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――カカオ・シグナルWhatsApp・Telegramを比較してみた


スマホが当たり前になってからというもの、LINEやカカオトーク、Telegramなど、誰でも簡単に無料でメッセージが送れる時代になった。けれど、その気軽さとは裏腹に、セキュリティ面では疑問が増えてきた。「会話って本当に守られているのか?」「アプリ会社に内容を見られることはないのか?」そんな疑問や不安は、ここ数年で一気に現実味を帯びてきた。


実際、海外ではアプリごとに大きな違いがある。どれも同じように見えるが、その裏側には「安全を重視するアプリ」「広告ビジネス型アプリ」「利便性優先アプリ」など、考え方の違いがある。今回は、日本では比較的利用者が少ないが、世界ではよく名前が挙がるカカオトーク・Signal・WhatsApp・Telegramの4つに注目してみたい。





■カカオトーク



韓国で圧倒的に使われているアプリ。日本ではそこまで浸透していないが、韓流文化や国際交流をしている人は使ったことがあるかもしれない。


しかし、カカオトークは「安全性ランキング」ではあまり高く評価されないことが多い。理由は、通信内容がサーバー側に残る設計があること、そしてエンドツーエンド暗号化が限定的だった時期があるため。利便性や普及率では強いが、「安心して重要な会話をするアプリ」とは言い難い。


■Signal(シグナル)


世界のセキュリティ専門家が口を揃えて推すアプリがこれ。特徴はシンプルで、すべての通信がデフォルトでエンドツーエンド暗号化されていること。そして、オープンソースで開発されているため、「安全性を検証できる」点でも信頼性が高い。


広告なし、データ収集ほぼゼロ。政治家や機密研究者も利用しているほど、プライバシー保護を重視した設計だ。もし「メッセージ=個人情報」と考えるなら、このアプリは現状トップクラスといえる。


■WhatsApp(ワッツアップ)

世界で最も利用されているメッセージアプリ。Facebook(Meta)のサービスで、日本より海外での利用が圧倒的に多い。


WhatsAppは通信が標準でエンドツーエンド暗号化されており、その点ではSignalと同じ。ただし、運営会社が広告事業を行っているため、**通信内容は守られていても、利用履歴やメタデータ(「誰と」「いつ」「どれくらい」話したか)**は収集される可能性がある。


利便性と安全性のバランスをとったアプリという印象。


■Telegram(テレグラム)

サイバー系の人や海外のオタク層、有志コミュニティなどで人気。ファイル共有、大規模グループ運営、匿名性など多機能で強い。ただし注意点があり、通常チャットはエンドツーエンド暗号化ではない。


「Secret Chat(秘密チャット)」を使うとSignal並に強固な暗号化になるが、知らずに普通のチャットを使う人も多い。そのため、「設定を理解して使える人向け」のアプリといえる。

次回は、日本で圧倒的ユーザー数を誇る「LINE」がなぜ比較対象に入らなかったのか。そして、LINEを安全に使うためにできる設定や、アプリの“正しい使い分け方”について話していく。