弁護士 日髙正人のブログ

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 前回のブログで、冷凍餃子の裁判例(大阪地判H22年7月7日)を紹介したが、別の販売会社が提訴した同種事案(東京地判平成22年12月22日)は、瑕疵担保責任、債務不履行責任、製造物責任の違いがわかり、参考になる。
 事案は大阪地判の事件とほぼ類似であり、農薬が混入された冷凍餃子と、同一時期に同一の工場で製造された冷凍食品を消費者に販売した業者が、回収措置をとるなどして被った損害を、仕入元の商社に対して損害賠償請求したという事案である。なお、本事案においても、購入した冷凍食品自体に農薬は混入されていなかった。
 原告である販売業者は、瑕疵担保責任、債務不履行責任、製造物責任の3とおりの請求原因を立てた。
 裁判所は、瑕疵担保責任について、受領から6か月以内に通知がなかった商品に関する損害をのぞき、請求を認めた。この点は、大阪地判と同様である。
 他方、債務不履行責任に基づく請求については、最終的に消費者に提供し得る品質の商品を供給する義務があるのにこれを怠ったものとして、債務不履行があることは認めたが、帰責事由がないと判断し、債務不履行責任に基づく請求は認めなかった。

 裁判所は、品質管理体制が敷かれ、残留農薬の検査もされており、食品会社として行うべき品質管理体制に不備はなかったうえ、農薬の混入は犯罪行為によるものであって、通常想定し得ない異常な事態であり、不可抗力に準ずると判示している。
 一般に、債務不履行の事実があれば、通常、帰責事由の有無は問題にならないため、帰責事由がないと認定した判決はまれだと思う。なお、瑕疵担保責任は、無過失責任であるため、この点は問題にならない。
 製造物責任に基づく請求についても、本事案の商品自体には農薬は混入していなかったことから、製造物責任法上の欠陥はないものとして、責任を認めなかった。
 瑕疵については、いわゆる心理的瑕疵が認められているので、本事案においても、社会通念上、商品として成り立つかどうかという観点から判断しており、農薬が混入されている疑いがあり、これを購入する消費者は皆無であるため、商品として消費者に提供できる品質を有していないことから、瑕疵があると判断されている。

 他方、製造物責任法上の欠陥については、客観的に、当該商品が通常有するべき安全性を備えているかという観点から判断されており、たとえ商品としての価値はなくとも、当該商品自体の品質に問題がなければ、製造物責任法上の欠陥はないということである。

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