もし経済学を法律コンサルタントが学んだら

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法律家が経済学を応用したら何が起こるのか、理系出身の私が一から経済学を学び、実務で実践した内容を公開します!

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司法書士の井原です。

朗報です。
外資企業の日本法人の設立時における、代表取締役の日本居住要件について、撤廃された旨法務省より発表がありました。
これにより、外資企業が日本で法人を設立する際の最大の障壁が撤廃されたことになります。

It's good news.
There was an announcement from Ministry of Justice that in case of establishing company in Japan by foreign company, it is abolished the Japanese residential requirement of representative director as of 16th March,2015. 
The biggest barrier when a foreigner establishes corporation in Japanabolished by this.


(以下、法務省HPより抜粋)
平成27年3月16日 
昭和59年9月26日民四第4974号民事局第四課長回答及び昭和60年3月11日民四第1480号民事局第四課長回答の取扱いを廃止し,本日以降,代表取締役の全員が日本に住所を有しない内国株式会社の設立の登記及びその代表取締役の重任若しくは就任の登記について,申請を受理する取扱いとします。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00086.html


通常、日本で株式会社や合同会社を設立しようとすると、日本の住所を持っている人をパートナーとして探し、一旦その人に代表者に就任してもらう必要がありました。
(その後、本来代表者となる人がビザを取得し、日本の住所を取得した上で代表者に就任するという手続きでした)

今回の発表により、上記の日本の住所を持つパートナーを探す必要がなくなるため、外国人が外国の住所のままで、日本法人の設立が可能となります。

登記手続きの点では、従来通りの内容(外国人の印鑑証明書に代わる書類としてサイン証明書を用意など)で変わらず、単純に日本居住代表者の必要性が無くなっただけ、と緩和されました。

こういった規制緩和により、益々日本のビジネス市場が活性化されることを望みます。




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さて、今回は2つめのステップであるwhy 分析を行って行きます。
まだ対策を考える段階ではないので、もしここで『では、どうしようか?』と対策を考えてはいけません。

why 分析では【なぜなぜ分析】というものを行って行きます。なぜなぜ分析とは、設定した課題に対して、その原因はなぜだろう?を繰り返していきます。数回、なぜを繰り返していくと、課題に対する原因が明らかになってくると共に、解決すべき問題点がはっきりとしてきます。

具体的な例でご説明します。
仮に、若手営業社員の成約率が低いという課題があったとします。それに対して、思い付くままに、若手の説明力不足が原因だろうという推測のもと、研修などで一生懸命にトーク術を学ばせたとしたらどうでしょう。その結果、営業マンは益々お客様の前でトークを繰り広げました。ただ、本当に問題だったのは、説明力不足が問題なのではなく、お客様のニーズを十分にヒアリング出来ていない事にありました。営業トーク研修を受けた営業マンは今まで以上に聞き取りを行うことが出来なくなり、成約率も一向に上がらなかったということです。

このように、課題に対して原因をはっきりとさせないままに思い付きの対策をとってしまうと、場合によっては全く効果がない(むしろ悪化してしまう)事にもなりかねないので、しっかりとなぜなぜ分析を行い、原因をはっきりとさせることが重要となってきます。

次回は、具体的に当事務所で行ったなぜなぜ分析をご紹介していきます。

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まず、問題の所在を特定する作業を行って行きます。これをwhereの特定と言います。

課題である『新規で取引先を3件増やす』が、現時点でそれが出来ていないのは何処に問題があるのか、それをあぶり出すために、【どこどこ分析】 を行います。どこどこ分析とは、問題ヵ所を特定していく過程において、"漏れなくダブりなく"問題の有りそうな場所を決めて、その範囲でしらみ潰しに問題を探していくことです。

例として、『売り上げが低下している』という課題に対しては、以下のように行います。
①低下している売上げを因数分解する。
 売上高
=客単価×人数
=(各事業毎の売上高×人数)の総和
※この因数分解が正しく行わないと、漏れがでたり、ダブリが出たりします。

②低下している事業を特定する。
※【低下している】のか【他の事業と比較してより低い】のかに注意。後の原因究明においてアプローチがまったく異なって来る。

③低下している事業について、更に細分化する。
*時間帯別
*曜日別
*季節別
※切り分けは業種により異なるため、最適な切り分けを決める。ヒントは、『問題を特定するのに最も特徴が浮き彫りになる切り分けかた』となる。
例えば、衣料品であれば季節に大きく依存するだろうし、飲食であればむしろ曜日や時間帯であろうか。

このようにして、まずは課題に対して最も影響が大きく出るヵ所を『どこどこ?』と考えながら探して特定していきます。

ちなみに、この方法では、ある一部分のヵ所にしか対応策を打てないため、効果が低いのでは?と思うかもしませんが、起こっている問題はそれぞれ原因が違っているため、一気に解決する方法を採ろうとすると、逆に何れにも中途半端であったりする事があります。其れであれば、まずは一番影響が大きいところから考えていく方が、結果的にはより早期に解決に向かう事になるようです。

上記に従い、課題である『新規で取引先を3件増やす』をwhere分析していきます。
ただ、現在の課題は課題でなく、目標値となっています。そこで、表現を解決する必要のあるものに変えて、『新規の取引先が3件不足している事』と置き換えます。これにより、当初は増やしたいという単なる目標値でしかないものが、解決すべき課題に変わりました。

次に、どこどこ分析を行って行きます。現在の事務所の一番の課題は売上高を伸ばす事なので、どの分野が一番伸びていないのかを探していきます。当事務所の案件の依頼元別に売上高を分解していった結果、他の士業の方から持ち込まれる案件が伸びていない事がわかりました。

また、より明確に課題を設定するため、ある程度経験を積まれた先生方からのお話にお応えしていきたいという方向を決めました。

これで、ようやく解決すべき課題が明確になりました。

次回は課題に対して原因を探っていくwhy 分析についてお話します。

←司法書士事務所の経営改善①

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とある不動産取引のプロジェクトの案件の中で、当事者のなかに高齢の女性がいた。
その女性は、数年前から施設に入居しており、既に判断能力は低下している。
取引の相談が不動産業者から持ち込まれた時に、私は成年後見制度を利用した方が良いとアドバイスを行った。

不動産業者や親族などには、まだまだ成年後見制度への理解は十分ではない。出来る限り余計な手間をかけたくない、家族が代理で行えばよい、その様な関係者へ説明をし、納得をしてもらうことは決して容易ではない。各ケースに応じて、対応は千差万別となって来る。

今回の相談のケースでは、不動産業者に先ずは理解してもらい、その上で家族に同意を求めていくことにした。
ケースによるが、取引において、もし仮に制度を利用しなかったがためにトラブルになってしまった場合に一番困る人を先に説得していくのが定説では無かろうかと思う。
不動産業者を先ず説得したのは、今回の場合転売目的であったが、転売先に卸した後にトラブルが発生すると、一番困るのはか彼らだからである。
殺し文句に使ったのは、『宅建免許に傷が付く』。つまりは、高齢者本人を不在にすると、昨今とてもうるさくなっている本人確認義務に反し、トラブルが起こってしまった時に真っ先にその責任を追及されるからである。

将来起こりうるトラブルで最も多いのが、推定相続人(仮に本人が亡くなったら相続人になる人)の間で、揉めていたり人間関係が崩れているような場合に、取引の有効性について追及される場合であろうか。有効性について、訴訟でも提起されたら、ほぼ勝ち目は無いであろう。

少々話は脱線するが、『ゲーム理論』(戦略的思考方法を経済学の面から学問としての理論)によると、人は何かの行動を行う場合、そこにはほぼ必ずインセンティブが存在する。このインセンティブとは必ずしもメリットだけではなく、不利益を避けるというケースもある。(例えば、法律を破ると罰せられるというのもその一つ)

