ついにババヤンを生で聴きました!

ババヤンはトリフォノフの師匠。

いつか自分が亡くなる時に、穏やかに人生を振り返る時間があるならば、この演奏会の事はきっと思い出すだろうと思う。

これまでに聴いた数々の演奏会の中で最も素晴らしかった。
それはタイミングもあるのかもしれない。
このような世界情勢で、しかも聴衆は全員マスクをしていて。
それとは別に自分の人生におけるタイミングも、ババヤンを聴くのに満を持していたのかもしれない。

感想を書く前に触れておきたいのはホールのこと。
東京文化会館の小ホールでは何度もピアノ演奏を聴いているけれど、この会場は響きが聴き取り辛く感じる。
天井は高いけれど座席が扇状に横長に広がっているので、響きが扇状に散ってしまう。
倍音が豊かな演奏ほど響きが混ざり合い聴き取り辛くなる。
もう少し幅が狭くてシューボックス型なら、天井に昇っていく響きや客席に弧を描いて伸びていく響きを堪能出来るのだけど。
それでも流石、ババヤンは飛んでいく響きの筋を読める(シューボックス型ならこう聴こえるだろうと想像出来る)演奏をしてくれて、後半はとくに響きがクッキリ見えてきた。
あの扇型のホールでそれをやってのけた方は、私が今まで聴いた中ではババヤンだけ。

そのような前提で、以下、感想です。
プログラムはこちらの写真を拡大してご覧下さい。


曲目変更があり、1曲目はシャコンヌに。
この変更は今の世の中への祈りか、または嘆きなのか、と思いながら聴いていると、いやこれは希望(望み)なのではないかと思えてくる。
パイプオルガンのような響きに圧倒される。

続くシューベルト=リストからラフマニノフ楽興の時まで7曲を、拍手無し、一気に弾き通す。
一筆書きのように。
「水車小屋と小川」の川の流れ、きらめき、「糸を紡ぐグレートヒェン」の糸車、「水の上で歌う」の水面(みなも)、全てが流動し続ける。
止まらない。推進力というより、脈々と動き続け、回り続け、流れ続ける。
ラフマニノフでは迫り来る情熱、空高く光る稲妻が駆け降りてくる。
海を航海し、波が砕け、水飛沫が散り、また波が寄せる。
深い深い海の底からドドーンと轟く響き。
聴いた事のないほど豊かで深い低音は、深く下に向かっていくだけでなく上へ波となって現れるエネルギーを含んでいる。
ずっと動いている。絶え間なく。
音楽自体が、生きているよう。
生命体のよう。

前半だけで凄いボリュームのプログラムだけれど、あっという間だった。
プログラムを通して、この地球の、自然の凄まじさを感じた。

後半、リストバラード2番。
そしてクライスレリアーナ。
いやもう書きたい事いっぱいあるけれど長くなり過ぎるので割愛お願い
勿論すごく良かった!←急に大雑把笑い泣き
(ちょっと眠くなってきた。現在夜中の3時半ぐぅぐぅ 明日も仕事なのです、もう今日だけど。)
きっと書いても書ききれないし。話し足りない!みたいになるから。←眠いだけぐぅぐぅぐぅぐぅ

全体を通して少しだけ具体的な事に触れると、ピアニシモからクレッシェンドしていきながら響きを混ぜて色彩と質感を変化させていくのが見事で、うわぁってなりました(←全然具体的じゃない爆笑)。
そして曲の終わりのペダルの離し方も素晴らしかった。ウワン笑いってならない。
一度のリサイタルにあんなに多くの種類の響きを聴いたのは初めて。
オーケストラみたい、という表現はよく使われるけれど、本当にこれ全部ピアノなの?というぐらい様々な響きが出てくる。

音楽は決して折り目正しく整えて三つ指ついて差し出すものではない。
そういう演奏は冷めきってひからびた食事のよう。
音楽は生きている、躍動している、流動している。

何故ピアノを弾くのか。
ババヤンにとってピアノを弾くことは特別な事ではなくて、生きているから弾いているんだよ、と言っているかのよう。

素晴らしい作品を生み出したのも人間、こんなに尊い演奏をするのも人間、会場でこの貴重な時間を共有しているのも人間。
同じ地球の別の場所では悲劇が起きていて、それを起こすのも人間。

アンコールはゴルトベルク変奏曲のアリアでした。
愚かで、そして尊い人間の、魂の根源をみつめ、慰め、浄化する、包容力のある響き。

ババヤンの響き、演奏、音楽が好き。
全てを含んでいる包容力。
次は是非、紀尾井ホールか、サントリーホールでお願いしたい。

チューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンクチューリップピンク
会場には同門や元同門のピアニスト達が8人ほど(もっとかも?)いて、プチ同窓会のようでしたニコニコ
はるばる札幌や名古屋から来ていた方も。
隣りの座席にも元同門の方がいらしてビックリ爆笑
並んでババヤンを拝聴しましたむらさき音符
何年ぶりかに会ったのに、「エリカさん⁇」って声を掛けてくれた方もいて嬉しかったし、それぞれがババヤンの響きを求めて集まって来た事、その時間を共有出来た事が嬉しかったルンルン
今日のババヤンの演奏がみんなの栄養になっていくのだなぁと思うと感慨深いものがありました。



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