廃棄物関連法規の背景と私たちとの関係は!?【株式会社船井総合研究所:廃棄物コンサルタントコラム】東新一
廃棄物関連法規の背景と私たちとの関係は!?
前コラムのとおり、廃棄物問題の内部に含む問題と周辺問題との関係のように、廃棄物関連法規は社会的な背景や公害問題、エネルギー問題、産業貿易構造、更には地球環境問題にかかわる諸問題を反映し、複雑な様相を呈しています。
また、廃棄物関連法規は、それらの問題を反映して改正等が進められ、とくにひと昔前~近年では、最終処分場の残余容量不足問題や地球温暖化防止対策、そして、「持続可能な開発目標」(SDGS)やプラスチック資源循環戦略にみられる国境を越えた課題、3Rと通じて循環型社会の構築を目指す3Rイニシアティブや資源循環などに関連した施策が推進されています。
その中でも特筆すべき内容として、「持続可能な開発目標」(SDGS)があります。それは、持続可能な開発のための2030アジェンダとして2015年9月に国連サミットにて採択され、2030年までに達成すべき目標(Goal)が示されました。
このような国際的な動向を踏まえ、日本では2018年(平成30年)に第5次環境基本計画、第四次循環型社会形成推進基本計画(「循環基本計画」)、廃棄物処理施設整備計画という廃棄物・資源循環政策に関する3つの計画が閣議決定されることになりました。
まず、第5次環境基本計画では、SDGSの考え方も活用し、6つの「重点戦略」(経済、国土、地域、暮らし、技術、国際)が設定されました。また、その中で、地域の活力を最大限に発揮する「地域循環共生圏」の考え方を提唱、各地域が自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合う取組みを推進していくことが示されています。
また、第四次循環基本計画では、平成15年の第一次、20年の第二次、25年の第三次に続き、物質フローの3つの断面である「人口」「循環」「出口」について、「資源生産性」「循環利用率」「最終処分量」が設定されています。そこには2025年における数値目標は、資源生産性は49万円/トン、入口の循環利用率は18%、出口の循環利用率は47%に向上、最終処分量は13百万トンまで削減することが示されています。
そして、最後に、新たな施設整備計画(廃棄物処理施設整備計画)では、従来から取組んでいる3R・適正処理の推進や気候変動対策、災害対策の強化に加えて、重要な方向性として、「地域に新たな価値を創出する廃棄物処理施設の整備」を掲げています。例えば、廃棄物処理施設を地域社会インフラの核として捉え、地域のエネルギーセンターとして、廃棄物エネルギーを高効率に回収し、電気や熱を活用して地域産業の振興に役立てることや、災害時の防災拠点として活用すること、あるいは環境教育・環境学習の場として提供することによって、地域の課題解決や地域活性化に貢献する施設整備を目指しています。
つまり、ここでお伝えしたいことは、廃棄物関連法規は、他人事の法規ではなく、実は非常に身近なことであり、且つ、将来の地球や日本において、非常に重要な法規だということを意識していきたいというです。
☆廃棄物業界で永続経営をする上で、少なからず影響しそうな48種類の法令等☆
☆廃棄物処理法の制定(昭和45年)と基本的な体系は当時のまま(清掃法→廃棄物処理法→現在)
☆廃棄物処理法改正の意図☆分類すると大きくは3~5つ
☆廃棄物処理法の構成と各章の概要
☆廃棄物の区分と仕組み
☆廃棄物問題の内部に含む問題と周辺問題(類似問題)
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