サンスポ原稿 7・11入稿分  桂さん  先日、TBSの名物プロデューサー桂さんが社を定年退職となり、新しい門出を祝う会が、都内の一流ホテルに約400名の業界関係者を集め、盛大に催された。桂さんが現役時代いかに愛された人物であったかが偲ばれた。って死んだわけでは無いのだが……若い頃、アメリカを放浪していた桂さんは、大の相撲好き。会のオープニングは、何と、まわし姿の桂さんの入場と土俵入りで始まった。とてもプロデューサーを送る会では無い。まるでどっかの芸人の何かの披露パーティみたいなのである。その後、お色直しをし、テンガロンハットにウェスタンシャツで登場、得意のウェスタンソング、ジャンバラヤを歌う桂さん。六本木のライブハウスでコンサートも開いたことのあるその喉は、まさに本物。本当にこれがプロデューサーなの? と思うくらいエンターティナーなのだ。桂さんと言えば、その昔、「風雲 たけし城」とか「お笑いサドンデス」といった番組でたけし軍団共々大変お世話になった方である。彼には、数々の伝説がある。その昔、トルコ(現ソープランド)で、やる気マンマンな彼は、ことを致す前に、トルコ嬢を前に、四股(しこ)を踏んだことがあった。トルコ嬢に「よいしょ!」と掛け声をかけさせ、角の柱に鉄砲をかまし、へし折って支配人にこっぴどく叱られた。また、番組が当たらないころ、やけ酒を呑んだ桂さんは、街でチンピラにインネンをつけられ、そのチンピラをガードレールの外にバックドロップしたこともあった。ゴルフでは、ピッチングで150ヤード飛ばす豪傑であった。こういう個性的で侍的名物プロデューサーがいなくなるのは、テレビ業界の損失であるし、本当に寂しいものである。