今回、関係者へ後見制度の利用を 説明するに当たっては、上記の理論を強く意識した。専門家に有りがちな押し付け的な説明や、明らかに怠慢でしかないであろうと思うのが『法律で決まっている』などという説明だけでは、多額の取引を何としても進めたいと思っている不動産業者には響かない。それよりも、この取引をこのまま進めると、どんなトラブルが待っているのかを想像してもらい、如何に困ったことになるかを考えてもらう。それにより、多少遠回りをしてでも、そのプロジェクトを将来まで心配せず安心してクローズさせられるということである。この説明が幸をそうしたのか、理解を示してくれた。

今現在、女性の成年後見の申し立て手続きを行っている。まだまだ課題はたくさんあるが、1つずつクリアしていきたい。

それこそが、コンサルタントとしての役割であり、存在する意義でもあるのだから。
 

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司法書士事務所の経営を語るにおいて、資格が有れば仕事は舞い込んでくるという時代は既に過去のものとなっています。

一方で、多くの司法書士(この中にはもれなく私も含む)は、依然として昔ながらの営業手法に依存しており、世間のニーズに必ずしも答えられていないのが現実です。

そんな中、新たな打開策を見つけるために、問題解決ツールを活用し、現状の分析を行う事に着手しました。

ここでは、自分達の実際の事務所運営を可能な限り公開して、解決ツールの有効性を検証してみたいと思います。

すべてを一度に書ききるのは困難なため数回に分けてご紹介していこうと思います。

著書に基づき、先ずは課題の設定です。
そこで、年初に掲げた今年の目標である【継続取引先を新規で3ヵ所開拓する】をターゲットにすることにしました。

ただ、これでは全然具体性がありません。
また、著書によると、いきなり対策を考えてしまうことはいけません。対策を考えてしまうと、そもそもの原因が分からないで無駄打ちしてしまう事になり、非常に確率が悪いからとのことです。

問題の所在(where)を特定して、その原因を深く掘り下げ(why)、最後に対策を考える(how)のプロセスを経ることで、根っこの原因に対する施策を打つことが出来、後日の評価を適切に行えるそうです。

以上、第一回はここまで。次回は具体的な課題の設定方法です。

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事務所所在地の新宿区で、新宿歌舞伎町のイルミネーション事業を通して、イメージアップを積極的に行っていらっしゃるNPO法人様がいらっしゃいます。

数年前からのお付き合いとなりますが、私も何かお役に立てることが出来ないだろうかということで、わずかですが賛助をさせて頂いております。

例年、11月1日に歌舞伎町のイルミネーションを点灯し、明るくて安全なまちづくりに取り組んでいらっしゃいます。

本年もその点灯式が行われましたので、本ブログでご紹介させて頂きたいと思います。

もし読者の方で新宿区役所通りにお立ち寄りの方がいらっしゃいましたら、是非イルミネーションをご覧になって頂き、楽しんでみてください!

 


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企業法務のみならず、個人間においても、お金の貸し借りを行う際には、後日の紛争を防止し、回収を確実にする為に契約書(もしくは借用書)を交わすと思います。

 

金銭消費貸借契約書を締結する際に、一般的な契約書ひな形を参考にされる方もいらっしゃると思いますが、我々専門家から見ると、そのまま使用するのは危ないなと感じる時があります。

では、今回はその「金銭消費貸借契約」にスポットを当てて、解説をしてまいりたいと思います。

 

1.契約名について

通常は、お金の貸し借りを実際に行う前に契約書の内容を確認し、合意が揃えば、金銭の授受(銀行取引などでは実行日と呼ばれる)が行われます。

その場合は、契約書名は金銭消費貸借契約で問題ないのですが、一方で、将来金銭の貸し借りを行う事を約束するだけで、実際には金銭のやり取りはされない場合もあります。その場合の契約書名は、「金銭消費貸借“予約”契約」と呼び、“予約”という文字が入ります。これにより、金銭消費貸借そのものの契約(つまり、お金の貸し借りの約束+実際の貸付行為)が発生するものではなく、将来予約契約により定められた内容の権利を実現して、初めて金銭消費貸借契約関係が生じることになります。


