山下裕二氏講演『日本美術を愉しむために~伊藤若冲を中心に』 | ヒズモのブログ

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本好き、映画好き、落語好き、卓球好きのパート社員です。

昨年末、西日本新聞で「九州市民大学(http://www.kyucc.com/)」2017年受講生募集の広告を見ました。毎月1回、著名な方の講演会が開催され、講師陣をみて俄然、聴講したくなり申し込みました。

第1回の今月は明治学院大学教授でTVでもお見かけしたことのある山下裕二さんでした。会場の福岡アクロスは昼の部1800人の知識欲旺盛な受講生でいっぱいです。受講の皆さんの中では私は若年層だなと思いました。

 

パンフレットからの山下裕二氏講演の紹介文です。「日本美術応援団長として日本美術の普及と再評価に努めている。室町時代の水墨画研究を起点に縄文から現代美術まで、そのジャンルは幅広い。大人気を博した2016年の展覧会「若冲展」において、若冲の人柄や作品について初心者にも分かりやすく解説。目からウロコが落ちる講演会になること間違いなし!」

 

山下教授は伊藤若冲の「動植綵絵(どうしょくさいえ)30幅」のスライド画像を中心に、本当に面白い解説をされました。その道の専門家はこういう鑑賞をするのかと、驚きました。

私は2007年に九州国立博物館で開催された「若冲と江戸絵画展」を観ていましたが、山下教授がその時行かれた方は?と聞かれると大勢の方が挙手され、若冲人気がよく分かりました。スライドの拡大縮小がサクサクできて、細かい描写も解説できる画素数の設定に苦労された話なども聴けました。

 

伊藤若冲はどういう人であったのか、歴史背景から、絵から見えてくる性格、生き方等、いつまでも聴いていたいと思う内容でした。ひとつの絵から、こんなに情報が取り出せて、心理分析もできるのかと驚きました。

 

山下教授ご自身が若冲の絵が大好きで、嬉しそうに解説されていました。聴いていて楽しくなり、私も美術館でのこれからの観賞の仕方が確実に変わるだろうと思いました。

1991年に小学館発行の「新編名宝日本の美術 第27巻 若冲・蕭白」が家にありました。今、生涯独身で84歳まで生きた伊藤若冲の絵を山下教授の話を思い出しながら、味わっています。

 

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