個人的な美術オタクの記事読んでくださってありがとうございます。
3です。今回でいったん完結。


更新してから「印象派論おもしろいです!」とか
「続き待ってます!」とか、思いがけずたくさんのお言葉頂いて、
ありがたいしめっちゃ嬉しいです。
私がおもしろい思てるものを、同じようにおもしろい思てくれはることは、
なんか友達できたみたいな感覚になります。



というわけで最後、モネをとりまく人、ルノワールです。


モネが風景画とすれば、ルノワールは人物画の画家とされています。
(もちろん風景画もたくさんあります)


ルノワールの作品には「世界で最も美しい肖像画」と呼ばれるものがあるように、
人物画が得意とされていました。

ルノワールは「幸せな瞬間しか描きたくない」という信念があり、
一貫して人々の幸せな瞬間を描いています。
「幸福の画家」という異名すら持つほどです。

理由は、人生は生きているだけで嫌なことがあるから、せめて絵くらいは、ということです。

めっちゃ優しない?ルノワール。バリ優しい気持ちの持ち主。


そんな彼の信念に注目しながら絵をご覧頂ければ、全て幸せな瞬間を切り取っている事に気づいて頂けるかと思います。




ルノワールの代表作といえば





「ムーランドラギャレットの舞踊会」








「可愛いイレーヌ」


などでしょうか、このあたりだと観たことがある人もいるのではないかと思います。



ムーランドラギャレットの舞踊会は、
ルノワール展で初めて見た時、もう動けなくなるくらい素敵で、
なぜ本やインターネットで何回も観ているのに、
こんなにも凄いと思うのか????と、本当に不思議な気持ちになりました。

キャンパスも特別に大きかったわけではないのですが、
なんというか、多幸感みたいなものが物凄かったです。






私が個人的に好きなルノワールの絵は



「ピアノを弾く2人の少女」



色彩がグンバツに可愛い。
アカデミズムの影響も垣間見える光沢使いなんかな?と、素人の分かった口を残しておきます。





「ぶらんこ」



印象派といえば「光の魔術」と紹介されることが多いほど、
モネやルノワールなどの印象派の画家たちは木漏れ日とかがとても得意でした。
これも木漏れ日。




「ジャンとガブリエル」



ジャンというのは、ルノワールの息子です。
ガブリエルは奥さんではなく、お手伝いさん。

これもとても幸せな瞬間である気がして、すごく好きです。

ルノワールの絵を観ていると、彼が何を幸せとしていたのかが垣間見える気がして、それも楽しいです。





さてルノワールとモネは、同じシャルルグレールの絵画教室で出会います。

前回記事に書いたバジールと三人でズッ友になり、
貧困時代をバジールに援助してもらいながら、バジールのアトリエで暮らします。
アッパラパーで自分中心な愉快なモネ(私調べ)に比べて、
ルノワールは大人しく、控えめな性格だったと言われてます。


一方で、シャルルグレール教室で絵を描いてる時、
グレールに「君は君の楽しみのためだけに絵を描いてるようだ」とダメ出しを受けた時に、
「楽しくなかったら絵なんか描きません」とはっきり言ったことも記録されています。

控えめでおとなしいけど、一本筋は通っている、そんな男がルノワールです。(私の感想)


しかし普仏戦争のため、ルノワールも兵隊さんとして向かいます。
(モネはそれが嫌でロンドンに逃げた)
(モネはほんまにかわいい)


ルノワールは無事、帰還し、
バジールを失って、ズッ友がモネのみになってからも
モネと一緒に出かけて一緒に絵を描いたりしています。





モネが描いた「アルジャントゥイユの鉄橋」




ルノワールが描いた「アルジャントゥイユの鉄橋」




以前「おまけの夜」ではラグルヌイエールを紹介したので、今回はアルジャントゥイユを。


お分りでしょうか。

モネは風景画、ルノワールは人物画が得意なんです。

なのにルノワールはこうして、
モネとキャンパスを並べながら、風景画を描いてます。

多分、天真爛漫なモネに「天気ええやん!ルノワール、風景かきに行こうや!」と言われ、
静かに微笑みながら、「ああ、行こうか」と言ったんです。
(オタクの妄想)



ルノワールは控えめだけど、愛情にあふれた画家であることが好きになればなるほど分かります。




ルノワールはバジールを描いたり、



モネを描いたりしています。




ルノワールは、画家として成功したあとも、
「バジールのアトリエで過ごしたあの貧困時代が最も幸福だった」
と振り返っています。


それほどまでに、バジールとモネの存在がルノワールにとって大きかった事が分かります。
(モネは本当に貧困が嫌だったと振り返っている)
(モネはほんまにかわいい)




最後に、ルノワールが描いた、また別のモネです。


「印象派展」開催に向けて動き出していた時代の一枚。

この絵のタイトルは「クロードモネ(リーダー)」です。


ルノワールはモネより年下だったので、
ルノワールにとってモネは兄貴のようであり印象派展としてのリーダーであったのだと思います。

本当のリーダーというか、メンターみたいな役割はマネが担っていた(みんなよりすごく年上なので)という説もありますが、
ルノワールにとってはこの人についていこうというような存在だったのだと思います。



そんなルノワールは晩年、
リュウマチになり絵筆を持つ手が震えてしまうほどになるのですが、
絵を描くことを愛し、亡くなった日も絵を描いていました。

情熱。青い炎です。



以上、少し大雑把になってしまいましたが、
私からの印象派論でした。

おまけの夜でも、また印象派論やってくれるそうなので、またそちらもぜひ楽しみにしていてください。


オタク全開ブログにお付き合い頂きありがとうございました!