖尿病合併非重症手術患者では既知のリスク因子は安定していても,血糖コントロール介入を行っているにもかかわらず血糖変動が大きい患者は、創部の治癒が遅延し、死亡リスクの上昇につながると捉えることができる

一般的に通常術当日から抜糸までの期間は7日間と言われているため、本研究においてその7日間を超える有糸創部日数を予測する能力が最も高いADRR、CV、SDのカットオフ値を解析し検討した結果、抜糸を7日以内に行うためには血糖変動幅を35 mg/dL未満に減少させ、変動幅の血糖値の高さに対する割合(変動幅/血糖値)を20%未満に減少させることが望ましいと考えられた

ということで、HbA1cのコントロールはもちろんのこと、

1日の血糖変動も術後の傷の治癒および予後に大きな影響を与えるようだ。

 

病院食は白米がたっぷり、糖質はエネルギー比で60%くらいあるだろうから、

手術によるストレスも相まって、

普段以上に食後高血糖になるかもしれない。

あまりにも高血糖になるようなら、

この期間だけでも超速効型インスリンを使うのもアリかもしれない。

 

ただし、総合病院でなければ、

臨機応変に薬の内容を変更できないんだよなぁ。

つまり、わたしのように普段は持効型インスリンしか使用していない場合、

入院中に超速効型を出してもらうということができない。

となると、血糖値を自己測定して、食後高血糖が判明した場合、

こっそり白米を残して対応するしかないんだろうか。

それはそれでエネルギー不足になって、治癒遅延になりそうだ。

なんせ、全部食べても低カロリー(わたしの場合は1400kcal設定)なので、

ごはんを3食半量しか食べないとすると350kcal減ってしまうから、

1日1000kcalちょっとしか摂取しないことになってしまう。

術後に食欲があるのか分からないけど、

1000kcalはちょっと辛いよね。

 

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糖質制限食は2型糖尿病に伴う非アルコール性脂肪性肝疾患をカロリー制限食と同等に改善させる

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肝臓先生こと、尾形哲医師が共著の報告。

 

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の食事療法は

2型糖尿病の食事療法と同じくカロリー制限食が推奨されており、

一般に標準体重あたり30 kcal/kg・日を1日の摂取エネルギー量として、

エネルギー比率で炭水化物50~60%、脂質は20~25%とされている。

 

18歳から75歳までの2型糖尿病患者のうち、

非アルコール性脂肪性肝疾患と診断した28例を対象に、

糖質制限群とカロリー制限群それぞれ14名にランダムに振り分け、

NAFLDへの効果を検討している。

 

糖質制限群は、糖質1日摂取量を70 g以上130 g未満。

カロリー制限群は、1日の総エネルギー摂取量(kcal)=標準体重(kg:身長(m)×身長(m)×22)×25 kcal/kgと計算して、各栄養素の目標摂取量を炭水化物50~60 %、たんぱく質1.0~1.2 g/kg(< 20 %)、残りを脂質とした。

介入期間は3か月だった。

 

糖質制限群では、介入前と比べて介入後は総摂取エネルギーが-386kcal、

カロリー制限群では-633kcalと、

糖質制限群でも摂取カロリーは減少していた。

しかし、男女同数(7名ずつ)で、

介入前の総摂取エネルギーが1,766kcal、介入後が1,389kcalって、ホンマかいな?

介入前の平均BMIは31.4なのよ?

たとえ全員が女性であったとしても、

このエネルギー量で平均BMIが30以上になるかなぁ?

