こんにちは![]()
東大阪病院 感染管理認定看護師Sです![]()
4月から55年ぶりに大阪万博が開催されます!!
来場者数約2,800万人と世界中から多くの方が集結します。
イベントもあり楽しみな一方、世界で流行している様々な感染症が病院で問題となる日が来るのではないかと心配してしまいます![]()
今回は海外で流行している感染症の一つとして「麻疹(はしか)」についてお伝えします。
麻疹は麻疹ウイルスにより引き起こされる感染症で、実は紀元前より存在する人類最古の感染症の一つです。日本は2015年に麻疹排除国と認定されましたが、感染者がゼロになったわけではありません。海外から帰国した方が麻疹と診断され、その後、同じ電車や同一区間にいた方からも感染が確認されるというニュースを年に1~2回耳にしています。
麻疹の予防策はワクチンのみです。海外では麻疹のアウトブレイクが起こっている国がまだまだたくさんあります。海外旅行の際にも、渡航先や渡航期間、活動内容に応じて、予防接種が推奨されています。
麻疹は、「飛沫感染」、「接触感染」、「空気感染」の3パターンすべてで感染リスクがあります。特に「空気感染」がもっとも恐ろしく、「同じ新幹線の車両に乗っていただけで」や過去には「同じスーパーに行った」、「同じ病院の待合室にいた」など短時間の接触だけで感染が成立します。
はしかは1人の感染者が免疫を持たない集団の16~21人にうつしてしまうほどの感染力があります。コロナやインフルエンザは2~3人と言われており、感染力が格段に強い感染症です。
感染症は正しい知識を持ち、正しく怖がり、正しく対応することが重要です![]()
○はしか(麻疹)の症状
感染してから大体10日間(5~21日間)の潜伏期(感染はしているものの症状がでない時期)があります。発症すると発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。
2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現し、徐々に改善していきます。
症状の出る2日前から発疹出現4日後まで、人へうつす危険性があるため、知らない間に周りの人へ感染を広げている可能性があります。

○合併症
肺炎や脳炎が引き起こされ重症化するケースもあります。
特に脳炎については、およそ1000人に1人の割合で起き、中には亡くなるケースもあります。
その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、麻しんウイルスに感染後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。
○予防方法
麻疹は感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻疹に特効薬はなく、症状に応じた治療をするしかないため、ワクチン接種が最も有効な予防法といえます。
1回の接種で約95%の方にワクチンの効果がみられます。よりその効果を確実なものにするため、2回接種が推奨されており、2回目は1回目から1か月後に接種をします。ワクチン接種後2週間程度で抗体ができてきます。
2006年度から1歳児と小学校入学前1年間の小児の2回接種制度が始まり、2008年度から2012年度の5年間に限り、中学1年生と高校3年生相当年齢の人に2回目のワクチンが定期接種として導入されていました。
麻疹はどこで誰が感染するか分かりません。
治療法がなく、命に関わる可能性もあり、ワクチンで予防することの重要性はかなり高いです。
定期接種の対象者だけではなく、医療・教育関係者や海外渡航を計画している方や、麻疹の罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討しましょう。
当院でも麻疹をテーマに強化月間を実施しています![]()
★院内でリンクナースnewsを発行しました。リンクナースと一緒に作成し、2か月に1回発行しています。2016年から始めたこのニュースも52号となりました。毎回、みんなに伝えたい思いを盛り込みながら楽しく作成しています。
★全職員を対象とした研修会を開催しました。今回は麻疹についての基本的知識や院内で発生した時の対応、今できる予防対策についてなどをお伝えしています。麻疹患者さんの対応をしたことがない人も多く、いつ発生するか分かりません。発生した際に落ち着いて対応できるよう普段から麻疹についての知識を深め、マニュアルの確認や導線の確認など行う事が大切です。

また、自分が過去に感染したか、小さなころにワクチンを2回接種したかについて曖昧な方もいるため、希望する職員を対象に麻疹抗体価測定キャンペーンを実施しました。自分が麻疹の免疫を持っているかどうかを知ることで、どのような対策が必要か分かります。
みなさんも一度、母子手帳で罹患歴や接種歴を確認してみましょう![]()
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社会医療法人有隣会 東大阪病院は地域住民のみなさまの多大なご協力を頂いて、2023年10月に移転し、新病院で新たな出発をすることになりました。
引き続き地域に根差した、よりよい診療を目指してまいりますので、ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます




