卵巣嚢腫で境界悪性と診断され、
子宮系一式を全摘出することになりました。
病院の説明によると、
境界悪性とは良性とガンの間の悪性という位置付けの細胞で、
ガンとは違う別ものの種類だと認識してくださいとのことでした。
体に対する悪影響の度合いがガンほど悪くない、
ガンより顔つきが良い、でも良性ではない、
放っておくと体には良くないので悪性という名がつく種類と言われました。
片方の卵巣の細胞が悪性だったので、
そこと繋がっているところに転移しているかもしれない、
あるいは転移していなくても今後広がる可能性がある、
下手をするとそれが腸やリンパなど他の器官に転移する危険性もある、
出産予定のない年齢なので全部とってしまってそのリスクを下げる、
そういう説明を受けました。
そして別記の通り開腹手術で全て取り、
数週間の病理検査で転移や細胞の状態を調べるわけです。
その間、皆さんならどう過ごされているのでしょう?
ガンだったらどうしよう...とまず不安でいっぱいになりますよね。
私も術後の胃痛がずっと治らなかったのは
考えないようにしていても、このストレスにやられていたからでしょうね。
最悪のことは実は最初の腹腔鏡手術の時に考える機会がありました。
大部屋の隣の人が放射線治療をしてらっしゃったんですよね。
その時は私は良性だとタカをくくっていましたが、
もし私が今回以外でも闘病が必要になったらなら、
吐いてでも毛が抜けてでも痛くても生きるために頑張ろうと
小さく覚悟を決めたんです。
なので悪性がわかって全摘後の病理待ちの間は、
闇雲に不安になるということはなく(不安な時は上手に安定剤を利用して)
それよりも具体的な選択肢を考えていました。
結果次第で今後の人生設計やライフスタイルが大きく変わってしまいますよね。
私の希望ではできるだけ日常生活を維持したまま治療をしたい。
そのために必要な情報を収集し色々具体的なシミュレーションをしました。
治療が必要な場合は今の生活を続けながらできるのか、
どういう治療方法があるのか、
現住所と実家両方を拠点にした場合の対応可能な病院はどれくらいあるのか、
働きながらが難しい場合は実家に帰って治療を続けることはできるか、
治療にかかる費用の目安と現在の預貯金状況、などです。
ありがたかったのは医師の友達と
リアルタイムで乳がん治療をしている友達がいることでした。
実際に現実的に対応している事実を知ると、
不安って減るんだと思いました。
不安っておおよそは漠然としたもので良く分からないからこそ怖いんだと思います。
こんな選択肢があって、その結果がこうなって、
そうすれば次はこんな手順が用意されていて、
調べれば調べるほど私は生きるために何をすべきかがクリアになるようでした。
よく分からない漠然とした不安が絶望に導き
本当はたくさんあるはずの希望まで見えにくくして
不要な不幸を生み出すんじゃないかなと思います。
あとは日常生活をいつも通りにすることを心がけました。
クリスマスの飾り付けをし、いつものパーティ料理のメニューを考え、
友達と飲みに行ったり、毎年恒例の冬の編み物をしたり、
年末年始の予定を立てたり予約をしたり、
とにかく通常営業で日常を送ることが大事だと思います。
これってうまく言えませんが、
ネガティブなことに他の素晴らしいことまで汚染されたくない、
自分の全てを奪われたくないという気持ちかもしれません。
