日民協主催『第50回 司法制度研究集会プレシンポジウム』に参加してきました! | 弁護士法人・響 日々きのかけら

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こんにちは。
弁護士の江橋大樹ですメガネ

2019年7月1日(金)、日本民主法律家協会(日民協)が主催している『第50回 司法制度研究集会プレシンポジウム』が四谷地域センターにて開催され、参加して参りました。

はじめに、映画「憲法を武器として 恵庭事件 知られざる50年目の真実」が上映されました映画


この映画の題材となった「恵庭事件」のことを、皆さんはご存知でしょうか。

「恵庭事件」とは、1962年に、北海道千歳郡恵庭町(現恵庭市)において実際に起きた刑事事件です。
陸上自衛隊演習場の近くで酪農を営む兄弟二名が、騒音や振動等に耐え兼ね,演習場内の通信線を切断したことで、起訴されました。

刑事処罰の根拠法である自衛隊法、ひいては自衛隊の合憲性が問われる憲法裁判として、当時大変注目を集めました。
結果、裁判所は「被告人は無罪」としたものの、自衛隊の憲法判断は回避されたことで、「肩すかし判決」とメディアに評されたようです。

本映画は、膨大な公判記録や関係者からの取材に基づき制作され、3年半の間、延べ40回にも及ぶ公判でのやり取りが、生き生きと、しかも正確に再現されており、事件の発生に至る詳細な経緯から、公判での関係者たちの苦悩や希望を知ることができました。

映画の中で特に印象的だったシーンは、
被告人となった兄弟二名が活発に意見陳述をする上、証人に対しても質問を投げかけるなど、裁判に関わる関係者と積極的にコミュニケーションを試みる光景です。
憲法と自衛隊との関係に対する司法の見解を、弁護団のみならず、被告人自身が引き出そうとするこの姿勢を通じ、平和を祈念する憲法前文や憲法9条に対する当時の人々の感覚の鋭さを知り、大変驚きましたハッ

戦後70年を経過し、平和であるということが空気のようなものになり、特に意識を向ける対象ではなくなりつつあるような気がしますが、
今一度、日本国憲法に込められたメッセージについて考え直し、人々に伝えていくことが必要だと思いました。

映画鑑賞の後は、“生ける伝説”とも呼ばれている、恵庭事件弁護団でご活躍した内藤功弁護士・新井章弁護士、お二方からお話がありました。
長期間にわたる裁判の途中、違憲判決をとることの困難さに鑑み、めげそうになることもあったようです。そのような時、先輩の弁護士から「巨大な国家権力というものに対して、たった二人で決死の抗議をした被告人二名の“面魂”を、恵庭事件裁判を通して世の中に知らしめることも、弁護人の任務でもあるのではないかね?」
との薫陶を受け、被告人二名とともに最後まで裁判を闘い通したとのことでした。


弁護人の弁護活動というと、ともすれば訴訟技術や判決の内容に視点がいきがちかもしれませんが、
弁護人ができること・やるべきことは、私が考えていたもの以上に多様で、意義深いものであると思いました。
私も、一弁護士として、決意を新たに、何ごとにも積極的に取り組んで参りたいと思います!!

 

弁護士法人・響
江橋 大樹