改めて述べますが、金銭消費貸借予約契約書自体は、具体的な金銭の貸し付けを示すものではなく、あくまで将来貸し付けをすることの予約を示すにすぎず、いわゆる借用書としての効力(本契約を盾に支払いを請求する等)はありません。

2.返済方法について

具体的な返済方法については、当事者間の合意が最優先となりますが、契約書ひな形で時々漏れている点について記載します。

(ア)毎月の支払い期日について

毎月の支払期日について、「支払期日は毎月末日までに支払うこととする」旨の記載を追記します。

よくある例として、末日払いと定めますと、末日が土日祝の場合は金融機関が休業となるため、借主側の判断で翌営業日に支払いを行い、貸主側との認識違いにより支払遅延ではないかとのトラブルが生じるケースがあります。

その点、末日までの支払いとしておきますと、上記のケースでは明確に「前営業日」と定義されるため、トラブルを回避することが可能となります。

(イ)
支払方法(持参もしくは送金)について

毎月の支払方法について、(ア)と併せて「毎月末日までに持参もしくは送金にて支払う」とするケースが一般的に多くみられます。

銀行振り込み等の送金の方が、支払の証拠が残るためお勧めされます。

また、合わせて送金の場合は「振込手数料はどちらの負担とするのか(通常は借主負担)」も明記しておいた方がよいと思われます。

 

3.利息の定め方について

利息の割合については、当事者間の合意で定めるべきものではありますが、利率を決定する場合、参考となる利率は以下の通りとなります。

(ア)法定利息

利息を支払う旨のみ定め、利率を定めなかった場合は、民法上年5%となります。

(商人間(商売上の貸し借りなど)では年6%となります。)

(イ)利息制限法による上限

当事者間の合意で定める利率の上限は、元本が10万円以上100万円未満のときは年18%100万円以上の場合年15%となります。

(ウ)遅延損害金の上限

遅延損害金の上限は、(イ)の1.46倍が上限となります。

 

つまり、利息については当事者間の合意が最も優先される(法定利息より低い利率を定めてもそちらが優先)ものの上限は(イ)で規制され、遅延損害金も同様に(ウ)にて規制されているということになります。利率は、物的担保の提供の有無に応じ、利息を決定することも一案です。ただし、会社の役員が個人的に会社に貸し付ける場合などは、余りにも利率を高く設定すると、会社利益が流出しているのではないか、という疑念が他の役員に抱かれる可能性もありますので注意が必要です。

 

4.支払い遅延時の期限の利益喪失について

民法の原則では、支払いが遅延した場合には貸主は借主に対して催告が必要となると定められていますが、借主が一定の事項に該当する場合に、貸主が催告せずとも当然に期限の利益を喪失するとの定め(期限利益喪失特約)を設ける事は、多くの契約書で散見されます。その場合に借主が支払う義務のある額は、元利金とされることが一般的です。(残債務としますと、利息は含まないと解釈される可能性あり)

また、分割金もしくは利息の支払いを何回程度遅延すると期限の利益を喪失するかについては、こちらも一般的には1回と定めるケースが多く見受けられます。

ただし、会社間の貸し借りにおいて、仮に一度でも遅延した場合に即座に元利金の一括返済を求められるとなると、借り手側の会社の財務に与える影響が大きく、また、取締役個人が貸している場合などは、その取締役も経営参画しており、それを望まないであろうことも考えられます。

従って、考えられるパターンとしては、①1回でも遅延すると期限の利益を失うと明記しつつも運用で対応する方法か、②双方のバランスを重視し2回程度と定めるかのいずれかが考えられますが、多額の金銭を貸し付けたリスクを負う貸主の保護を重視し、①とされることを推奨致します。

