農薬とは② ~農薬の概念~ | 小松菜農家 hideのブログ

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さて・・・一部では散々なことを言われている農薬。
別に俺も安全物質だとは思わないけどね。

ルールを守れば危険ではないと思っている。



そこで、単に危険。

みたく言う人が何も知らないのが悲しい。



危険を煽って『農薬』『農薬』言ってる人たちの口から

以下の説明を受けたことがあるか・・・。


●農薬には普通物から劇物、毒物まで色々ある。





wikiるだけでも結構解る。


『農薬』と一括りにしてもその種類や成分は多々ある。

具体例は、そもそも農薬というものを説明してから出そう。



農薬というものは・・・


●農産物に害をなす昆虫や病原菌等に働きかけが認められる。

●環境に負荷がかなり小さいことが認められる。

●人体に負荷がかなり小さいことが認められる。

その他色々。



多くの物質の中から莫大な予算を使って

10年以上かけて調べた上で


(殺虫や殺菌)効果が認められ

リスクもわかっている物質。




これだけです。

こういった条件を満たしたものに『農薬』と名前が付きます。

そもそも、農薬という物質があるわけではなく ← 当たり前。

ある物質において効果が実証され、リスク管理が出来ているもの。



それに農薬という名前がつきます。

(業界用語?では『登録』という)



だから危険なもの=農薬。ではなく

効果があって、リスクもわかっているもの=農薬。

逆を言えば農薬ではないものは、効果が曖昧でリスクの大小がわかってないもの。

どのように使えばいいかもわかっていないし、使ったあとどうなるかも調べてないもの。


となります。




| ゚Д゚) デモ農薬ニリスクハアルンデショ?




うん。ありますね。

けど、それは調べていない多くの物質にも同様にあります。

ここで、食品そのものの微量なリスクを出すとただの屁理屈にしか

聞こえないだろうから、実際に農薬ではないとして農産物に使われることがある



・木酢液

・牛乳

・唐辛子のエキス

・アセビ液



この辺りを引き合いにだしてみますか。




・・・これら


効果が絶対あるかと言えば不明。

人体へのリスクがどれだけあるかと言えば不明。←無いわけはない。

環境へのリスクがどれだけあるかと言えば不明。←上記と同様。



結局誰も調べてません。

調べてないから、どれくらいの倍率で、どれくらいの量使っていいか

解っていません。当然、それが環境や人体にどれくらい影響するかも

解ってないし、出荷した農産物にどれくらい影響(残留)するかもわかっていない。



ちょっと知っている範囲で例を出しますが


牛乳。 ← 大好きデス。


これを農産物にかける人がいます。

食品だから安全だろうということでw ← あまりにも安い価値観。



で、確かに実際アブラムシは死にます。

なんでかっていうと、窒息するから。

人間はアブラムシではないから、滅多なことでは少量の牛乳では窒息しません。


アブラムシを含む多くの昆虫は気門で呼吸してます。

人間の様に、口や鼻から酸素を吸って肺で呼吸しているわけではなく

横っ腹等にある気門から呼吸しています。


牛乳に入っている成分がこれらをふさぐから死にます。

さて・・・牛乳・・・食品・野菜にかかって・・・



本当に安全でしょうか?




