数日前にNHK-BSプレミアムの深夜に放送された、内戦中の中東・イエメン共和国の子供達が記者となり…スマホを片手に周辺の住民にインタビューを試みるという画期的なドキュメンタリー番組を観た。 




内戦が激化する中、政治問題だったり戦争の裏事情など大人達の目線ではなく、あくまでも純粋に一般市民による一般市民の声を中心とした番組だったが、そのゆったりとした時間の流れが逆に悲惨さをよりリアルに伝えていた。




子供達からすれば、大人の事情などどうでも良い。宗教、民族、政権争い、テロ組織…など目に見えない事ではない。




飛んできたミサイルによって親兄弟すべてが吹き飛び、落ちていた手榴弾で遊んでいたら爆発して友達が死に、食べるものも住むところも全てが無い、、、そんな目の前にある現実を受け入れる事こそが生活の中心なわけだから、各地で取材を重ねる姿が実にシンプル。





この番組を観ていて、思い出した事がある。

(前にも書いた事がある…と思う)



2000年頃に[藤岡弘、故ジョー山中、故すがはらやすのり、ヒダノ修一]という写真のメンバーで、湾岸戦争の跡地であるクウェートの孤児院を中心に慰問したことがあった。




この孤児院で「是非これを!」と見せてもらった…サダム・フセインのイラク軍に様々な残虐極まりない方法で殺害された子供達の遺体の写真集は、今だに脳裏に焼き付いている。




藤岡さんやジョーさんは「うわっ、ヒドイなこれは…」と早々に次の人に回したが、なぜか僕は目が離せなさすぎて全ページに目を通した。




一番衝撃だったのが…


何がそんなに憎かったのか。。。おそらく子供を捕まえて髪を掴み、頭頂部や顔面、こめかみに銃を押し付けて直に撃って殺したと思われる。



これはあまりに酷すぎる。余程の憎悪がない限り…幼い子供達にここまでの仕打ちはしないだろう。ただただ狂ってる、としか思えない。



それが、分厚い写真集でだいたい5冊ほど。




アルバムの死んでいる子供達と目が合うと…

気持ち悪さではなく、憎悪感、恐怖感、不条理さ、悲しみ、苦しみ、何故そんな目に合わなければならないのか…という無力さが、途方もなく虚しい。



見る者に、現実から絶対に目をそらしてはいけない!というような強いメッセージを感じた。






その後に、まだ内戦中のスーダン🇸🇩にも行き、最前線に近い難民キャンプまでトラック3台分の乾燥トウモロコシを届けた。



これは大変だった。山3つ離れた場所で戦闘が行われているそうで、かなりの緊張感の中で慰問し難民の親子や孤児たちと交流をした。




この頃から日本国内でチャリティーコンサートを重ね、故ムッシュかまやつさん、故ジョー山中さん、故井上堯之さんを始め…八木のぶおさん、ペッカーさんら、沢山の方々に協力して頂き、最貧国に学校を建てたり救急車を送ったりした。








アフリカ大陸や中南米・中米や中近東など、アルカイダ系テロや、極度の貧困に悩まされるエリアに演奏で訪れる事が多いが…子供達の最低限の生きる希望の光は絶やさないようにしなければならないなと思う。



久しぶりに、とても考えさせられるドキュメンタリー番組を観た。


もし再放送したら、是非ご覧ください。