韓国映画「パラサイト」を解読 アカデミー作品賞受賞‼︎ | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

ダークホースかと思われていた韓国映画「パラサイト」がアカデミー作品賞、監督賞、脚本賞、外国語長編映画賞…の四冠を達成しちゃいましたなぁ

いやいや、アジア映画初の快挙で、さらに、この作品はエンタメ性以上に芸術性や社会性を重んじるカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールも獲ってますから、破格の超スーパー快挙であります

再三、僕はこのブログでも監督のポン・ジュノさんを褒めちぎってきてますが、なんともこみ上げるものあります

とは言え、今の日韓関係は史上最悪 ^_^

「パラサイト」の超快挙を素直に喜べない方も多いみたい

…が、これは讃えるしかないでしょう

切り口、センス、社会性、スタイリッシュさ、はっきり言って、今の現役の日本の映画監督で太刀打ち出来る作品はないでしょうし、そこは認めるべき

で、ちょっと前に書いた是枝監督のカンヌ映画祭パルムドール受賞の「万引き家族」と比較した記事を再収録します

以下、再収録分

〜〜〜〜

う〜ん

ボクシングネタ、いまいち見つかりません

…っていうことで、ある映画の比較を少しばかり

同じカンヌ国際映画祭で最高賞の、パルムドールを受賞した映画の話

2018年受賞 是枝監督の「万引き家族」





2019年受賞 ポン・ジュノ監督の「パラサイト」




これね、かなり共通項ある

そのテーマ性ですが、現代アジアが舞台、貧困、格差、家族…

等を扱う背景が同じ

ただし、アプローチはかなり違う

「万引き家族」は写実性と客観性を通じて描ききるが、「パラサイト」は独自性と寓話性を駆使しながら描く

しかしながら、双方の映画が描く現代社会はそれぞれが、広大なる混沌として描かれ、その中で登場人物たちはある種の独善的ながらも、なんらかの秩序を見いだそうとし、そして、同じように破綻する

そのどちらの映画の家族とも、この冷淡な現実世界の前に、瓦解、崩れ落ちてしまう

さて、史上最悪と叫ばれている日韓関係でありますが、こうして日韓それぞれの映画が世界的映画祭で最高賞を受賞し、また、テーマがこうも奇妙に似通っているというのはなんとも興味深い

監督のスタイルの違いはかなりあるし、日本と韓国は似て非なる物とは周知の事実、軽々に比較して結論を出すのは危険

それぞれの優れた映画に勝敗をつけることは無意味であることは承知してますが、でも、あえて、あえて、どちらかに軍配をあげるとしたら…









「万引き家族」の勝ち





…かなぁ、と

この4、5日、ずっと考えてました

(^ ^)



理由は…


どちらの映画が胸に突き刺さったか⁇ が基準になります

「万引き家族」の安藤サクラのセリフが一番突き刺さったか、と

物語の中で、なぜ他人の少女を誘拐したのか? と問われた時の言葉

---棄てられていたから、拾っただけ

虐待されながら不幸のどん底で生死の岐路に毎日曝されていた少女を、拾っただけ

また、この一言も響いた

---産んだら誰でも母親なのか

育児放棄や虐待の限りを尽くしてもなお、産みさえすれば、それは母親と呼べるのか⁇

血は繋がってなくとも、高まる愛情や喜びを分かち合えれば家族以上の絆がそこにあるとは言えまいか⁇


さてさて、しかしながら、エンタメ性や洗練度では大きく水を開けられる形で「パラサイト」が優れていた、とは感じながらも、極限的に煎じ詰めた映画の核心の響き方、その純度を丹念に比べた時、僕の心は不器用な傑作、「万引き家族」を選んだ…


まぁ、ハッキリ言ってあまり意味はないかもしれないけど、ただ、これだけの類似性を持ちながら、それぞれが世界的評価を得た日韓の映画を並べて鑑賞できる機会はそうはないと思うので、ぜひともお勧めしたいかなぁ…と



で、ちなみに「パラサイト」の中でもっとも引っかかった台詞と言えば、ソン・ガンホが大洪水で非難中の体育館の床で寝ている時の言葉…

---どんなに計画しても思い通りにはならないから、無計画が計画だ

…的な台詞だった気がするけど、これかなぁ

これは極限的混沌の渦中にあって飛び出した台詞

あまりに厳しい現実世界に盾付き、跳ね返され、翻弄される小さな市民の呟き…




…スタイリッシュ感、発想、技術性は「パラサイト」の方が断然優っていた、と思う

でも、愚直にして誠実なる向き合い方において、今回は「万引き家族」に惹かれたかなぁ


しかし、どちらも非常に心を揺り動かされましたな

日韓パルムドール対決は是枝監督に軍配と評価しましたが、映画監督としての興味はポン・ジュノ監督にあるんだよなぁ〜

複雑だなぁ

(^ ^)


ぜひ、並べての鑑賞をお勧めしたい


〜〜〜〜〜〜


…と、「パラサイト」鑑賞直後はこんな印象だったっけ

で、改めて感じたこと少し…



以下、ネタバレあり





…ラストのパーティーシーンで、ソン・ガンホが地下の臭いに鼻を摘んだ社長を思わず刺し殺してしまうわけですが、格差社会の厳しすぎる現実に虐げられし庶民の痛快なる反抗、そんな鬱積した不満と反感の炸裂の発露への共感、あるいは、爆発の希求、さらなる破壊力増幅への欲求…が湧き上がる形でアメリカ映画界にも伝播したのだとしたら、それはそれで凄いことだなぁ、考え直した部分ありました

つまり、富裕層が優遇される権威主義社会とその構造への反抗心の象徴としての、咄嗟の殺人行為への共感とその震撼の超のつくほどの飛翔…があったとしたら

いや、あの我慢出来なくなったソン・ガンホの社長への殺傷行為は、民主主義の限界に吐いた唾、罵詈雑言、健気な反逆…なのだ

(^ ^)

…なんて書くと、難しそうだけど、そんな背景が映画ラストの混乱場面の中にコミカルに、そして、慈愛と悲哀の奥に隠されていて、それは時限装置的な仕組みになっていて、観賞後、しばらく時間を置いて再考してからでなければ明確にならない仕様になっているようにも感じた

しかし、僕は初見では、つい、こう考えてしまった…

社長は権威と富裕層の象徴だとして、しかし、ちょっとだけ差別っぽい瞬間あったけど、本当に臭かったんじゃしょうがないし、刺し殺すほど悪い奴じゃないだろう…と

悔しいですが、僕は初見ではそんな違和感が先立ってしまった

でも、そんな反抗心の極地、その高みでの共感爆発が世界的映画祭で起こっていたのだとしたら、こじんまりした「万引き家族」よりも感動と震撼は大きく衝撃的であったかなぁ、とも言える気もします

とにもかくにも、ポン・ジュノ監督は寡作だけど凄い監督であります





ポン・ジュノ監督 殺人の追憶 予告

…で、何度もお勧めしてるけど、この際、「パラサイト」以上に面白い「殺人の追憶」を是非とも鑑賞することをお勧めいたします

いやいや、凄いことが起こりましたわ

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