ただし、その場合の注意点としては、将来貸主と会社の関係が万一悪化した場合、貸主は契約書を盾に即時支払いを求める可能性があることには注意が必要です。

 

5.その他検討事項

金銭消費貸借(予約)契約を締結する場合、以下の点についても検討が必要となります。

(ア)担保提供について

多額の貸付けを行う場合、通常貸主は借主に対し、その担保を求める事があります。よくあるケースとして、人的担保として連帯保証人を立てる場合がありますが、連帯保証人は心理的な圧力は生じるものの、現実的な債権回収の場面においては、連帯保証人の資産状況によっては強力な担保とはいえない場合もあり、もし物的担保も合わせて要求する場合、以下担保の検討が想定されると考えます。

1.借主もしくは連帯保証人所有の不動産への抵当権設定(不動産担保)

2.借主がもつ売掛債権(売上金等)の提供(集合債権譲渡担保)

3.借主所有の動産(店舗設備等)に対する担保設定(動産担保)

一方で、利息をやや高めに設定する事により、貸主の返済リスクに対する対価とし、物的担保を設定しない場合もあります。

 

(イ)貸付けに関する取締役会の承認について

会社が金銭を借りる場合について、取締役会設置会社においては、各取締役に業務執行の委任を行うことが可能ですが、会社にとって重要な業務執行については、必ず取締役会決議による承認を求めなければならない旨が会社法362条に規定されており、その一つとして「多額の借財」が明記されております。


ケースによっては、会社の資本金額に対して、その数倍の借入の場合、上記多額の借財に該当するものと思われます。

また、貸主が取締役であり、取締役と会社との間で利益が相反する取引であると考えられ、会社法356条に規定する、利益相反取引の場合に該当し、その意味においても取締役会の承認が必要であると考えられます。

(例として、恣意的に利息を高利率に設定することで、会社利益が取締役個人に流出しているのではとの疑念を抱く取締役がいるかもしれません。)

これらの理由により、具体的に金銭の貸付けが実現するとなった場合には、事前に取締役会における承認を得ておく方が良いものと考えます。

なお、仮に取締役会での承認を得ていなかった場合でも、その貸付けは対外的には有効となり、貸付金をもって購入した設備投資等は有効な取引とみなされ、取締役の善管注意義務違反、任務懈怠違反等の会社内部の問題のみが残ることとなります。

 

(ウ)契約書の署名押印について

契約書はその重要性を鑑み、本人の署名及び実印の押印、さらには印鑑証明書の添付まで行っておけば、後日の紛争に対しても強力な証拠文章となります。

特に、保証人についてはトラブルになりやすく、必ず書面で行うことが法定されており、またその意思確認の意味においても、記名ではなく署名を求めた方がより確実であると思われます。更には、関係者全員が一堂に会し、面前で署名押印する方法を採用されますと、署名押印が不正に他者によって行われたものではない事の重要な証拠となると思われます。

以上、今回は金銭消費貸借契約について書いてみました。
多額の金銭の貸し借りを行う場合には、契約書のひな形を買ってきて、サインして終わりというのはとても怖いことだという事が、少しお分かりいただけたのではと思います。
もしご心配の方は、専門家に相談され、ご自身の事情に応じた内容の契約書を作成されることをお勧めいたします。


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外資系企業様から、「自社で作成した英文議事録の日本語訳をチェックしてほしい」というご相談をお受けすることがあります。

企業様により環境は様々で、社内文書も日本法人といっても社内は日本人が全くおられなかったり、その逆で日本人ばかりだったりと、構成メンバーによって主な言語が決まっているようですが、よくお話をお聞きしていると、前任者の作成した議事録の言語も大きく影響していることもあります。

前任者が英語で作成していたから、その後任者も英語で作成しているケースでは、議事録の大半をそのまま使い、日付と少しの修正を加えて完了とする事も多いそうです。とても合理的で、効率的だと思います。
その反面、前任者の作成したものに必要以上にひきづられてしまうこともあるそうです。

