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バシールの息子、アブー・アブドッラーフ・アンヌアマーン―アッラーよ彼ら両名を嘉したまえ―の権威による。彼は伝えている。

私はアッラーの御使い―アッラーよ彼に祝福と平安を与えたまえ―がこう言われるのを聞いた。

許されたこと1は明らかであり、禁じられたこと2もまた明瞭であるが、その中間には多くの人々が知りえないさまざまな疑わしい事柄がある。したがって疑わしい事柄を避ける者は、自分の宗教、名誉に関して〔過ちから〕免れるが、それに足を踏み入れる者は禁じられた行為を犯すことになる。これはちょうど聖域のまわりで動物を飼う牧童3が、聖域の中で動物に草を食ませる危険を冒すようなものである。まことに王者は誰しも聖域をもっているが、アッラーの聖域とはそのさまざまな禁令である。まことに肉体の中には一片の肉があり、それが健全な場合肉体はすべて健全だが、それが腐ると肉体もすべて腐ってしまう。その〔一片の肉〕とは心のことに他ならない。

この伝承は、アルブハーリーとムスリムの2人が伝えている。

1 原語ハラールとは宗教で許されたこと、許された行為を指す。

2 原語ハラームとは宗教で禁じられたこと、禁じられた行為を指す。

3 聖域中で動物に草を喰ませてはならないが、えてしてその周囲で動物を飼う牧童は知らぬ間にその禁を破ってしまいがちである。

出典:40のハディース イマーム・アンナワウィー イスラミックセンター・ジャパン翻訳
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これはとっても有名なハディース(預言者モハメッド 彼に平安あれ、の伝承)で、ムスリムにとってとても重要な要素が含まれているもの。

このハディースの中で、私が好きなメッセージが2つ含まれている。
一つは、心が死んでいれば、体も含みすべてが死んでしまう。よって、心を常に正常、清純に保たなければ、頭も体も精神も腐ってしまう、という事。心の純化がどれだけ大切であるかを意味する。

もう一つは、疑わしい事柄に足を踏み入れる事はハラームをおかす可能性がある、ということ。ムスリムが禁じられているものを食べる、行為をするなどという事はどういう事なのか、私なりに説明をしてみたい。
私はイスラム法解釈学は少し学んだ事はあるが、大した事ないので大した事が言えない旨ご了承願いたい。

まずは聖典クルアーンから
ムスリムが食せるハラールなものと、ハラームなものはこれで明確である。
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 [5:3]あなたがたに禁じられたものは,死肉,(流れる)血,豚肉,アッラー以外の名を唱え(殺され)たもの,絞め殺されたもの,打ち殺されたもの,墜死したもの,角で突き殺されたもの,野獣が食い残したもの,(ただしこの種のものでも)あなたがたがその止めを刺したものは別である。また石壇に犠牲とされたもの,籤で分配されたものである。これらは忌まわしいものである。今日,不信心な者たちはあなたがたの教え(を打破すること)を断念した。だからかれらを畏れないでわれを畏れなさい。今日われはあなたがたのために,あなたがたの宗教を完成し,またあなたがたに対するわれの恩恵を全うし,あなたがたのための教えとして,イスラームを選んだのである。しかし罪を犯す意図なく,飢えに迫られた者には,本当にアッラーは寛容にして慈悲深くあられる。
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アッラーの御名を唱えないで屠畜した肉について
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[6:119] あなたがたは,アッラーの御名が唱えられたものを,どうして食べないのか。かれは,あなたがたに禁じられるものを,明示されたではないか。だが,止むを得ない場合は別である。本当に多くの者は,知識もなく気まぐれから(人びとを)迷わす。あなたの主は,反逆者を最もよく知っておられる。

[6:120] 公然の罪も内密の罪も避けなさい。本当に罪を犯した者は,その行ったことに対し報いを受けるであろう。
[6:121] またアッラーの御名が唱えられなかったものを食べてはならない。それは実に不義な行いである。しかし悪魔は,自分の友を唆し,あなたがたと議論させようとする。あなたがたがもしかれらに従うならば,あなたがたは正に多神教徒である。
[6:
138] またかれらは「これこれの家畜と穀物は禁じられる。わたしたちが許す者の外に,誰も食べることは出来ない。」などとかれらの勝手な決断により,背中が禁忌になっている家蓄,また(屠殺にさいし)それに,アッラーの御名を唱えない家畜などと(捏造して)言う。(これらは凡て)かれに対する捏造である。かれはこの捏造に照らし,やがて報われるであろう。
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ハラールか、ハラームであるかを決めるのはアッラー以外にない。
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[16:116] あなたがたの口をついて出る偽りで,「これは合法〔ハラール〕だ,またこれは禁忌〔ハラーム〕です。」と言ってはならない。それはアッラーに対し偽りを造る者である。アッラーに対し偽りを造る者は,決して栄えないであろう。

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更に屠畜の際にアッラーの御名が唱える事がかかれている。これ以外にもほかの箇所に何度も何度もでてくる。母親が子どもにどうしても聞かせたいことを何度も繰り返して言う事を想像していただければ解ると思うが、それくらい、何度もでてくる。

