歳を重ねるとともに2年前ぐらいから色々な不調が出るようになった。


耳の下をギューッと押さえつけられたような苦しさ、背中を誰かにさすってもらいたいような不安感としんどさ、頭がどんよりしてシャキッとしない、記憶が出来ない、目眩など…それまでには無かった不調のオンパレード。

前傾姿勢をとると特に目眩が起きるので、食事中やピアノを弾いている時に目眩が起きる事も多くなった。
病院で漢方をもらっていたけれど、一つの症状には効いても違う症状が出てしまったり。
記憶が出来なくなり、楽譜を見ながら一曲弾いて冒頭に戻り最初の音を弾くと、あれ?二つ目の音は何だっけ…?となる。。。
体もしんどくてピアノにも向かえなくなった。
気分も塞ぎ込む。
あんなに好きだった散歩もしたくなくなり、それどころか起き上がれなくなる。
これは更年期のせいかも?更年期鬱?
もうピアノは弾けないのかもな…と思い始めた。

ところが、病院を変えてみて違う漢方を処方されたら体調に良い変化が。
頭痛や更年期の事を相談したくて、一つの病院で頭痛外来と婦人科の両方を専門にしているところへ行ってみたのが良かった。
頭痛とホルモンバランスは関係しているので、この二つの観点から診察しているそう。
そこで「自律神経だね」と言われ、漢方を処方してもらったら、様々な症状が治まり体調が安定してきました。

ホルモンバランスに変化が起きる更年期には自律神経が不安定になりやすいけれど、実はピアノをやっている男性も自律神経が不安定になる方がいる。
これはピアノという楽器を演奏する時の姿勢やピアノ演奏者の特性などと関係しているように思う。

自律神経は心拍をはじめ自分の意思ではコントロール出来ないものを司っていて、それが不安定になると体調だけでなく精神的にも様々な不調が起きる。
一度どん底(マイナス)まで悪化すると自力でゼロまで戻すのは大変。
私の場合、自律神経を安定させるためにストレッチやウォーキング…その他色々な事をやってみたけれど、身体に良い反応は無く、むしろ「それどころじゃない、今は横にならせて欲しい…」というしんどさが増すだけでした。

マイナスからゼロまで戻すのには自力でどうにかするより病院で診てもらうのが良いと思う。
適切な漢方や薬を処方してもらってゼロまで戻って来れれば、そこからはやっとストレッチやウォーキングなどが効果を発揮して体調が回復し、プラスへ向かうエネルギーが湧いてくるようになる。

今でも気圧の変化に対応するのが難しい時もあるし、頭痛も時々あるけれど、日頃のケアや対処法を知り頭痛の頻度が低くなり回復も早くなった。
背中がしんどくて座っていられず、音が覚えられなくなるし頭もぼんやりして、もう弾けないかも…とまで思ったピアノも、集中力を保って練習出来るようになった。
メンタルにも良い影響が出て、本番に向けての精神状態もコントロールしやすくなった。
そこまで回復出来たことが嬉しい。

演奏にも影響する自律神経について、自分が経験したことや得た知識などをこちらでシェアすることで、ピアノを演奏する方で同じ悩みを持っている方、辛い思いをされている方に少しでも明るい光が射せば…そんな思いで、今後はブログに『演奏者と自律神経』についても書いていきたいと思っています。