話を戻しますと、冒頭のような英文の議事録の日本語訳をチェックしてほしいというようなご依頼は、社内の公用語は英語であるものの、日本の会社である以上日本の法律に適合した議事録である必要性があり、従って日本語でもきちんとした議事録を作っておきたいというお考えをお持ちであり、とてもしっかりした企業様だなという印象を持ちました。

その企業様は、議事録の保管の義務年数や、閲覧者からの要求の際の対応など、細かくルールを決めていて、いついかなるときにでも、要求に応えられる対策を考えていらっしゃるようでした。(社員数は決して大人数ではない企業様です。)

すべての企業様で、同様の対策をとることは、費用対効果の面では難しい事もあると思いますが、重要な決断を下した時や、後々トラブルに発展することが予想されるようなケースでは、必ず書面化しておき、また作成書面もメモ書きのようなものではなく、法律に従った記載ぶりで残しておくことで、万一の際の強力な証拠となってくれるものです。

議事録を作成しておくことは、未来の経営者様へ、ご自身からの贈り物としてお考えになってみては如何でしょうか。

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今回は、少々マニアックな記事を掲載したいと思います。

 

「合同会社の(代表)社員が死亡した場合の出資金(持分)の取扱について」

 

合同会社の社員が死亡した場合、その死亡した社員の出資金(持分といいます)について、株式会社とは異なり、特殊な取り扱いが行われております。

 

株式会社の場合には、亡くなった方が株主であれば、当然に株は相続人に引き継がれますし、亡くなった方が取締役等の役員であった場合は一身専属的な地位であるため、相続人には引き継がれません。

 

一方、合同会社の場合は同一人が出資者(株主に相当)であり、社員(取締役に相当)であるため、相続人に引き継がれるのかどうか、

引き継がれるのとしたら何が引き継がれるのかが問題となります。

その取扱いとしては、その会社の定款で、次のような定めがあるかどうかによって異なってきます。

 

<定款の定め>

社員が死亡した場合または合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する。

(“相続による持分承継の定め”と呼ばれます)

 

つまりは、亡くなった社員の持分を相続人が引き継ぎますよ、という定めがあれば、死亡社員と相続人がそっくり入れ替わることになって、

そのような定めがなければ、相続人に対して金銭等が払出されることになるということです。

持分が払出されるかどうかは、会社から資金が流出するかどうかにかかわるため、会社の債権者に多大な影響を与える可能性があります。

よって、債権者を保護する手続きが必要となるかどうかで大きく異なって参ります。

 

それでは、上記の定款の定めの有無に分けて説明していきます。

また、それぞれの場合で論点がいくつかありますので合わせて記載します。

 

①定款の定めがある場合

死亡した社員の相続人へ、亡くなった社員の持分が引き継がれます。

持分が引き継がれますと、相続人は全員がその会社の社員に就任することになります。ここでは、“全員”が社員となるということがポイントです。

 

論点Ⅰ:複数の相続人のなかで、一部の人が社員になりたくないといったらどうなるのか?

相続人の一部の方が、これまで全く経営に関与してこなかった為等の理由で、社員になる事を拒否する事は十分に考えられます。

では、遺産分割協議によって、相続人のうちの特定の方(例えば長男だけ)が社員になる事は出来るのでしょうか。

答えはNOです。理由としては、亡くなった方の生前の権利だけではなく義務までもひっくるめて相続するからであると言われています。

(簡単に言うと、義務とは借金などの責任の事で、これは相続人で好きな様に責任の分担を決める事は出来ません。)

従って、現実的な対応としては、一度相続人全員が社員に就任し、拒否している方は即座に退社し、他の社員に持分を譲渡するという方法が必要となります。(ちなみに、相続放棄をしている相続人がいた場合には、その者は社員にはなりません。)

 

論点Ⅱ:亡くなった社員が代表社員であった場合、相続人は必ず代表社員となるのか?