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[22:34] われは凡てウンマの(供儀の)儀式を定めた。かれが授けられる4つ足の家畜の上に,アッラーの御名を唱えなさい。本当にあなたがたの神は,唯一の神であられる。だからかれに服従,帰依しなさい。あなたは,謙虚な者たちに吉報を伝えなさい。

[22:35 これらの者は,アッラーの御名が唱えられる時,心は畏怖に満ち,遭遇することによく耐え忍び,礼拝の務めを守り,またわれが授けたものを施す者たちである。

[22:36] また(犠牲の)ラクダ(や牛)を,われはあなたがたのためアッラーの儀式用とした。それらにはあなたがたへの(多くの)利益がある。(犠牲に供えるに当り)並べて,それらの上にアッラーの御名を唱えなさい。そしてそれらが横ざまに倒れ(動かなくなっ)たならば,あなたがたはそれを食べ,また口に出して請わない者,物請いする者たちに食べさせなさい。このようにそれらをあなたがた(の用)に供させるのもあなたがたに感謝の念を起させるためである。
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ここからはハディース(伝承)である。でも、日本語訳がないので、英語。
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“Halal (the Lawful & Permissible) is clear and Haram (the Unlawful & Impermissible) is clear. Between halal and haram lays some doubtful things. Many people do not know whether it is permissible or not. Whoever leaves out these doubtful things in order to protect his religion and honor, then he is safe. Whoever indulges in these doubtful things/matters it is very possible that he will fall into haram, similar to a person who grazes his animals near the royal pasture it is very possible that one day he will graze in the royal pasture. Behold! Every king has a royal pasture and the royal pasture of Allah is those things which have been made impermissible.” (Tirmidhi 1205)
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疑わしいものは避けるべし。
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The Prophet (salallahu alaihi wa sallam) said, “Avoid whatever you have doubts about in favor of what is not (doubtful).” (Tirmidhi)
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ハラームなものを食べると、どうなるか。。。
40日間(完全に体から物質が排除される迄の期間)一切の善行が受け入れられない。礼拝も、喜捨も、すべての善行が、せっかくの善行が受け入れられない。一生懸命、毎日礼拝していても、アッラーの名を連唱していても、何していてもその善行が受け入れられない。体が不浄になるということは、清浄な事ができない、ということである。「あ、食べちゃった。。!」と気づいた頃にはもう遅い。吐き出すか、許しを乞うか、といったところだろうか。
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Sayyiduna S'ad (radhiallahu anhu) relates that the Prophet (salallahu alaihi was sallam) said “O S'ad purify your food (and as a result) you will become one whose supplications are accepted. I swear by Him in whose hands the soul of Muhammad lies, verily a servant (of Allah) tosses a 
haram (impermissible) food morsel in his stomach (due to which) no good deed is accepted from him for 40 days” (Tabrani 6395)
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ハラームを食べ続けるとどうなるか。天国に行けない。。=地獄行き。。。最悪の居所である。
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Sayyiduna Ka`b Ibn Ujrah (radhiallahu anhu) relates that the Prophet (salallahu alaihi wasallam) said, “A body nourished with haram will not enter Jannah”. (Tirmidhi 614)
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ハラームなものでも食べる人たちがいる時代がくる。人が、現世の私利私欲におごれて己の信仰を忘れる時代、宗教の教えを何ともとらえない時代。社会の秩序や道理が狂う時代。まさに今?
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Sayyiduna Abu Hurayrah (radhiallahu anhu) reports that the Prophet (salallahu alaihi wasallam) said, “A time will come upon the people wherein a man will not bother what he intakes; whether from a halal source or haram.”  (Bukhari 2059)

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私の意図が、もうおわかりだと思うが、ハラームを口にする、ということはどういう事なのかをご理解いただきたかった次第である。
なぜ、ムスリムはしきりにハラール食の事を気にするのか、これだけ散々創造者であるアッラーに言われると、もちろんまともな信仰者(ムスリム)は言う事を聞くものである。それで聞かないものはムスリムでないか、教えをしならないものである。

アッラーは聖典にはっきりと、ハラールなもの、ハラームなものをかいてある。

まともなムスリムであれば、それを守る。
まともでないムスリムに基準を下げる事ほどばかばかしいことはない。

ポークフリー
アルコールフリー
ハラール屠畜肉

この一つでもクリアできていなければ、ムスリムにとってハラームである。
ムスリムは食べられないものなのである。

今おこっているムスリムフレンドリーと称した「エセ」は全く持って利益にならない。日本のハラールの存続にも、ムスリムのためにも。本来ある、ハラールのすばらしい構図がわやである。

最近気づいたが、ありがたい事にこのブログを毎日約200人から700人の人が見てくださっている。その中に、これを良く理解する必要がある人たちが含まれていると想像している。この場をお借りして申し上げたい。
日本の将来の利益、あなたの将来の利益をお考えになるならば、今一度、現状をお考え直しいただきたい。協会はそれをサポートするために存在している。できる限りのサポートを提供するつもりである。
私にはムスリムとして、それをする義務がある。