作物って大抵は常温。栽培期間は決して1日とかではない。

ハウス栽培だろうが、露地栽培だろうが冷蔵庫ではない。

しかも、作物上には当然いろんな雑菌もあるでしょう。


そこに栄養豊富な牛乳・・・

解るよねwだって、牛乳って食品だけど常温で何日も置いたら

腐るじゃん?腐るってことはカビ等のエサになって、そこでカビ等が

繁殖するってことじゃん?それって飲めないじゃん?w



それを散布する。

食品だから安全だということで。




うむ、わかっていないってことはこういうことね。

まぁ、そんなこと言っておいて、牛乳かけたって

大したリスクは生まれないけど。どーせ、そのリスクも最大で

腹を壊す程度だろう。


で、対する農薬は、そんなリスクと同等かそれ以下(人間にほぼ無害)が

確認された物質であると言う意味。



使用した資材によるマイナスが食品衛生上、環境保全上

無いと長い年月の研究結果上認められているから

その効果と安全性が認められる使用ルールを守れば

野菜に散布してもOK。


これが農薬。



解っている薬品である農薬を使わないのが、無農薬となる。




よって、無農薬には2種類ある。

※無農薬という言葉は農水がもう禁止しているけど、いまだ言っている人が

多いので、便宜上こういう書き方をしています。




■無農薬■

農薬と登録された薬剤を一切使っていないもの。



①それ以外(牛乳や唐辛子、木酢液、などなど。調べられてない

つまりわかってないもの)を使っているもの。


②殺虫、殺菌を目的としたものを一切使用していないもの。




1個目が比較的問題。

つーか、調べられている農薬を毒だとし、調べられてないものを安全だとして

使うのは無責任すぎて困るwそもそも『農薬』という定義がなんだか解っていないから

農薬を使わないということが価値になっているようにしか思えない。


2個目は何も使ってないなら、経費削減でOKだろう。

収量が見込めるかどうかは不明だけど、栽培期間中何もしなくても

育つという条件なら、冬場の小松菜は何も使わなくても良く育つ。

季節や環境によるっつー話だ。





さて・・・『農薬』というものが『効果があって調べられたもの』

ということが理解できるもう一つの例を、実際の農薬の具体例を

もって挙げてみたい。


そもそも農薬農薬というが、種類や効き方は様々だ。

殺虫から殺菌まで色々ある。



ここで挙げる農薬は俺の知っている範囲では

両極端なものである。



●ランネート


現状残っている農薬の中で、知っている範囲では選択性が

最も低いもので、原液なら動物だって死ぬ。使用法は

大きく間違っているが、その時のニュースがこれだ。


このランネート、哺乳類である人間にも相当効果があるものだ。

なので、多種類の昆虫を皆殺しに出来る。


多くの散布剤では死なないと思われるナメクジまで一掃するという。

俺はナメクジはアシデツブゥースを使うしかないw何故なら

ガス化しての作用の為、比較的万遍なく作用する反面、ハウス栽培では

使用不可となっていて実は俺は見たことも使ったこともない。


ランネートに関してのyahoo知恵袋


踏むことw




●エコピタ


上記のランネートからすると、おもちゃのチャチャチャであるw

もう、ただのデンプンを濃縮還元したもので、ドロドロのなんか透明な液体。

でも、立派な農薬である。何故なら、効果が実証されていで、環境負荷も小さく

人体への負荷も非常に小さいと調べられ登録されたからだ。



実は、この農薬は、さきほど挙げた牛乳の殺虫の仕組みである窒息。

これを利用したもので、逆を返せば、牛乳とて長い年月と無駄な費用をかければ

農薬として登録することが可能だ。無駄なのでやる人はいないと思う。


但し、それには雑菌のエサに成り得る栄養分の多くを取り除く必要があり

持ち運びに便利なように、濃縮還元する必要があるのだけど。

まぁそうなると、牛乳から精製された



ギュウニュリューム(仮)



みたいな農薬名となってしまうので

最早牛乳ではない。



が、牛乳より有用で安全であることは間違いない。

何しろ実験済みだ。カビる要素もなくなっていることだろう。

それでも農薬(と名前が付いたもの)が嫌な人は牛乳をかける。





何故か・・・。


『農薬』という名前が付く

この仕組みを知らないからだ。





上記の二つは、ちゃんと農薬として登録されているために当然ルールがある。

リンク先には詳しく書いてあるので、興味がある人は見比べてみて欲しい。


それぞれ


対象となる昆虫

何日前まで散布可能か

散布倍率

散布回数

散布量



調べ尽くしたからこのようなルールが提示できる。

天然だから大丈夫。みたいな資材を俺もかつて使ったことがあるが

今思えば過去の汚点である。だって・・・誰も安全性を保証してないし

調べてもない。天然だから安全って・・・wwwwwwwwwww




安いっ!