ちなみに、平均身長は165.1cm、平均体重は85.5kgとのこと。

 

それはともかく、介入3か月後には、

体重は糖質制限群で-4.6kg、カロリー制限群で-2.7kg、

BMIは糖質制限群で-1.7、カロリー制限群で-1.0と

統計的有意差はなかったものの、

糖質制限群の方が減量効果が大きい傾向があった。

 

HbA1cは糖質制限群で-0.9%、カロリー制限群で-0.6%。

 

 

L/S比というのは、肝臓/脾臓CT値比というものらしい。

一般的には0.9以下であれば脂肪肝と診断されるようだが、

この報告では1.12未満を脂肪肝としている。

腹部CT L/S比については、両群とも介入前に比して

介入後1ヶ月および3ヶ月において有意に上昇していた。

3ヶ月後の2群間のL/S比に有意差は認めなかった。

 

内臓脂肪面積については、糖質制限食群では介入前と比して

介入後1ヶ月、3ヶ月とも有意に低下していた。

カロリー制限食群では介入前と比較して1ヶ月では有意差は認めなかったが、

3ヶ月で有意に低下していた。

3ヶ月後の2群間では糖質制限食群で有意に減少していた。

 

このように、日本人2型糖尿病患者に伴うNAFLDの食事療法として、

糖質130g/日未満を基準とした糖質制限食とカロリー制限食を比較したところ、

糖質制限食はカロリー制限食と同等の効果があることが明らかとなった。

介入後の2群間の比較では有意差は認めなかったが、

糖質制限食群での改善効果が大きい傾向が認められた。

 

著者らは、

NAFLDの改善には、食後高血糖の是正および食後の高インスリン血症の是正が必要であり、糖質制限食は食後の血糖上昇およびインスリン分泌を抑制することで、肝臓での新規の脂質合成を抑制すると考えられている。これらより、日本を含む東アジア人種の2型糖尿病に伴うNAFLDの食事療法として、糖質制限食は選択肢の1つとなり得ると考えられる。

としている。

結論として、

本研究では、日本人2型糖尿病患者に伴うNAFLDの食事療法として、糖質制限食はカロリー制限食と同等の効果があることが明らかとなった。

としているが、肝臓先生のツイートを見る限り、

カロリー制限よりも糖質制限推しであることは間違いないだろう。

スーパー糖質制限である必要はないが、

エネルギー比で糖質40%程度の食事は

脂肪肝の改善に有効であると言えるのではないだろうか。

 

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糖質制限推しの次は、糖質制限のデメリットも取り上げないとね。

 

若年女性において低炭水化物食に伴う高脂質摂取はセカンドミール後のインスリン抵抗性を惹起する

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平均年齢21.3歳の女性10人に対し、

午前9時に、標準食(P:F:C 15:25:60)、

低炭水化物標準脂質食(LCAF食)(45:25:30)、

低炭水化物高脂質食(LCHF食)(25:45:30)を負荷した。

食事は米飯を主食とした主菜、副菜の組み合わせであり、

20分で食べ終わること、また主食、汁、主菜、副菜、デザートの順に

それぞれ4分の1ずつ食べることを繰り返し、全量食べるよう指示したとのこと。

 

なぜ、デザートまで三角食べをしないといけないのかw

 

午後1時に、セカンドミールとして

標準昼食(13.0:23.2:61.1)を摂取した。

 

これを1〜2週間の間隔をあけて

クロスオーバー方式で試験食負荷をおこなった。

 

 

LCAF食(◇)とLCHF食(●)を摂取した後は、

標準食(□)に比べて、

食後30分から120分の血糖値が有意に低かった(Fig. 2-A左)。

LCHF食とLCAF食の血糖値に差異はなかった。

 

 

食後0-180分の血糖AUCでは、

LCAF食とLCHF食は標準食に比べて有意に低かった(Fig. 2-B)。

 

セカンドミール後の血糖変動について、

LCAF食は標準食に比べて、30分から90分で有意に低かったのに対し、

LCHF食の食後45、60、90分の血糖値は、

LCAF食に比べて有意に高かった(Fig. 2-A右)。

食後0-180分の血糖AUCでは、LCAF食は標準食に比べて有意に低く、

LCHF食は標準食とLCAF食に比べて有意に高かった(Fig. 2-B)。

 

セカンドミール後の血糖AUCは、セカンドミール前の血清遊離脂肪酸濃度と

有意に相関した(r=0.634、 P<0.001)。

 

