安保関連法案の審議で、安倍首相が具体的な脅威として、
北朝鮮のミサイル、尖閣諸島にやってくる中国、南沙諸島を埋め立てた中国、
という例を出してきた。

いよいよ「中国脅威論」を語らねばなるまい。

TPPだって、極端に言えば「中国外し」である。
巨大な「龍」を、内外からどうコントロールするかは、21世紀前半、世界最大の課題だろう。


中国


写真は1日土曜日のNHKニュースだ。
南沙諸島に漁に出る漁船を、艦船と補助金で政府がサポートしているという。
取れる魚の量も品質も、さしたる問題ではないのだろう。
まして、環境や漁業資源の保護なぞ、考えもしないのだろう。

これを典型と思えば、かの国は、公務員と、準公務員が牛耳る国であろうと推察される。
すべてが公共事業であり、私財はそこからしか生まれない。

個人の利益と国益とを、ひたすら求めて、とどまるところのない、
いい意味でも悪い意味でも、官僚主義が徹底されていると見える。
いまのところ、「体制」は盤石だ。

その中国の、都合のいいところだけ利用して、
人権侵害や「官民一体となった国境変更」の方は非難していこう、というのが、
日本も含めたその他の国々のスタンスなのだろう。

つまりどこまでも、中国は「言い訳」なのである。

憲法違反と言われても、法案を通し、自衛隊の装備を充実させるための言い訳

国内の産物は高くても売れる、中国人は金を持っているゾ、という言い訳

客が安さを求めるから、中国産にならざるを得ない、不良品が混ざるのも仕方ないという言い訳

そして、中国側も、そういう「言い訳」を利用しているのだろう。

化かし合いなのである。芝居なのである。

文化の違う異邦人は、見るからに気持ち悪いのが当たり前。
毛唐と言われた紅毛碧眼だって、支那人だって、おんなじだ。
話してみて交渉してみて、彼らも同じ人間だ、優しいところもあるし誇りもある、とわかる。

国という政治組織には、綺麗事ですまないところが多いことは理解しつつ、
一国のリーダーたるもの、一か八かの賭けなど普通はしないものだ。
よっぽど食うに困らなければ、笑って化かし合いを続けることこそが、「平和」だ。

互いの国内向けの言い訳の応酬が、国際問題に発展する。

多くは、本音を吐いたほうが、足元見透かされて負けるものだ。