死亡した社員の地位を、そのまま引き継ぐわけでは無く、もし相続人が代表社員になるのであれば、改めて選任を行う必要があります。

これは、死亡した社員の地位の一切(代表者であることを含め)を承継するわけではなく、あくまで出資金(持分)を引き継ぐことになるため、

相続人は出資者(つまりは「社員」)でしかないためです。よって、相続人が代表社員になるためには、新たに選任される必要があります。

 

なお、相続人による持分承継の定款の定めがある場合には、持分の払い出しはされません。

よって、登記の面で言えば、社員の変更登記のみが必要となり、資本金の額の減少登記は不要となります。

 

②定款の定めが無い場合

相続人の持分承継の定めが無い会社の場合は、死亡した社員の持分は、相続人に対して会社が金銭にて払戻しを行うことになります。

相続人は、会社に対して全員で払戻し請求権を持つことになります。

 

論点Ⅰ:会社法612条には、「払戻しを受ける事が“できる”」となっている。では、払戻しを受けない事も可能か?

例えば、家族経営のような合同会社の場合、わざわざ払戻しを受けず、そのまま会社に資金をプールしておきたいという考えがあります。

その場合、死亡した社員の持分に関して、払戻しを受けないという事は出来るのかどうかについてですが、私が直面した会社の管轄する法務局に照会を行ってみましたところ、出来るという回答を得ました。

 

つまりは、相続人全員で払戻し請求権をもっているが、それを行使しないという状態もありうるという事です。

そうやって請求権を持ち続けて、10年経過し時効消滅をさせるというものです。

そのようなやや裏ワザ的な?方法がある事は、とても驚きでした。ただ、もし途中で相続人の一人が払戻しを受けたいと言い出したらややこしい事になります。

 

 

以上、今回はややマニアックな合同会社の社員が死亡した場合の取扱について記載してみました。

色々と相続人にしてみるとややこしい話が出てくること必死なので、

やはりきちっと後継者にバトンタッチしておく事が、迷惑をかけない大事な事だと思います。

事故等の不慮の場合には、やむを得ませんので、その時は定款の規定を確認し、しかるべき対応を検討してみてください。

 


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昨今、ちまたでは相続セミナーが盛んに開催されていますが、そのほとんどは「いかに相続税を減らすか」「相続税を浮かせて得をするか」といった内容が目立ちます。
よって、主催は必然的に会計事務所が行う事になります。

今回、私が開催したセミナーでは、そういった得する話ではなく、逆に「いかに損をしないか」にスポットを当てて、講演をさせていただきました。
損得とはいっても、お金のことではなく、親しい関係の方との人間関係のことです。

ご存じのとおり、H27に相続税の改正が行われる予定となっています。
現状、相続税の対象者は全国で4%程度、改正が行われても数%でしかありません。
それよりも、もっと一般の方に身近な問題として、いかに財産を継ぐことになった人に上手く承継してもらうか、揉めないようにしておくのか、のほうがよほど大事なテーマであると思います。

セミナーの内容としては、特に不動産の承継にスポットを当てて、相続時の評価方法や分割方法などをご紹介させていただきました。

また、基本知識のおさらいとして、安倍総理の家系図を使って皆さんにお話しすると、とても興味をもって聞いていただくことができました。

また、遺言の活用についても触れ、トラブル事例を交えて、遺言作成の必要性についてもお話させていただきました。

あるアンケートによると、財産を継ぐ方(相続人)が、親等の被相続人に一番やっておいてほしいことは、「財産・負債の一覧表を作成する」ことだそうです。

どこにどういった財産があるのか、借金があるのか、そういったことを一から調査するのは本当に大変です。エンディングノートを活用して、まとめておくのもいい方法だと思います。

財産の多少にかかわらず、お一人お一人必ず起こる可能性がもの、それが相続です。

皆さんの今後の人生にとって、少しでもお役にたてますように。

※相続セミナーの様子を配信しております。ご興味ある方は是非ご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=-gTX-GPj86s&feature=em-upload_owner

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