彼と住む。


彼と住むマンションを探し始めた。


そんなに広くなくてもいい。

穏やかに暮らせれば。


今はまだゴタゴタしているけど、

いつかは、きっと。


わたしは東京の土地勘はあまりないが、

都内だが静かな地域で探しだした。


彼は何処でもいいとの事だった。



沢山見た。

彼が落ち着ける場所を。


小田急線沿いの住宅街のマンションを見つけ、一人で内覧をし、写真を彼に沢山送った。


マンションのエントランス、キッチン、リビングにベランダ。

駅前のスーパー、飲食店、病院。


彼にはここで決めたいと話し夜に二人で

マンションを外から眺め、

彼もそれに同意してくれた。



帰りの駅中の小さなカフェで、コーヒーを頼んだ。


わたしは彼に賃貸マンションを契約するにあたって必要な金額の話をした。


その途端、彼の口調や様子が変わったと

すぐにわかった。