年間555本目(9月53本目) 

2020年公開 邦画 10位 全 228本中

通算 邦画 9,216本  洋画 7,366本 合計 16,582本

 

青山監督は、長編デビュー前のWOWOWの“J・MOVIE・WARS”第3弾の1本で

作った「Helpless」(放送では30分くらいのプロット版)から

見ているのであるが、これが遺作(の予定ではなかった、本作後に闘病2年でなくなる)で

あり考え深い。

上記の「Helpless」を見たときは、また立教大学の蓮實重彦の授業で

括目したメンバーで、「かなり前衛的でわかりにくい映画監督がでた」との

印象であったが、最近段々と「わかりやすく」なりつつあり

最後に、EXILE軍団の原作、制作、バーターで岩田剛典(EXILE)をつっこんでの

主題歌(映画に合わないエンディング)まで突っ込んだ、EXILE系のアイドル映画で

あったのがビックリである。

なので、相変わらずに顔芸とオラオラ(スター様だぞ)演技の岩田剛典の棒演技も

酷く、しかも、スター様哲学のセリフが棒で読まれているので一言も

入ってこないのであるが、やはり、多部未華子も存在、演技でなんとか

成り立っている。

前半は、彼女の存在感を殺してぼんやりとした印象であり、

両親を亡くした喪失感と喜怒哀楽出来ない自分悩みを消極的に演じて

TVドラマで見せる彼女の存在性を強いて殺して演じているので前半は

まだろっこしさも感じるが、環境の変化からの愛猫の死病からの

彼女の変化と再生での変化は別人に様に内面から変化をさせる演技で見事である。

「空に住む」の題名の高層マンションの住んでる感、高層感、生活感がないのは

青山監督も興味がないのか、逆に多部が働く、零細編集部の古民家の職場の方が

生活感もあり、社長、編集長の個性も感じられもっと描けばと思う。

後輩ちゃんでちゃっかりと担当の作家の子供を宿して、他の男と

結婚(できちゃった婚)をする後輩ちゃんの岸井ゆきののちゃっかりとした

存在感ある演技も印象に残るも描き切れていないのでもったいない。

やはり、EXILE軍団部分がいらない。

EXILE軍団は映画製作に前向きで金も出し映画もつくるのに

どうしてEXILEメンバーの演技を追い込んで映画つくりをしないのか

残念である。ジャニーズは結局アイドルのまま学芸会演技のメンバーもいるが

ちゃんと役者に追い込まれて役者で結果を出しているメンバーもいるので

そこで差を感じる。

EXILE軍団出身で役者で評価されたのは石井杏奈だけである。

結局、青山監督としては一番娯楽に寄った作品であるが彼の映画の中では

下の部類でしょうね。

やっぱ、「ユリイカ」を超える作品が撮れませんでしたね。