今晩は~っす‼︎


東京では、9月に入ってからも、デング熱騒動が中々収まりそうにない。というより、むしろ騒ぎが大きくなってきている感じ。
今日の午後、とうとう代々木公園は一時閉鎖に追い込まれた。
でも、患者さん達が快方に向かっているようなのがせめてもの救い。
早く元の平穏な状態に戻って欲しいと思う。


さて、今日は最近心打たれた話を一つ。

先日、電車に乗っていた時のこと。
休日の夕方ということもあり、乗客の数は少なく、皆、携帯をいじったり居眠りしたり、車内はのんびりした雰囲気に包まれていた。
やがて、電車は品川に到着。すると、突然自分の前の席に座って居眠りをしていたお兄さんが、ガバッと飛び起きると、ホームへと飛び出していった。次の瞬間、その若者の隣に座っていたお婆さんが、「眼鏡、眼鏡❗️」と大きな声でその若者を呼び止める。どうやら、寝ぼけて眼鏡を起き忘れてしまったらしい。

しかし、お婆さんの声はその若者に届かなかったようで、彼はどんどん歩いて行ってしまう。あぁ、もうすぐ扉が閉まってしまう、どうしよう、と思った瞬間、突然自分の隣に座っていた30歳くらいの男性が「僕にかしてください。」と、言ってお婆さんから眼鏡を受け取ると、電車から飛び出して若者を追い始めた。そして、改札口へ向かう連絡階段の途中で見事追いつき、眼鏡は無事、若者の手に戻ったのだった。

と、そこまでは車内から確認できたのだが、次の瞬間、扉はスーッと閉まり電車は動き出してしまった。その男性は、結局電車に戻ってくることは出来なかったのである。


その一部始終を見ていたのは、そのお婆さんと自分だけだったのだが、無事、眼鏡が届けられたのを確認出来て、お婆さんはとても嬉しそうに笑っていた。そして、次の瞬間、そのお婆さんと目が合ったのだが、何だか気恥ずかしくて、思わず目を逸らしてしまった。


最初、お婆さんがその若者を呼び止めようとした時、自分も一瞬、このお婆さんでは無理だろうから、自分が代わりに追いかけた方がいいのではないか、と思ったのは事実である。
でも、それをやるかやらないか愚図愚図しているうちに、隣の男性は即座に行動に移したのである。全く恩着せがましさを感じさせることなく、ごく自然な態度で。
しかも、見も知らぬ人のために平然と一本電車を遅らせたのである。恐らく、次の電車が来るまで十分以上あっただろうから、その人のスケジュールはかなり狂ってしまったはず。
それでも、その人は、若者のために眼鏡を届けることを優先したわけだ。


頭の中でどんなにいいことを考えても、実行しなければ何もならない。そのことを、改めて痛感させられた。
そして、こういう親切でも実際に行うには勇気がいる。それをあっさりと行ったこの男性は、本当に素晴らしい人だと思う。


今度このような状況に出会ったら、さりげなく人の為に何かできる、そういう人間になっていたいと、つくづく思う。


この男性には、
何かいいこと必ずある❗️