ここ何年かで「気象病」という便利な言葉ができました。

私も気象病といわれる範囲の体調不良を長年抱えています。

体調不良歴は覚えているだけでも子供時代にまで遡ります。

気象病の症状の遍歴

小さい頃から激しい乗り物酔いをする子でした。

親戚同士で車で遠出すると、

兄弟やいとこたちは車の中でお菓子を食べたり漫画を読んだり、

前方座席から後方を向いてトランプなどをして遊んでいましたが、

私は無言でずっと後部座席で窓からの風に当たり吐き気を堪えていました。

そして道中4回も5回も胃液が出るまで吐き続けました。

 

思春期になって曇りの日はだる沙や憂鬱さを感じ、

高校生の時には生理中の雨の日に駅でめまいで倒れました。

同時に突然の激しい腹痛と吐き気を伴う下痢をし、

その日は親に連れられて帰宅しました。

 

若者時代にも、旅行だスキーだと遊びに出かけても、

行きの車や飛行機での移動で何度も吐き、

現地についても1日寝込んでいるような有り様でした。

 

社会人になってからは、曇りの日は能率が上がらないと感じていました。

ぼんやりしたり考えや決断がまとまらなかったり、怠くて飲み会も断りました

雨でもないのに昼夜問わず急激な腹痛と吐き気と下痢に襲われ、

貧血を伴いトイレで座っていても倒れるようなことが年に1〜2度起こりました。

 

中年になるとそこに耳鳴りとめまいが加わりました。

午後は天気が崩れそうだという日は、

まっすぐ歩いていてそのまま壁に激突したり、

デスクワークでPCに入力しながら隣の席の人に倒れかかったり、

耳の中がギュンギュン言い出して何にも集中できなくなりました。

 

原因特定に何十年もかかった

当時は気象病などという言葉はなかったので、

その時々の不調が何由来なのかがわかりませんでした。

子供の頃は乗り物酔い止めを飲んだり、

虚弱体質の子だと思った親に養命酒を飲まされたりしました(笑)

 

自分で健康管理をする年齢になってからは、

ひたすら仮説→検証→分析を繰り返す長い旅に出ることになりました。

 

若い時は生理周期に関係があると思っていました、

高校生の時に倒れたのが生理中だったからです。

しかしその後に似たような症状が起きた時、

特定の生理周期に連動しているとは言えないことに気づきました。

 

冷えなどの体温や気温原因説、食べ物との相性(アレルギー)、

アルコール摂取の量、精神的なストレス、

それらの組み合わせやタイミングなども含めて何十年も検証しました。

寒い日にビールをたくさん飲んだから?

甲殻類とかニンニクとかが合わないのかも?

日本酒はセーフだけどワインがダメなのかも?

生理前に仕事が忙しかったからかも?

でも毎回仮説と検証を繰り返して統計をとっても、

それらにははっきりした傾向が見られませんでした。

 

精神科で相談をしたこともありました。

どういうときに不調を感じやすいですか?と問われ、

曇りや雨の日が多く晴天はとても元気・

秋冬は調子を崩しやすいけど、春や夏も突発的に起こる。

週単位月単位ほど続かず週の中で急変と回復が起こる。

特定の飲食物が引き金ということもなさそう、

ほぼストレスがないと言える生活環境でも変わらず起こる。

そんな感じで医師に訴えてみたところ、

うーん、鬱とか躁鬱はそんな超短期タームでは変動しないよ、

ちょっと精神科の範囲ではこれだというものが思いつかない、と言われました。

 

下痢で胃腸科に行けば整腸剤や下痢止めをくれる。

気分が落ち込む集中できないと言えば精神科は安定剤をくれる。

頭痛や熱っぽさを訴えれば内科はビタミン剤や解熱剤をくれる。

漢方外来に行けば虚体質改善の漢方を処方される。

結局原因は特に不明で薬による緩和処置しかできませんでした。

 

世の中に「気象病」という言葉が爆誕する

そんなある時、突如として「気象病」とう呼び名が世の中に出現しました。

曇りや雨の日などお天気が体調に作用しているらしい、

そういった体調不良を多くの人が感じているらしいというもの。

解説や症状が自分にも当てはまると思いました。

 

それまでは曇りの日は体がだるくなったりしがち、

と漠然と捉えていましたが、

外がうす暗いから気分が冴えないくらいの気分の問題だと思っていました。

子供の頃から母がわたしにそのように私に言っていたからです。

雨でヤダなーと思うからよ、

長いこと車に乗るのしんどいなーと思うからよ、

生理でだるいなーと思うからよ、と全ての不調の根源は私の気分の問題だと。

うちの母は毒親というより科学的アプローチが苦手な人、

昔にありがちな根性論の人だった(笑)

だから身体の不調と天気がそこまで直接的に関係しているとは思わなかった。

 

