ようこそ、ひでちぇろブログへ。

ずいぶんご無沙汰してしまい失礼しました!


今日のテーマは、アメリカ人作曲家、コープランドについてです。


最近、演奏会に出演した時に感じたことを書いていきます。長崎からチェロと共に神奈川県まで飛行機で移動して泊まりで出演してきました。



曲はコープランドの交響曲第3番と「アパラチアの春」、バーンスタインの「キャンディード」でした。


すべてアメリカ人作曲家の曲でした。

この中でも特にコープランドの魅力を体験できました。



ここで、コープランドについて少し紹介します。


ロシア系ユダヤ人の移民の両親の元、ニューヨーク市内のマンハッタンと橋でつながるブルックリンで生まれ、育ちました。


アメリカで音楽を学んだ後、

無調音楽の総本山のようなパリでも学んで12音階の世界と一般の解離感じつつ、

最終的には一般の聴衆にも理解しやすいような、

クラシックにおけるアメリカ音楽のスタイルを確立しました。


アメリカ出身の作曲家といえば、

ラプソディーインブルーのガーシュウィンに始まり、

ウルトラクイズ(古いですが)に出て来た曲などを書いたグロフェ、

ウエストサイドストーリーのバーンスタイン、

などが印象的な中、


コープランドこそが、最もアメリカを代表していると言えます。

ロシアにおける、ショスタコーヴィチのような存在です。


それではここで、今回演奏した曲について書いていきます。


まず、メイン曲であった「交響曲第3番」。

4楽章で、これぞ偉大なるアメリカ的な、

堂々とした金管楽器と打楽器だけの有名な印象深いフレーズが演奏されます。

また、1から4楽章に渡って、広大なアメリカの大地を彷彿とさせるような肯定的で穏やかなハーモニーの部分と、活動的でアグレッシブでやはり肯定的な部分が入れ替わり現れて、最後は大ファンファーレで終わります。


そして「アパラチアの春」。

農村での新婚夫妻を中心とした町の様子が描かれていて、牧歌的な部分の多い曲です。

アパラチア山脈という具体的なアメリカの自然が舞台で、自然に恵まれ豊かな、ある意味理想的な人生が描かれています。




アメリカの大地の息吹きを感じさせる、

アメリカの若くて多くの可能性を秘めた、

ヨーロッパにはない楽天的な雰囲気、

これが、コープランドの音楽の特徴です。


コープランドを聴いていると、あまりに雰囲気がよいので実際にアメリカに行ってみたくなります。



キリスト教にしろユダヤ教にしろ、

一神教の文化にいる作曲家でもあるはずですが、

やはりその土地ごとの風土の影響受けるというのは、

少し面白い感じがします。

(一神教の人が多神教の土地の神の影響を受けているという意味です。)


いつか自分もアパラチア山脈を見たりしつつ、アメリカ大陸の多神教の神に触れてみたいと思います。


ところで、

私は現在長崎に住んでいますが、今回演奏したコープランドの曲がアメリカで作曲されたり、初演されたのが1945年の終戦前後なのです。

まさに幸福の絶頂にあるアメリカと、原爆が落とされて本当の地獄を見た長崎との残酷な対比についても、つい考えてしまいます。


現在の自分の立場は、あくまでアマチュアのチェロ奏者でコープランドを演奏して楽しめる平和な側の立場にいます。

この今の自分の幸福な立場に深く感謝しながら、また今後も音楽を続けていきたいと思います。


それでは。