高田笑学校原稿  高田先生と初めて会ったのは、今から20年程前である。師匠ビートたけしの付き人として同行した仕事場だった。代々木の山野ホール。テレビ東京の『凸凹(でこぼこ)大学校』という当時超マイナーな番組の収録現場であった。よくよく考えると、この『凸凹(でこぼこ)大学校』というネーミングにはもの凄いものがある。何しろ、大学が凸凹なのだ。どんな大学なのだろう? 恐らく高田先生のネーミングに違いない。「凸凹(でこぼこ)」! ああ、何とミステリアスでファニーな響き! この凸凹には、本来「凸凹道」とか、「凸凹コンビ」などの用法がある。でも凸凹大学という用法は無い。凸凹大学があるなら、実際に凸凹病院というのがあってしかるべきだ。医者がアホの坂田師匠で、患者が「千と千尋」のカオナシ。凸凹病院というのがあるなら、当然凸凹教や凸凹党があっていい。思いきって、東京凸凹ってどうだ? 意味が分からない。凸凹ローンとなると、人は金を借りるだろうか? 凸凹クイズや凸凹寿司! ちょっとシツコイ。もう飽きた。ていうか、チョー凸凹! モー凸! 駅前凸凹! イスラム凸凹主義、事実上の凸凹宣言! やだぁ、最近来てくれないのね凸凹、一体僕は何を言いたいのだろう? そう、凸凹大学校。僕が普通の大学を卒業し、この世界に入って最初の仕事がこの凸凹大学校だった。そこで、高田氏は国語の先生をしていた。生徒に、ツービート、ずーとるび、河合奈保子、清水クー子さん達がいた。初めて見た河合奈保子は眩しかった。校長の三波伸介師匠は肝臓で顔がどす黒かった。僕が、高田氏を先生と呼ぶようになったのはそれからである。あれから、20年。今回、「笑学校」というまたヘンテコリンな学校に入学した。本当の早稲田の学生であるにもかかわらず、「笑学校」に入学である。どうなってるんだろう? でもこの「笑学校」、面白そうだ。どんな生徒がいてどんな授業をするのだろう? チリン、チリン、あっ、授業、始まる!