GWC認定シングル王座次期挑戦者決定戦
ミスター雁之助 vs 吉野達彦



本来ならダイスケへの挑戦権がかかった大事な試合なのだが、ハヤブサの件もあって心情的には雁之助に勝たせてやりたいとそう影響するものもあるのではないかと思っていた。

もちろん試合が始まればお互い自分の事に没頭し、勝つためだけに専念するはず。 が、しかしこの日だけはハヤブサの事が頭の片隅に残っていても仕方ない。
雁之助にその気がなくても達彦はファイヤーバードスプラッシュを使うし、ハヤブサの技を使って挑発することもあり得る。
むしろガッツワールドの中では達彦が一番ハヤブサのタイプに近い。 雁之助が達彦をハヤブサだと思って叩き潰しにくれば試合のアクセントが微妙に変わるかもしれないと思い、二人の細かな動きまでよく見るようにした。



が、そんなこととはおかまいなしに達彦がゴング前から奇襲!!
ノータッチトペコンで出鼻をくじくと首に集中攻撃。
雁之助はまだガウンも脱いでいない。

ショルダースルーで一つ返し間を置いた雁之助。
腰をエルボーで狙いながら逆エビと狙いは腰に。
さらに使ったことがないというSTFも。




STFを決めながら咄嗟の思いつきで腕もロックした雁之助。
これならば腹固めの効果も得られる。

さらにはテキサスクローバーで攻められ、中盤達彦は完全に防戦に回ってしまった。
なんとか隙をついてハイキックを当て、ブレーンバスターをこらえる雁之助を強引に力で引っこ抜く。
普段の達彦なら考えられないが、ここは強引に力で対抗した。




お返しに逆エビ固めを決める達彦。
雁之助の負傷がある脇腹が斜めの位置で止められてるだけにきつく、 お互いダウン状態に。

ところがブレーンバスターの体勢に入った雁之助は突然



ハヤブサぁ~~~!!

と絶叫しながらファルコンアローを放っていく。
やはりハヤブサのことが頭にあったのだ。

さらに追撃をかけようとするが、達彦もブルーサンダーで返す。
そしてアスリートジャーマンを二度放っていったが、まだ余裕のあった雁之助はあえて逆らわず受けて返していく。



さらにコーナーに昇る達彦だが、追っていった雁之助は雪崩式ブレーンバスター。
そして久しぶりに涅槃を繰り出しながらロックを外さずドラゴンスープレックスへ。



達彦もみちのくドライバーを決めていき、やはりファイヤーバードスプラッシュを狙ってきたが、これは雁之助がかわしていた。





ここから雁之助が一気にラッシュ!!
ラリアットを前後から打っていき、念仏パワーボムとファイヤーサンダーで一気に3カウント!!



勝ったぞ~~!!


絶叫した雁之助。 やはりこの日ばかりはハヤブサを背負って戦っていたのだ。



「今日は絶対に負けられなかったんだ。見てくれてるか英治!!」

と話しているとファンの人が投げ入れたハヤブサのTシャツに気づく。
ということでこの日の締めはガッツルではなく



お楽しみはこれからだ~!!
雁之助さんは初めてこれを言ったという。




大会終了後。
大一番を終えて戻ってきた雁之助さんは晴れやかな顔をしていた。
勝ったからこそ饒舌になっており、俺はもう後楽園の切符掴んだんだから今は俺の方が一歩先を走っているよと話す。

帰り道でいろいろと話したがハヤブサとの裏話では、まあトークショーでも話せないような内容の話がいろいろと。
それだけいろいろ話したかったんだろうと思うのですが。


私は久しぶりに試合を見て涙した。
私よりも年上の人がこうもストレートに感情を爆発させるのを見たら、やっぱなにか感じるものはあるのだ。

ハヤブサの追悼本を読みながら雁之助さんの思い出話を聞いていたが、こうしてガッツワールドでいい話が起きていてもマスコミは誰も拾おうとはしない。
だからこれは私がしっかりと伝えねばと思っていた。
ガッツワールドで応援してくれているファンの人ならわかるだろう。


今日は本当にありがとうございました。



最後に一つ。 雁之助さんの話を聞くため待っていて、ようやく出てきたと思ったら影山だった(笑)。
あれ遠くから見るとリアルに間違えるよ~!!