「とうざい」 田牧大和 読み終る | pyonpyon ブログ

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松任谷由実。

とうざい 「とうざい」 田牧大和  講談社




人形浄瑠璃の小屋で起きた諸々の事件の話



主人公は、若い紋下太夫の竹本雲雀太夫と人形遣いの吉田八十次郎



二人は「松輪屋」という新しい芝居小屋で働いている



最初は、雲雀が主人公の様な流れで話が進むが、別段これといった事件が起こるわけでもなく、気の弱い雲雀が思い悩むみたいなくだりがダラダラと続く



そこへ、大阪から老人と幼子が訪ねてくる(話の始めは、この二人が江戸に来たところから始まるんだけどねね)



登場人物は、みんないわくあり気な雰囲気



人形浄瑠璃に(文楽も)全く興味が無いので、人間関係(主に上下関係や力関係)がさっぱり分からない



紋下太夫(三味線に合わせて語る人)は、偉いらしいが雲雀は若いから力量がまだまだ



人形遣いあっての人形浄瑠璃だが、紋下太夫よりは、格は下みたいにところどころで言葉づかいに気を配ったりしている



八十次は、女形が得手の人形遣いで、役者にしたい程の容姿だが、寡黙で表情ひとつ変えずに人形を扱うので「氷の八十次」と呼ばれている



まず、大阪から来た老人が連れてきた幼子を八十次に一時預けることになる



その子のふた親は亡くなったが、身内を探すと言う



八十次が預かる事を承知するのにも驚くが、その子が(5才くらい?)八十次を「かかさま」とずっと言い続ける



話の中では、それがきっかけで氷の八十次が子供にグッと引き込まれるみたいな流れになるけが、この子いくつなの?ちょっと大丈夫なわけ?な感じ



口がきけないわけでもないんだから、いろいろ聞くでしょ?普通



人形師が急に仕事とを断ってきたり(最後になって理由を聞くとくだらない思い違いの焼きもちからきた事)だったり、その幼子がさる大名の落し胤と間違われて浚われかかったり、土壇場で八十次が実は武道を少しかじっていたとか言い出したり・・・



この作家らしくない都合良すぎる設定が薄い本の中にゴロゴロ転がっている




老舗の芝居小屋の嫌がらせも中途半端だし、大阪から来た老人は実はその世界(人形浄瑠璃)では有名な人で松輪屋の雲雀の相方を務める三味線を弾く太夫の古くからの知り合いだったとか・・・、どれもこれも「実は・・」がつまらない



最後は、気弱な雲雀が独り立ちしそうな気配でチャンチャン



このメンバーを使っての第二弾を考えての(勝気な座主の娘が活躍するとか)ジャブってとこかしら?



前作の「盗人」がちょっと面白かっただけに、残念




今は、これを読んでます



蘭陵王の恋 新・御宿かわせみ  「蘭陵王の恋」  平岩弓枝




新・御宿かわせみシリーズです


江戸が終り、明治に入ってます


ちなみに、東吾はまだ見つかっていません


東吾の息子たちの世代の話で進めたいのだろうけど、ここまで「東吾は船ごと行方不明」でひっぱってて、今更「実は亡くなっていた」では、済まされないぞ!



どうするんだ?平沢弓枝!



自分の年の事も考えて書いてよね~