WBC世界フライ級チャンピオンの内藤選手と亀田興選手とのタイトルマッチがついに実現か!? っていうニュースに日本国内のボクシングファンは色めきだっているわけですが、その一方で、内藤選手が指名試合を回避し続けてしまった結果誕生した、ポンサクレック・ウォンジョンカムが獲得した「暫定王座」に挑むために、一人の日本人ボクサーがその挑戦の地、タイはチェンマイに向かって出発したと言う…
WBC世界ランク22位の、元東洋太平洋ライトフライ級チャンピオンの升田貴久選手がその人だ…
開催日は28日の午後、恐らくは慣例の野外リングで行われるはず…
ポンサクレックといえば、日本でもお馴染みのタイの名チャンピオンの一人で、その3度目の対戦で内藤選手に判定で敗れるまで連続17度の防衛を誇った、強いチャンピオンである…
これに挑む升田選手は軽量級では破格の身長とリーチを持つボクサータイプの選手…
しかし、前の世界前哨戦で日本ランカーにまさかの判定負けを喫していて、また、かつては一桁上位であった世界ランクは22位まで後退、その再起戦が世界戦ってことで、アジア超強豪のポンサクレックに挑むというのに、しかし、一般層にはほとんど認知されておらず、また、ボクシングファンからも否定的な視線が注がれる非常に厳しい状況でもあります…
さて、このような背景を抱えて、しかし、升田選手は旅立った…
短い準備期間で敵地挑戦、灼熱の野外リングでの戦い…
戦前予想は圧倒的不利…
僕は升田選手の善戦を祈っているが、しかし、序盤KO負けもあるかもしれない…と感じている。
升田選手はテクニシャンタイプのボクサーで、とりわけパンチ力が破格と言うわけではなく、きっちりポイントを稼いで、ポンサクレックを捌けなければ勝機は薄い…と見る。
しかし、ポンサクレックは百戦錬磨の好戦的チャンピオン…
生半可なボクサースタイルではそれを捌ききることは不可能に近い…
距離を踏み越えられ、また、ロープやコーナーを背負わされた場合、その鋭い回転力で上下左右コンビネーションを振るってくるはずで、さらに驚異的なのは左右アッパーカットで、これらは升田選手にとって未知の領域であるはずですね…
どのような戦術で升田選手はあの屈強なるチャンピオンに挑むのだろうか…?
策はあるのか…?
あの内藤選手も世界初挑戦は敵地タイの地で、また、奇しくもポンサクレックに挑んでいるわけですが、皆様ご存知の通り、僅か1R34秒で痛烈にワンパンチKO負けに終わっているのですよねぇ…
倒す気で行けば逆に倒される…
真っ向勝負は危険だ…
しかし、捌こうにも、長丁場の12Rである…
結果として僅かでも消極的になれば、必ずや捕らえられてしまうだろう…
このタイトルマッチですが、厳しい戦い、相当に厳しい戦いと見ます…
升田選手が奇蹟の勝利を掴むとすれば、伝説になるほどの決定的カウンターパンチが命中し、それが突破口となるような「劇的な場面」が必要な気がする…
さて、しかし、ボクシングに絶対はない…
31戦20勝5KO8敗3分…
日本人選手としては、非常に濃厚なキャリアを積んだ升田選手、そのボクサー人生の集大成の時を迎える…
積み上げたもの、練り上げたもの、その全てを吐き出せるよう祈る…
その全てを発揮できるよう祈る…
頑張って欲しい…
御愛読感謝
つづく