「出来ない」ではなく「やる気がない」!


 『これは出来ない!』


 何かを教えたり直して上げた時に「出来ない」と即断する生徒が居るのですが、これは「出来ない」のではなく「やろうとしていない」の間違いです。


 どんなに簡単そうに見える動きでも、それを身に付ける為に膨大な時間と努力を積み重ねなければなりません。 しかし教えた直後の「出来ない」は先ずは努力してみる事さえせずに結論を出してしまっていると云う事に他ならず、「出来る、出来ない」以前の学ぶ姿勢が整っていないのです。





成果を急ぐ人は大成しない!


 「出来ない」と即断する人は直ぐに成果が出ないと満足出来ないタイプなのだと思いますが、『バレエは総合芸術』と言われる程に複雑で沢山の事を組み合わせて作って行かなければならないので直ぐにその全てを完璧に組み合わせる事など不可能なのです。

 例えば動きを頭で理解していてもそれを体現するには訓練が必要ですし、そこに音楽との関係や空間の使い方、観客からの見え方、舞台上では周りの人との位置関係等と考える事は山程あります。

 “プリエ”や“タンデュ”でさえ細かい動かし方を学ぶと今まで一つの動きと思っていた物が実は幾つかの動きの組み合わせである事が発見出来たりします。


 それだけの複雑さを持つ動きを数回の練習で完璧にするのは、どんな天才を持ってしても不可能です。 ですから出来る事から少しずつ積み上げるしか無いのです。





急がば回れ!


 早く上達したければ一つ一つの動きを丁寧に少しずつ積み上げる様に練習して行くのが最短の道です。 途中の過程を端折ってしまっては完成しませんからね。 上達の遅い人は、そこら辺の意識がとても希薄なのが見て取れますので、早く上達したいからこそ、途中の過程を念入りに練習して確固たる土台を固めるべきなのです。


 『脚が高く上がる』とか『沢山回れる』と云う事に気を取られて正しく動くと云う大切な事が疎かにならない様に一回一回のレッスンを丁寧に受けられる様に学ぶ姿勢を整えましょう。


 習いに来ているのに「出来ない」は指導者に対しても失礼ですから。