「教室はまちがうところだ」という詩をご存知だろうか。

 蒔田晋治(まきたしんじ)さんという方の作で、昭和33年に、当時担任をしていた中学2年生に向けて書かれたそうである。ネットで検索すれば、いくつものサイトで読むことができる。


  教室はまちがうところだ

  みんながどしどし手を上げて

  まちがった意見を 言おうじゃないか

  間違った答えを 言おうじゃないか


 から始まって、70行以上になる大作だ。小学校低学年向けの絵本にもなって、amazonではベストセラーになっている。
 この冒頭だけで、いいじゃありませんか。
 小学校低学年でもいいけれど、間違うことに臆病になる、高学年、中学生、そして大人たちにこそ読んでもらいたい、と思った。



 本日の平成20年度総会をもって、富山県国公立幼稚園PTA連絡協議会の会長を、無事終えることができた。副会長さん方をはじめとした理事のみなさん、舘先生ほか事務局の先生方、そして会員一人ひとりや周囲の皆さんのおかげで、本当に楽しい充実した1年だった。

 幼児の保護者として、あるいは先生として、会の運営に携わる皆さんにお願いすることは、会長になったときも今も変わらない。「自信と勇気を持って、楽しく活動してほしい」ということだけである。

 ところがこの中の、「勇気」というのが難しい。新しいことは面倒だ。多少がまんをしても現状維持のほうが波風が立たない。反対があるようなことはしたくない。ボランティアだしね。

 そんなとき、上の詩を思い出してほしい。
 教室も、PTA活動も、生きていることそのものが、まちがいをくりかえすことだと思えば。
 そして、それをみんなで直し直し、どうにか歩んでいくのだと思えば。
 何に対しても、そう臆病になることはない、と思えるのである。

 人生に必要な勇気は、そのくらいのものなのだ。