しまむらでは、商品部(商品ライン)ごとに、先付会議、先付チェック会議、パターン会議を開いて、シーズンごとに商品の展開ストーリーとそれに合わせた売場づくりを行っている。
 先付会議とは何だろうか?
 
 「先付会議」はシーズンの半年前に商品部長、バイヤー、コントローラーが出席してチーフバイヤーが進行役となって開かれる。ここで、次のシーズンの数値計画、商品ラインを構成する上での全体のバランス、主力商品群のマトリックス(構成と数量)、商品展開のコンセプト等が決められる。商品展開のコンセプトは売筋予測と商品のコーディネートによる売場のイメージづくり、それに基づく商品の展開計画から成る。商品の展開計画は、商品別の売場づくり、投入時期、投入期間、マークダウンストーリー等にブレークダウンされる。
 マークダウンストーリーとは何か?
 
 しまむらでは、かっこよすぎるかもしれないが、「売れる価格が正しい価格。最初につけた価格は仮の価格。」というフィロソフィーを持っている。先付会議というのは“売れる価格”を探るためのしくみなのだ。
 「先付会議」は年4回各シーズンの半年前に次のシーズンの売行予測を行い、契約数量の見込みを立て、それらをベースに今シーズンの先付方針を立てるのが目的だ。
 “先付方針”とは何か?
 
 今シーズンどういう商品を何型位展開するかという商品の展開計画と今シーズンのマークダウン計画だ。第一回目は○○月○○日、第二回目は○○月○○日というように、これから売っていこうという時に既に値下げのタイミングを予め決めておこうというのだ。
 しまむらではそもそもマークダウンを値下げとは考えていない。「マークダウンによってつけられた価格こそが正しい価格」という捉え方なのだ。仮の価格を値札につけて商品を売場に並べる行為は商品を販売する行為ではなく、お客様に受け入れられる本当の価格を探る行為である、と考えているのだ。
 
 シーズンの2ヶ月~2ヶ月半位前になると、「先付チェック会議」(出席者は先付会議と同じ)において、売行状況の変化を見ながら、計画のチェックと修正を行い、さらに、シーズンを目の前にした2~3週間前に「パターン会議」において、再度売行の変化に応じたチェックと修正を行い、具体的な陳列パターンを「売場計画書」に落としこみ、店長会議を通じて各店に配布する。そして、各店はその売場計画書に沿って陳列を行う。そういった段取りで仕事が進められる。では、売場計画書にはどんなことが書かれてあるのだろうか?
 売場計画書は部門ごとにCADで作られ、次のような内容が盛り込まれている。
  ・陳列の訴求ポイント
  ・売場のレイアウト(什器の配置)
  ・什器別の陳列商品
  ・POPの種類と取付け場所
  ・商品カテゴリーごとの販促物
 
 以上のようにしまむらではデジタルテクノロジーを中核としたビジネスモデル・ビジネスプロセスによって売上と利益の増大及び効率経営を追求し実現している。
 
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