農薬とは⑭ ~農薬を使わないで栽培する方法①~ | 小松菜農家 hideのブログ

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すまぬ、なんか色々書きたいことがあって・・・

もはやテーマが『食品の安全シリーズ』ではない気がするが・・・



テーマの軸は農薬なので

一応このまま続けマス┏o ペコリン



横道にはそれますが、このシリーズ内で

農薬を使わない方法もある。と書きました。




現状で知っている範囲で農薬を使用しない方法を書いてみようと思う。

基本的には小松菜の農家の言い分なので、これが果樹含む、すべての農産物に

確実に当てはまるかと言えば、当てはまらないと思うが、発想は正解だろう。


まぁ個人的には農薬を使用しないことが農産物への絶対的価値だとは

どーしても思えないので、状況によってはルールを守り使用するし

状況によっては使わない。





■植物 vs 昆虫や菌 on 成長スピード■


これ、実際有機無農薬を売りにしている流通業社に

卸している知り合いの農家がやっていた方法。


別に秘伝でもなんでもないからここに書いてOKだと思う。

これをやれるかどうかは、その農家個人が苦労するかどうかと

売り先が確定しているかどうかによる。




技術面はこうだ。


環境を整え、野菜の成長と虫の成長のスピード差を利用して

昆虫の被害から逃げるように栽培し、無農薬を目指すことが出来る。



その場合『農薬を使わない』『農産物を思惑通りにちゃんと育てる』
となり、最優先は農薬を使わないということになるので、出来にこだわる

ことに関しては不自由な思いをするが、無農薬ありきの農業の場合は

正解となる。


ただし、商売である以上


売り先が『有機無農薬』だとして



●他よりも需要があり

●生産個数も需要個数より常に少なく

●他よりも高価格で安定的に取引される市場が存在する



から成り立つ方法。




こう言い切れる。

逆に言えば、みんながこれをやったら、経営が成り立たなくなる。

または、そういった栽培をしたうえで、一般の市場流通に出荷すると

大抵敵わない。(一部の農産物では対等に渡り合えるかもしれない)

実際は多くの場合に先日書いた市場外流通に関しての一面 は必ずある。



果樹等もあるので、全ての作物で共通かどうかは不明だが

作物と昆虫の成長スピードの差を利用する場合

小松菜に当てはめるとこうなる。


資材代もかさむので、それを施設内で育てる小松菜で

集客できるかどうかによる。露地栽培でも同様で、結果出荷先が

安定しているかどうかということが非常に大切になる。




①ハウスを単棟管理(連棟を使用しない)


②1個1個のハウスに0.8㎜程度のネットを貼る

ピンク色はスリップス等の極小昆虫に対して忌避効果があるので

そういったものを使うとなお良し。


③ビニルの素材を紫外線カットにし、光が乱反射するようなビニル素材もあるので

そういったものを用意すると栽培が安定すると思う。但し紫外線カットに関して

栽培上少々不利になる可能性はある。


④粘着性のある薬剤を黄色や青の板に塗り、昆虫を物理的に引き付け退治。


⑤フェロモン剤等を設置し、蛾の産卵を避ける。


⑥作付け前に時間を置く(昆虫のエサとなる野菜をなくし、昆虫の全体量を減らす。

ここで、なかなか0にはならないのは昆虫。)


⑦準備が整ったら、種を撒く。


⑧野菜の成長スピードを昆虫のリスクから逃げるように

水分をたっぷり与え、時には加温をし成長を急がせる。


⑨栽培中に昆虫に被害を受けた部分は大目に廃棄する。


⑩その他、観察は怠らない


現状の俺の家の栽培でやっているものもあれば

やっていないものもある。


これらで、どうにか年間無農薬栽培は可能だと思う。

アブラナ科でどうかはわからないが、ルッコラでは可能だ。

⑨の様に、大目に廃棄すること、実際に夏場のロスはあったとしても

売り先が固定価格で引き取ってもらえるという面で経営的に成り立つ。


実際、作られたものは、100%の安全を保証できるものではないが

無農薬を100%の安全だと信じる人たちの元へロスなく売れるので

経営が成り立つ。ということになる。



もし、消費者が無農薬というものに魅力を感じなくなると

最初にも書いたが、この方法を取るのは非常にリスキーだと言える。

何故なら、市場や農協にて一般的に流通するルールを守って

栽培された野菜とガチンコ対決をしなくてはならないからだ。



何を正当な付加価値にするかが

そのマーケットが長続きする秘訣だと思う。

少なくとも農産物において素人が




『安全』




を売りにした時点で相当脆いだろう。

ツッコミどころが満載であるw

冷静に考えてみれば、同業者的には



それしか売りにするものがねーのかよw



と思わざるをえない。


優秀な農家と会えば会うほど、有機栽培やら無農薬やら。

経営上有利ならそうしているが、付加価値的にはまったく興味がなく

野菜の栽培技術を追求し歩留りを上げた上で

安定した売り先と契約していたりする。



今日のメクレのブログともこの話はややリンクしていて

直売所という小さな空間では取り締まるのも早く、現状で

既にいい加減なポップはすべて排除というのが基本になっているという。


コチラ。



農薬とは① ~はじめに~

農薬とは② ~農薬の概念~

農薬とは③ ~奇跡の外し方~

農薬とは④ ~鍵穴合わせ~

農薬とは⑤ ~農薬の使用有無に関しての安全性~

農薬とは⑥ ~何故農薬を使うのか~

農薬とは⑦ ~具体例~

農薬とは⑧ ~化学物質とは~

農薬とは⑨ ~農産物の流通の歴史①~

農薬とは⑩ ~付加価値~ ← お蔵入りしそうだったw

農薬とは⑪ ~農産物の流通の歴史②~

農薬とは⑫ ~経営における無農薬という付加価値~

農薬とは⑬ ~資材における有機という価値~

農薬とは⑭ ~農薬を使わないで栽培する方法①~
農薬とは⑮ ~農薬を使わないで栽培する方法② by メクレ~

農薬とは⑯ ~農薬を使わないで栽培する方法③ 生物の拮抗~

農薬とは⑰ ~農薬を使わないで栽培する方法④ 肥料分と昆虫…

農薬とは⑱ ~中締め~

農薬とは⑲ ~生産者のブレ幅~

農薬とは⑳ ~化学物質過敏症とは~

農薬とは21 ~消費者からのメール①~

農薬とは22 ~消費者からのメール②~

農薬とは23 ~消費者からのメール③~

農薬とは号外 ~映画『奇跡のリンゴ』の観方~

農薬とは24 ~消費者からのメール④~

農薬とは25 ~消費者からのメール⑤~

農薬とは26 ~消費者からのメール⑥~

農薬とは27 ~まとめ~

農薬とは28 ~このシリーズを書いて~

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