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勤務医の過重労働が問題になっている。

なぜ過重労働に陥るか・・・それは業務量>>人手、つまり人手不足。

 

これを解決する方法・・・

「医者を増やす」しかないと思っている。

 

 

ところが某利権団体などは「医者を増やす」ことに大反対している。

理由は、「限られた医療費を医者の人数で分けると一人当たりの取り分が減るから」。

 

事実ヨーロッパのイタリアやスペインでは医者の給料が安くて、または常勤としての働き口がなくて、タクシー運転手のバイトをしながら生計を立てている、と言う話も聞く。

 

患者さん達はみな、年齢や収入に応じて数割、ちゃんと自分で病院窓口で医療費を支払っているつもりであろうが、これは些細な金額である。

 

医療費高騰として問題になっている桁外れに高額な医薬品や手術は、「数割」といえ自分では支払えないので、「高額医療」の対象として、一部の自己負担金以外は全て国の医療費から出ている。なので「国民の医療費の総額は限られているので、これを医者の人数で分けると一人当たりの取り分が減るから、医者増員に反対!」という発想になるのであり、それは主に雇われ人の勤務医ではなく、独立して利潤を追求している開業医の発想である。

 

 

しかし私は(自分が勤務医だからかもしれないが)、基本的には「医者を増やす」という方針でよいと思う。

 

医者が増えればみんな楽になる。過労死する医者もウンと減る。

 

ただし今よりはcompetitiveになるだろう。

医者が生き残るためにはしっかり自己研鑽して能力(スキルや知識やコミュニケーション能力)を上げなければならない。本記事でも取り上げられ、「医師の働き方改革」で都合よく使われている「自己研鑽」という言葉は、本来このように用いるのが正しい。

ヒマな診療科・病院で給料が少なく不満なら、高給取りを目指すなら、皆が嫌がる忙しい科や病院へ転職して一生懸命働けばよい。忙しくて体力的、精神的に無理で、自殺してしまいそうなら、ヒマな科、ヒマな病院へ転職して、自分のペースで仕事して、少ない給料で我慢すればよい。

 

これ、本来は他の業界では常識だと思うが、そうでないところが医療業界の闇。

 

例えば夫も医者だから非常勤で週3-4日程度、健診やワクチン接種で働けばよいと思っているママさん女医の方が、昼夜を問わず働く国立大学病院の循環器内科常勤医の夫よりも稼げてしまっている、という訳の分からないことが、いろんな利権のせいで起きてしまっている。

 

もう一つ医療を他の業界と同列に扱えないところ・・・それは医者は自分生活が苦しくなると「病気を創り出す」ところであろう。

 

(続く)