9月19日、キブラ設置のため日航ホテル関空様にお邪魔してきた。
協会としては初めての施工になる。

キブラの設置と言えば、キブラコンパスやスマホで確認して設置する業者もいるが、これほど危ういものはない。
コンパスは鉄筋の建造物、空調設備などの影響で完全にぶれてしまう。スマホのアプリなどもあるが、恐らくGPSを利用しているのだろうがGPSでさえ不正確であるなかこれが背各に方角をさす訳も無い。実際に違った方角をさす事がほとんどである。

一方、原始的ではあるが太陽の動きであれば、完全に正確に方角を確認する事ができる。そのため、その方法を理解しているイスラム法学修学者を協会で採用し、施工にあたってもらった。イスラム法学で世界的に有名である、アズハル大学で学んだ兄弟である。

キブラの設置ということは、それをみたムスリムはそれに向って礼拝をするわけである。いわば、その人たちの礼拝の責任が設置するものにドシッと降り掛かる訳である。礼拝はある程度キブラに向いていれば有効であるが、全く逆の方向を向いていれば無効になる。せっかくの他人の礼拝を無効にしてしまっては元もこもないのだ。
ということで、このキブラ設置はそれだけの重い責任をもった任務である事を、設置する側は理解しなくてはならない。

また、協会のキブラシールには→と、Japan Halal Associationという文字を書いてある。
これは、我々が設置したことを利用者が人目で理解できるように書いてある。利用者がこの方角が間違いである、とか誰がどのように設置したのか等疑問を持った場合、すぐに誰だかわかるように、問い合わせができるようにという配慮である。

そこらの私のような方向音痴のムスリムが設置したのではなく、イスラム聖職者である兄弟が綿密に太陽の動きで確認した方角である事を、問い合わせがきた際には答える事ができる。

施工前は、同席した私とイスラム聖職者である協会スタッフで、何度もドゥアをしているが、もう一度アッラーにお願いをした。「この施工がイスラムのために、ムスリムの為に役立てるものになりますように。全て容易にスムーズに行えますように。あなたに全てを託します。」

我々のボスはアッラーである事を、常に忘れてはならない。
かれの為に自分たちは働いている事を忘れてはならない。

それにしても、さすがホテルマン集団である。
常に行動が丁寧であり、サービス精神というものを常にもっておられる。
ホテル内の子供向けのサービスにも大変充実していて素晴らしい。
このホテルが、ムスリム向けに、お客様の為に、とサービスを提供することにためらいなく全客室にキブラ設置という結果に至った事に納得ができた。
日本のサービスの高さに改めて感銘を受けた日となった。

インドネシアのイスラム聖職者である協会スタッフに合せて、インドネシア駐在経験のある総支配人がインドネシアのバティックと帽子で登場してくださった。これでその日は会議も出席したのだそうだ。これもまたステキなおもてなしである。