前略、おふくろ様!  ピンチです。    村上君が管理人を辞めるそうです。ピンチです。 どうやら、東園君との間で、誤解が生じたらしいんです。 僕にとって、村上君はかけがえの無い存在です。 東園君も大切です。どうすればいいのでしょうか?  双方がもめた理由として ? どうやら、東園君が泉が丘の後輩では無かったらしいのです。 東園君の見解によると、彼は最初から西高の出身だと言っていたそうなんですが・・・・・・  前略おふくろ様! 貴女も知っているように、僕は、東園君が僕と同じ出身校であるか否かなど、正直言って気にも留めていませんでした。  怒られるかもしれませんが、そんなことはどうでも良かったからです。 長年、東京に住んでいますと、みやこんじょ、北諸や宮崎や鹿児島エリアは、なべて同郷と思えるようになりますし、こちらでは、実際そのように扱われます。 彼が、僕と同じ泉が丘高校の出身であろうが、なかろうが、僕にとっては大した問題では無かった。 「まっ、みんな、みやこんじょやがね・・・・」という実にファジーな感じだったんです。 しかし、厳格で不正を許せない真面目な村上君は、そのこと(村上君の解釈によると、当初、東園君は僕と同じ高校の出身だと言っていたらしい、が、東園君は決してそういうことは無いと主張している)を詐称として、許せなかったらしいのです。 村上君の気持ちや考え方は大いに理解し同意できます。 誠に彼らしい真面目で実直な行動と態度です。 僕は兼ねてから、そういう彼の資質や性格・姿勢を尊敬・敬愛しております。加えて、最大限、尊重しているつもりです。 ? さて、おふくろ様、 数ヶ月前、東園君が「蒼き大空大作戦」と銘打って展開してくれた、僕の本の販売促進作戦に、確かに僕は自己負担で協力しました。が、その全てを僕が負担した訳では、勿論ありません。「全部負担した」と豪語したこともありません。 どうやら、そこら辺に誤解があったようです。 東園君が、僕のために販促のリアクションを起こしてくれて、その行動に対する感謝のつもりで、自主的に協力させて頂きました。その後、東園君は、新に独自のサイン色紙を作成し、僕に送って来ました。そのサイン色紙を作成したのは勿論僕ではありません。「僕が作成した」と吹聴したことなど、全くありません。しかし、どこでどう歪曲したのか、東園君によると、一部では、僕が作成したという話になってるようです。 全くの誤解です。 ここで重ねて事実説明並びに釈明をさせて頂きますれば、全くそういう事実はありません。 東園君から色紙が送られて来て、東園君の要望通り、その色紙にサインをして送り返したことは事実です。数は、正確には覚えていませんが、数十枚に及んだと思います。本の方も、彼に送った数は、数十冊になったと思います。  当初、東園君のそれらのアクションは非常に有り難かったのですが、ものには限度というものがあります。 さすがに、郵便局にいちいち郵便物を取りに行ったり、梱包、再度送付などの手間隙が、結構煩わしい作業だったのです。 故に、村上君に、「この作業は、これからもずっと続くのかな~」とつい愚痴めいたことをこぼしたんです。 それがことの始まりでした。 今、思うと、そう言う愚痴を誰にもこぼすべきでは無かったのです。 非常に反省しています。 しかし、丁度、僕も東園君に「もうそろそろ、作戦は一段落しましょう」と言わなきゃいけないな~と思っていところだったんです。 しかし、僕の愚痴を聞いた正義感の強い村上君は、僕の代わりに、東園君に「いい加減にしてくれないか」と、逸早くキッパリと代弁してくれたのです。 村上君のその行動は実に誠実で、男気に富み、且つ道理に適ったものでした。 僕が、直接、東園君に言わなきゃいけないことを、将に、村上君が代弁してくれたのでした。 本当は、僕が毅然たる態度で東園君に提言すべきだったのです。 しかい、それは東園君の好意を無にするようで中々言い出せなかったのが事実です。 僕は、その時の、村上君の判断力、決断力、瞬発力に溢れる行動に敬意を表すると共に、心の中で密かに感謝しました。 しかし、それがどうして、こういう最悪の状態になってしますのでしょうか? おふくろ様、分かりせん。   恐らく、僕の問題処理能力の欠落に諸悪の根源があるのだと思います。 前略、おふくろ様。 昔から、僕は、クラスやチームのリーダー的存在として、問題解決能力には長けていると自負してきました。 しかし、それらは絵空事で、全く手前味噌で、愚かなナルシスティックな考えだったと、今では猛省の至りであります。 どうか、おふくろ様、 こういう場合、どうするのが最善なのかご教授賜ることを切に願うものです。 僕にとっては、双方共とても大切な存在なのです。 かけがえの無い「友」なのです。 「同士」なのです。 村上君は、僕が最も辛い時期を笑顔で支えてくれました。 くじけそうになって、はいつくばって、ともすると、自暴自棄になる自分を、村上君は一生懸命支えてくれました。 二人三脚で、早稲田を目指しました。 人生の目標を目指しました。 僕にとっては、恩人です。 どうしても無くしたくありません。 東園君も、このHPができてから、一生懸命僕を支えてくれました。 僕は、彼らの心の支えがあったから、今の自分があると思っております。そして、それは今後も変わるものではありません・・・・・・永遠の友になることを願っています・・・・・・・しかし、「双方とも大切・・・・・」そう言う態度って八方美的なのでしょうか?   我侭を許して頂けるなら・・・・・・・できるなら・・・・・・・村上君と東園君が、誤解を解き、相互理解をし、平和に事が治まることを願っております。 前略、おふくろ様、そのために、何かいい手立てはないものでしょうか? どうか、教えて下さい。 前略、おふくろ様。 僕は、遠い、異国とも呼べるこの殺伐とした都会で、今世紀初めてとも言える、最大のピンチを迎えています。