 

セカンドミール摂取後45分において、

LCAF食の血清インスリン値は標準食に比して有意に低かった(Fig. 2-G)。

また、摂取後120分において、

LCHF食の血清インスリン値は標準食に比して有意に高かった。

 

セカンドミール摂取後0、45、120分の血清遊離脂肪酸値は,

LCAF食では標準食と差がなかったが, 

LCHF食では標準食に比して有意に高かった(Fig. 2-H)。

 

このように、LCHF食はセカンドミール後の血糖上昇を長引かせることが分かった。

セカンドミール摂取前の血中遊離脂肪酸濃度は高く、

セカンドミール摂取後の血清インスリン濃度は120 分まで高く維持された。

これは、LCHF食の摂取により、

セカンドミール摂取前の血中遊離脂肪酸濃度が上昇し、

これがインスリン抵抗性を生じさせ、血糖値に影響したためと考えられる。

 

血清遊離脂肪酸は食後低下し、食後2時間程度で最低値をとる。

そのあと再上昇して引き起こされる1~2時間の遊離脂肪酸の高値が、 

末梢組織や肝臓でのインスリン抵抗性を引き起こし

血糖上昇につながったと考えられる。

 

食事中の脂肪酸の種類とインスリン抵抗性については

多くの研究で検討されている。

Imamuraらは、飽和脂肪酸(SFA)、一価不飽和脂肪酸(MUFA)、

多価不飽和脂肪酸(PUFA)と炭水化物が耐糖能にどう関わっているかを調べるために,

102の研究をメタ分析した結果、

最も好ましい効果がみられたのはPUFAであり、

高血糖、インスリン抵抗性、インスリン分泌能のいずれもが改善していた。

Bermudezらは、バター、高パルミチン酸紅花油、オリーブ油、

植物・魚油混合油のいずれかをパスタなどとともに摂取した後の

血糖、インスリン、遊離脂肪酸濃度を評価して、

MUFAが最もインスリン抵抗性を抑えることを明らかにしている。

 

ということなので、低炭水化物食で脂質を増やす場合、

飽和脂肪酸はできるだけ増やさず、

不飽和脂肪酸に置き換えることが重要かもしれない。

 

興味深いのは、LCAF食のセカンドミール後の血糖値とインスリンの応答は、

LCHF食と対照的であったことである。

つまり、血糖値と血清インスリン濃度が標準食に比して低く抑えられ、

インスリン感受性が高い状態を示した。

 

この理由として,分枝鎖アミノ酸(BCAA)のインスリン感受性への影響が推測される。

Sheらは、血中のBCAA濃度が上昇したマウスは

著しい耐糖能の改善とインスリン感受性の上昇を示したと報告しており、

別の研究では、イソロイシンはロイシンよりも

骨格筋へのグルコース取り込み促進作用が強いことが示されている。

Nuttallらは健康なボランティアにイソロイシンをグルコースとともに摂取させると

インスリン濃度はグルコース単独と同程度であったが、

血糖値の上昇は小さかったと報告している。

LCAF食が高BCAA食であることにより、

セカンドミール後のインスリン感受性が高まった可能性がある。

 

高たんぱく質はインスリン抵抗性を増大させるなんて話もあるけど、

少なくともこの報告ではインスリン感受性を上げているようだ。

これは耐糖能が正常な人の結果であり、

糖尿病患者ではまた違った結果になるのかもしれない。

 

低炭水化物高脂質食はインスリン抵抗性を増大させるかもしれないが、

つねに低炭水化物食を摂取するのであれば、

それほど問題は大きくないかもしれない。

セカンドミールに高炭水化物食を摂ることが問題なのかも。

 

やっぱり、普段糖質制限している人が、

たまにチートデイと称して高炭水化物食を摂るのはリスクが高そうだ。

高炭水化物食を摂りたいなら、

その数日前からゆっくりと糖質量を増やした食事をして

体を慣らしておいた方がいいのかもね。