社会人になりストレスが原因かもと思って精神科で相談していた頃、

そもそも曇りや雨の日が憂鬱なのは、

充分な光が視神経に届かなくて脳から分泌される物質に影響があるからだと、

憂鬱のメカニズムすら科学的に説明できるのだと知りました。

だったら、今までの体調不良も天気に関係しているのでは?と、

そこで初めて身体的な不調と天気を結びつけてもっと検証してみることにしました。

 

神アプリ「頭痛ーる」ですぐ明らかに

気象病のサイトでよく名前が出ていた、気圧変動の予測アプリ「頭痛ーる」。

低気圧で頭痛になる人が多く、

そういった人向けに作られている無料のアプリです。

 

無料の範囲ですと2〜3日後までの気圧変化しかわかりませんが、

私の検証方法は、

体調不良を感じたその時に気圧がどういう状況か見るのが目的だったので、

先々の情報は別にわからなくてもかまいませんでした。

(むしろ先に知るとバイアスがかかって正しい検証ができない)

 

そして3ヶ月ほど、耳鳴りやめまいが発生した時や、

飲食物や暑さ寒さに関係ないと思われるひどい腹痛や下痢・食欲不信など、

昔からある比較的顕著な身体的症状を記録していきました。

そして頭痛ーるの気圧グラフと照らし合わせてみました。

するとどうでしょう、

日時が頭痛ーるの気圧変化とぴっっっったり合うではありませんか!!!

天気予報を見なくてもいいほど不調と気圧が連動している。

 

頭痛ーるでは気圧の上下を折れ線グラフで表示しています。

縦軸がヘクトパスカル、横軸が時間経過です。

横軸の時間経過では6時間ごとに4段階?の警戒度が表示されています。

通常、やや注意、注意、警戒です(厳重警戒か超警戒?も見たような?)。

 

正確には公式で確認していただきたいのですが。

この警戒度というものは低気圧(ヘクトパスカル)数値ではなく、

6時間の間にどれだけ急な変化が起こるかを表しているものと考えます。

同じ998hPaでも何日もその状態が続いていれば警戒度は低いですが、

6時間の間に1020hPaから998hPaに急変するときは要警戒というような感じです。

低気圧ではなく、気圧変化の高低差が体調不良に関係しているということではないかと思います。

無料では高気圧→低気圧の急変アラートが設定できるようですが、

有料会員には低気圧→高気圧アラートもあるようです。

雨の前だけでなく、これから晴れるというときにも痛みが出る人がいるようです。

 

私は注意や警戒マークが出ている数時間「前」に、

もっとも不調を発症することがわかりました。

今とても晴れていても昼ごろ豪雨になるような日の朝の通勤途中で倒れたことがありますし、

朝の天気予報では予測できないゲリラ豪雨の時、

降る前に目眩で会社の壁に激突したこともあります。

全部天気が変わる前です。

激しい天候変化が起こる前に気圧はすでに急降下しているから。

 

台風や梅雨前線など何日もかけて気圧が変化し続ける時は、

折れ線グラフも急な角度で右に下がりっぱなしです。

そんな時は二日ほど頭痛や目眩や耳鳴りや倦怠感や突然の下痢で寝込みます。

逆に梅雨でもずっと低気圧のまま低い状態で推移すれば、

天気は雨ですが気圧の変動が少ないので元気に働けます。

 

気圧の急変。

それが私の長年の不調のトリガーになることがはっきりしました。

ほんとうにありがとう、頭痛ーる開発者さん運営さん!

 

更年期で加速する気象病

更年期症状もホルモンバランスの乱れで自律神経系の症状が多いので、

気象病とモロ被りします。

更年期由来の不調と気圧が掛け算になって、

ちょっとした気圧変化でも症状がどーーーんっと現れることもしばしば。

 

自分でも情けなくなるほど、体が鉛のように重くて立ち上がれません。

平日5日間の中でまともに家事ができる日が2日しかなかったことも。

頭は痛いし耳鳴りはするし食欲もないし苦しいことだらけなのに、

なにもできない自分を責めてますます陰鬱な気持ちに拍車がかかります。

 

そもそも似たような症状ですが、

更年期外来にかかっても気象病のことは相手にされませんし、

精神科にかかっても更年期だと仕方ないねーということになります。

症状が倍増しになっているのに、決定的な手立てがありません。

 

最近は日本の気候も昔と違って激しい暑さ寒さや雨に見舞われるようになりました。

天気予報でも秋の台風シーズン以外に特別警報や避難指示が増えてますよね。

1年を通して調子がいい季節がありません。

激しい気圧変動になっているのに、更年期の影響も受けているのです。

おまけに悪性腫瘍の再発の恐れがあるため女性ホルモン系の治療ができません。

 

地獄です、週に何度も地獄を見るのではQOLが低すぎる。

家族もかわいそう、過ぎ去るのを待つしかないですね。