謝罪が成立するとき


負けたアメリカはヴェトナムに謝罪しない。日本も、アジア諸国も、ヨーロッパ諸国も、アメリカに謝罪しろと要求しない。アメリカの力が怖いのだ。

アメリカが謝罪しないから日本もしなくてもよい、と言っているのではない。戦争の罪悪について、戦争に参加した国はすべて謝罪すべきだろう。

負けた国だけが「極悪人」に成り下がるとした精神土壌が良くないのだ。


許されざる蛮行


イギリスは、中国領土の香港をどのようにして手に入れたのか。イギリスの植民地インドで栽培したアヘンを中国へ強制的に売り込み、中国本土を麻薬患者の巣窟にしようとたくらんだ。そのイギリスのもくろみに反対した中国を武力で征服し、巨額の賠償金を巻き上げ、港としてすばらしい地形を持っている香港まで取り上げた。「99年間借りる」としたわけだ。

イギリスは中国に謝ったか。イギリスはアフリカおよび中東(イラクを含む)を自国の植民地にし、そのために大量の人々を殺し、その結果、アフリカも中東をもズタズタにした歴史的事実に遺憾の念を表明したか。


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イギリスは、インドを植民地にした野蛮な行為に謝罪したか。さらに、今、話題になっているスーチー女史のいるミャンマー(ビルマ)も、90年間近くイギリスの植民地だった。1948年、すなわち日本軍がイギリス軍を蹴散らした後、ビルマは独立した。イギリスはもちろん謝罪していない。


350年間の屈辱


オランダはインドネシアを350年間も植民地とし、残虐な行政でインドネシア人を家畜のように虐げた事実に謝罪してもしきれないのだが、一度でも謝ったか。日本軍に追い出されるまでは、インドネシアにいたのだ。日本が負け、戦争が終わるや否や、また、オランダはインドネシアに戻って来た。

しかし、スカルノという独立心に燃えた男を指導者としたインドネシア独立軍は、オランダを破り、国から追い出した。ところが、次はイギリスが侵略してきた。イギリス軍も蹴散らされ、インドネシアは独立を武力で勝ち取った。

スカルノを訓練し、共に戦ったのは旧日本軍兵士たちであった。注目に値することは、インドネシアは日本に「謝罪せよ」とは言っていない。むしろ「感謝」をしている。

 

 

 

西鋭夫著『富国弱民ニッポン』

第1章 富国日本の現状−15



 

この記事の著者
西 鋭夫

西 鋭夫

 

1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。 同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士)。J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。また、2016年3月より同研究所小川忠洋フェロー。

 

 



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