価値観が安すぎて笑いが止まらんw



さて、話を戻そう。

無農薬は、最低でも何を使っているか、何も使ってないかを示すべきだと思う。

しかも、それをいつどれだけ使ったのか、その時の倍率は何倍だったのか。

確認できるようにして、無農薬とするべきだ。しかも最後に


『個人の経験で安全性を保証します』 ← 素人個人の経験で保証されても・・・w



と書くのがマナーだろう。


一方農薬を使う側は徹底してルールを守って使うべき。

そうすれば、必ずデータ範囲の安全性に落ち着く。

何しろ○億円と莫大な費用をかけ、10年近い年月をかけデータをとった上で

国が責任をもって許可しているものだ。そのデータを超える個人の経験はない。



農薬を使えという意味ではない。

農薬を危険だという場合は登録するときに一つの目安となる

安全数値であるADI理論を粉砕してから危険だと騒ぎ立てれば良かろう。

ただの妄想と、目の前で起こった現象などからの推測で危険だと

騒ぎ立てるのは異常行為である。



ただし、そのADI理論は農薬以外にも多くの薬品や医学等にも

使用されているために、簡単には粉砕されないと思う。



ランネートと、エコピタ。これらはまったく次元の違う物質である。

やっちゃダメだが、エコピタなんかはもしかしたら薄めればただのデンプンなので

飲める可能性は高い。料理にも使える可能性もあるし、遭難したら

薄めて熱すれば餓死するよりは生き延びるのに有用かもしれない。



その二つを一括りに農薬とし

でも、それぞれデータをとっているから、安全性が確保されている。



これが農薬である。


もしも、減農薬にこだわる人がいる場合

回数ではなく、何を使ったかにいつ使ったか?にこだわった方がいいのでは?と思う。

俺はどっちでもいいけどね。安全性のデータが出されている以上

どっちだってルールを守っていれば関係ない。


生産者を信頼できるかどうかがカギとなる。




最後に農薬について個人的に思うスタンスを書きたい。

そもそも農薬と言うのは無料ではない。多くは結構いい値段する。

あと、散布も面倒臭い。



なので、それぞれの農薬の性質を熟知し

対象となる昆虫の生態を理解し、鍵穴合わせの様に

効率よく最小限にとどめるのが主義だ。


これは自分の経営における経費削減の為と、労力削減のためであって

消費者の安全のためではない。消費者の安全を保証するのは、ADIによって

決められたルールを守ること以外、農家の様な庶民にそれを保証することは

非常に難しい。



で、経費・労力削減を追求することにより、結果

決められた国のルールをかなり下回る使用でうまくいっている。


農薬が使いきれずに消費期限が切れることが

今の目前の課題だw



経費にしても売り上げを脅かすなんてほど遠いほど小さい。



2回言うが消費者に対しての安全の保証はルールを守ること以外では

たかが農民には無理であると思う。ましてや牛乳なんて使った日には・・・


カビない保証をどうしているのだろうかと悩んでいる。

食品衛生上よくないに決まっている。



あと、雑談になるが・・・



『私は基本的に反農薬です』

※けど、仕方ない時だけ使います



って人がいた。

農薬を否定するにも関わらず、農薬の勉強はしているのか?

仕方ないとはいえ、使う以上、熟知していると言ってもいいくらい

勉強していいハズだ。してなきゃいけないハズだ。


つーか『仕方ない時』ってどんなときだ?



俺に置き換えるなら、夏場の栽培を一切やめて

収益半分を覚悟しても使わない。としたり、農産物そのものを変えたり。

まず反農薬ありきで農業生産をするなら、何を作ったっていいはずだ。

いくら稼ごうと思うかも自由なはず。


なのに基本農薬は否定するが虫が出たから仕方なく使う。




この程度の『仕方ない』なら随分安いアピールだろう。

売るためだけにそうしているとしか思えない。

上記の通り、農薬を使いたい農家がいるとは思えない。

金銭面、労働力、何にせよ面倒だろう。



そもそもこの反農薬と宣言している彼が

農薬というものを理解しているのかが怪しい。

何かを使う以上、その性能は熟知して使うのが望ましい。

農業だけではない、あらゆる分野でそうだ。



明日は農薬の概念を利用して

より理解を深めてみようと思う。


農薬とは① ~はじめに~

農薬とは② ~農薬の概念~

農薬とは③ ~奇跡の外し方~

農薬とは④ ~鍵穴合わせ~

農薬とは⑤ ~農薬の使用有無に関しての安全性~

農薬とは⑥ ~何故農薬を使うのか~

農薬とは⑦ ~具体例~

農薬とは⑧ ~化学物質とは~

農薬とは⑨ ~農産物の流通の歴史①~

農薬とは⑩ ~付加価値~ ← お蔵入りしそうだったw

農薬とは⑪ ~農産物の流通の歴史②~

農薬とは⑫ ~経営における無農薬という付加価値~

農薬とは⑬ ~資材における有機という価値~

農薬とは⑭ ~農薬を使わないで栽培する方法①~
農薬とは⑮ ~農薬を使わないで栽培する方法② by メクレ~

農薬とは⑯ ~農薬を使わないで栽培する方法③ 生物の拮抗~

農薬とは⑰ ~農薬を使わないで栽培する方法④ 肥料分と昆虫…

農薬とは⑱ ~中締め~

農薬とは⑲ ~生産者のブレ幅~

農薬とは⑳ ~化学物質過敏症とは~

農薬とは21 ~消費者からのメール①~

農薬とは22 ~消費者からのメール②~

農薬とは23 ~消費者からのメール③~

農薬とは号外 ~映画『奇跡のリンゴ』の観方~

農薬とは24 ~消費者からのメール④~

農薬とは25 ~消費者からのメール⑤~

農薬とは26 ~消費者からのメール⑥~

農薬とは27 ~まとめ~

農薬とは28 ~このシリーズを書いて~

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